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第33回『腹を開いた対話がしたい 』

2012年08月30日

チームビルディング・ノート

チームビルディングはメンバー同士の認識や思いの共有から成されますが、そのために欠かせないのがメンバー同士の深い対話です。お互いに腹を開いて本音を語り合うような場です。しかしそんな話し合いをしたいと思って「腹を開いて話をしよう」と言ってもそう簡単にできるものではありません。今回はそんな対話の生まれる過程について考えてみましょう。

あなたが腹を開けるのはどんな場で、どんな時でしょうか?敵に囲まれて、いつ襲われるか分からない場では腹は開けません。いつ揚げ足を取られるか分からない不安な場や相手が何を考えているのか分からないような場でも怖くて腹を開く事は出来ません。心が硬くなったり、怯えていたりといった環境は腹を開くどころかより一層閉じさせてしまいます。
このような環境は当人たちが意識せずとも知らぬ間にそうなってしまっているものです。例えば、普段からよく怒られている上司の前、ふざけた話しかしていない場、常に正しい答えが求められている場、批判する人がいる時などなどそう言った場は意識せずともいたるところにあります。
反対に、お互いが尊重し合い、受け入れ合っている場、相手の話していることに興味を持って耳を傾け、反対意見や助言をする時でも相手に対する敬意をもって接しているような場ではお互いに腹を開き合いやすくなります。心が平安であり、熱すぎる激情に惑わされることなく、冷たすぎる冷静さで壁を作ることもなく、あったかい心の状態である時です。しかし仕事の環境ではこういった場は自然には生まれにくいものです。成果を出すこと、投資に見合う価値を生み出すこと、締め切りに間に合うことなどが求められるような環境では自然にはこの様な場は生まれないのです。しかし、難しいことですがそれを意識していれば無理な事ではなく、十分に可能な事です。それが日々のクセになり、お互いを受け入れ合い、腹を開き合える環境が特別なもので無くなればより素晴らしい組織になる事でしょう。

ここまで述べたのは対話の環境づくり、下ごしらえの部分です。環境だけあれば良いわけではなく、実際に対話を起こして行きます。そのために必要なのはまずあなた自身が腹を開く事です。これは少し勇気のいる事です。挑戦の壁が高すぎると感じたなら少し難度の低いところから始めてみると良いでしょう。しかし、それがあまりに低すぎても効果はありません。より勇気がいるレベルで腹を開くほど、周りが受ける影響は大きく、一緒に腹を開きたくなります。
そして、お互いに開き合っている状態でこそ本当に思いの共有が進みます。

私が好きなのは夜、火を囲んでの対話です。火を囲んでの対話は古くから行われていますが、現代でも例えばキャンプに行って、6人前後までくらいの少人数でたき火を囲み語るのはお勧めです。夜、暗く静かな環境で火を囲んで語る経験をぜひしてみてください。

対話を生み出すための心構えや指針の様なものは様々ありますが、まず大切なのは
「相手を敬意を持って受け入れ、尊重し、まず自分が腹を開く」
ということです。
敬意を持って受け入れることも意識しないと忘れてしまいます。まず自分が腹を開くのも勇気が居る事です。
でもそれらを意識してみることで素晴らしいものが得られるでしょう。

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