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第20回『安定志向ばかりで挑戦しない組織を何とかしたい 』

2012年03月01日

チームビルディング・ノート

組織は不安定な状態から始まり、安定を目指して行きます。たとえば、懸命に走り回ってやっと利益を上げられる会社から、新たなビジネスモデルで安定した利益が継続的に上がる会社へ向かっていたり、無法地帯から法治国家へ向かって行ったりといった具合に、不安定な状態から安定へ向かいます。
ところが、必死になって目指していた安定を手に入れるとその弊害も多く現れます。安定したビジネスモデルを手に入れた会社から受ける相談では「同じやり方を続けるだけで、新たな試みをしない。このままではダメになってしまうからなんとかしたい」「ただ仕事をこなしているだけで給料がもらえると思っている」などといった声が多く聞かれます。
安定すると今度は安定とは正反対の挑戦が必要になって来るのです。どのようにしたらこのような組織をより一人一人が主体的に選択し、挑戦する組織にして行く事が出来るのでしょうか?

私たちが相談を頂くケースも様々なものがありますが、いくつかのパターンがあります。

・何が求められているのか伝わっていないケース
今、一人一人にどの様な行動や考え方が求められているのかをあらゆる形で伝えて行く必要があります。ビジョンやバリューなどによる発信、人事制度を変え、求められている行動や考え方が評価されるようにして行かなければなりません。
挑戦が高く評価されない仕組みの会社では同然ながら挑戦する人材は居心地が悪く去って行くか、または環境に適応して挑戦しない人になってゆくかとどちらかでしょう。ただ仕事をこなしているだけで給料がもらえると思って欲しくないのに、そんな人たちに給料を出し続けていればいくら言葉で繰り返し伝えてもそのメッセージは伝わらないでしょう。
メッセージを制度や実際のアクションで示す必要があります。

⇒人事制度の改定
⇒ビジョン共有

・トップに原因があるケース
このケースも比較的多くあります。メンバーに挑戦を求めたり、主体的アクションを求めたりしていながら、トップが全てをコントロールしてしまうケースです。せっかくメンバーが挑戦してもトップの意にそぐわないやりかただとそれを潰してしまうということは頻繁に起こっています。
まずはトップ自身が自らを見直し、本当に何を求めているのかを理解することが必要です。口では挑戦を求めながら、本当はそれが望んでいることではないのかもしれません。まずは自分が何を望んでいるのかを根本から理解する必要があります。
それでもダメであればトップを入れ替えて文化が変わって行くことを示すという方法もあります。

⇒経営層の認識共有のためのチームビルディング合宿
⇒トップのコーチングセッション

・人材不足のケース
長期間挑戦を封じる体制でやってきた組織では、すでに挑戦する人材は居なくなっているか、環境に適応して挑戦をしない人になっているかです。これを上記二つのケースでもそれに対する対策を打たないまま、人材の教育でなんとかしようということも多くありますが、その場合はまず上記の対策を打つことが先です。
その上で人材の入れ替えを行うこともあるでしょう。そして、教育で何とかするよりは、組織文化を作ってゆくアプローチの方が有効です。

⇒日々の小さな挑戦や改善を承認する仕組み作り
⇒自分たちの会社を良くしてゆくための対話プログラム

どの様な取り組みを行うにしても、表面的な言葉や仕組みだけではいくらやってもうまく行きません。一歩深く踏み込んで理解することを心がけ、本当に求めていることとその行いや言動が揃ってきて始めて組織が望む方向へ動き始めます。

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