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チームビルディングジャパン > 河村甚の連載コラム > 第41回『ファシリテーターがヒーローにならない』

第41回『ファシリテーターがヒーローにならない』

2012/12/20
チームビルディング・ノート

学びを促す役割のファシリテーターは常にジレンマを抱えています。「教えると学べない」ということが起こりうるのです。ファシリテーターが学びを促す場合に、基本的には参加する側の主体性を軸にしています。教えてくれる先生や環境に依存するのではなく、自分たちで考え、行動し、判断を導き出します。そのためにはファシリテーターが教えてしまうと、そこに依存しがちになってしまいます。依存してしまうと「先生が教えてくれるから自分で考えない方がいい」ともなってしまいがちです。「正しい答」が与えられるなら、それを待ったり、マネしたりという選択をしてしまいがちなのです。これは自分で考える機会を奪ってしまいます。
もちろん、「教える」ということが必要な場面、有効なケースというのはあります。しかしそればかりでは自ら学び取るというチャンスは生まれにくくなってしまいます。

私自身、よく反省をします。プログラムの中で大切だと思っているメッセージが伝わっているか不安になると、自分で決め台詞を言ってしまう事があります。しかしそれは本当は参加者の言葉であるべきで、ファシリテーターが伝えてしまう事で強すぎる影響を与えてしまします。
ファシリテーターは自分が言ったことがより多くの参加者に伝わると気持ちいいですし、参加者も何かを学んだ気になるかもしれません。しかし、ファシリテーターが気持ちよくなるだけではダメなのです。うまく盛り上げて参加者をのせたり、話し合いに入り込んで必要の無い口出しをしたりしてもそれが必ずしも参加者の学びの深さにはつながらないのです。

ファシリテーターは参加者の言葉を他の人に伝わりやすく拾い上げたりはします。学びのポイントになりそうなところが出て来た時には掘り下げて質問をしたりします。しかし、そうして参加者自身が見つけたものを「ファシリテーターから教わった」と思わせないよう心がけます。そうではなくてむしろファシリテーターの問いかけで見つけられたものも自分たちで見つけた答として捉えられる様にします。
ファシリテーターがいいところを持っていってしまうのではなく、参加者にそれを渡すのです。それが主体的な学びであり、自己効力感にもつながります。

私たちの様に体験アクティビティと対話を用いたプログラムを使っていると特に、心がけていないとファシリテーターがヒーローになってしまいやすいのです。またその方が運営も楽で、かつやっていて気持ちが良いのです。
参加者に敬意を持って接し、自分に依存させない様にすることを学びを促す役割のファシリテーターとしては心がけてゆきたいと思います、



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