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第21回『チームの全員が手一杯で誰にも助けが求められない時にどうしたらいい? 』

2012年03月15日

チームビルディング・ノート

皆さんは自分の仕事が手一杯で、誰かに助けを求めたいのにまわりも皆手一杯な時にどうしますか?自分一人ではオーバーキャパシティなのに、他のメンバーも誰も助けを求める余裕がない時です。
私はそれでも「自分は手一杯で誰かの助けが必要だ」ということを発信するように心がけています。それは、そうすることがチームとして成果を生み出すために必要なことだからです。

誰もが手一杯の時にはお互いに「みんな手一杯だから助けを求めたら迷惑をかけてしまう」と遠慮してしまいがちです。しかし、この「遠慮」はチームが力を発揮する妨げになります。
?「遠慮」は、自分の発信や行動を「相手はおそらくこう受け取るだろう」と相手の判断を推察し、更にそれが相手に迷惑をかけるものや嫌がるものであると考えた時に起こります。「迷惑をかけるから発信や行動をやめよう」と判断するのです。これは、相手を不快にさせないようにして無駄な衝突を省き、コミュニケーションを円滑にさせるためのテクニックです。これは有効なテクニックですが、その副作用もあります。それは、お互いの認識共有を促進するコミュニケーションがカットされてしまうというものです。そしてその前提となる推察が間違っている事もあります。これがチームが力を発揮するのを妨げてしまうのです。

また、助けを求められないもう一つの要因として「プライド」というものもあります。「自分の弱いところを見せたくない」「このくらい自分一人で出来る」といった考えから人に頼れなくなります。
私自身も人に助けを求めるのは苦手です。人に頼らないで何でもできることに価値があると考えていました。しかし、それでは自分一人でできる範囲のことまでしかできません。お互いの強みを活かし合い、弱みを補い合うチームはもっと素晴らしいことを実現できるはずです。

遠慮もプライドも、どちらもそれ自体が悪いものではありませんが、この様にチームで力を発揮することを妨げる場合があります。それでは、お互いに手一杯なときに助けを求めあうことでどのような良い事があるのでしょうか?

・手一杯に見えても絶え間なく手一杯な訳ではなく、時差がある場合がある。
あなたが手一杯なタイミングと、助けを求めた仲間の手一杯なタイミングが少しずつズレていて、今はいっぱいいっぱいでも3時間後には仲間がちょっと手が空き、そのまた3時間後には自分の手が空くというような事もあります。そうすると隙間を縫ってお互いに支え合う事が出来ます。

・優先度や重要度の均一化が出来る。
お互いの持っている仕事の優先度や重要度に偏りがある場合、お互いにその状態を発信し合う事によって、優先度と重要度の高いものから対処して行くことができる。

・得意分野の仕事を交換できる場合がある。
あなたがやると3時間かかるけれど、あなたの仲間がやると30分で終わってしまう事があるかもしれません。その逆も然りです。お互いの得意分野を交換してお互いに楽できる事もあります。

他にも色々なサポートのし合いがあると思いますが、どんな協力をするにせよまず最初にお互いの現場認識を共有する必要があります。そのためにはまわりが全員手一杯でも自分が手一杯で助けが必要だと発信することが最初のスタートです。「相手はこうだろう」という推察は常に正しいわけではないですし、お互いの状況を共有し合う事から第三の道が見つかる事もあります。
支え合いながら、どんな窮地も乗り切れるチーム作りはあなたの「遠慮の無い弱音」から始まるかもしれません。

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