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第69回『会うこと、集まることの力』

2014年01月16日

チームビルディング・ノート

世の中便利になり、時間をかけて集まらなくとも会うより効率的になんでもできるようになりました。会わなくともすぐに電話で話して確認したり、メールでデータをやりとりしたり、ビデオ会議やグループウェアなどは広く活用されています。それでも実際に会うという事は無くなりません。実際に会うために時間もお金もかけてミーティングが持たれています。それは実際に会うこと、集まることがとても大切だからです。
チームを活かすためには効率が大切ですが、効率化で生まれた余裕の一部は実際に会うために使いたいものです。
今回は会うこと、集まることの力について考えてみましょう。

なぜ会うことが大切にされているのかというと、共有を深めることが出来るからです。共有の内容は現状をどう見るかという認識であったり、目指すゴールや方向性であったり、哲学や本質的な在り方であったりと様々ですが、この様々な共有はチームビルディングに欠かせないものです。この共有がチームを一つにして行きます。
こういった共有は会わないでやろうとすると大変なばかりでなかなかうまく行かないものですが、実際に会うと意識せずとも共有が深まって行きます。

共有にはコミュニケーション量が重要です。実際に会うことで劇的にコミュニケーション量が増えます。それは単に派手な意見の投げ合いだけでなく、小さな往復のやりとりが増えます。中途半端な発信が増やせますし、それを一対一ではなく複数人で同時に行うことができます。この些細なやり取りが無数に、かつ無意識に行われるところが重要です。

例えばメールのやり取りだとひとつの形になったものを発信することしか出来ません。その文章の背景にあるニュアンスまでは伝わらないですし、明確に表現できない中途半端なことは発信できません。それをやろうとすると「会って話した方が早い」くらいに大変な事になってしまいます。そして一方通行の繰り返しの送って、返って来てのキャッチボール型でしかコミュニケーションを取ることが出来ません。電話は基本一対一しかできず、音声情報のやり取りしかできません。複数人での電話会議でも何も発言をしない人はいなくても一緒といった問題も起こります。また常に話し続けることは出来ないのに、沈黙の意味が伝わらないという事も起こります。

会わない形でのコミュニケーションでは「必要だと思うこと」しか伝えないですし、伝わりません。必要なことが伝わればいいと思うかもしれませんが、実際はそれでは共有は十分ではないのです。本題から外れた話、考えのまとまっていない中途半端なアイデア、表情や体の状態が伝えているものなど、些細なやり取りが本当の共有を促進しています。これが投げて受け取って投げ返してのキャッチボール型ではなく、常に発し合い、受け取りあっている状態なのが実際に会って集まる場なのです。一見意味のないような些細なやり取りが相手を理解し合いながら、調整し合いながら共有を深めて行くことを可能にしています。まとまった結論のやりとりだけでは成し得ない共有が深まって行くのです。

現実には実際に会って集まっているのに、一方的な発信や形式を整えるだけの会議も多く行われていますが、せっかく会うのであればこの実際に会うことの良さを最大限に活かすように活用しないともったいない事になってしまいます。私たちの社内でも実際に会わないネット経由のミーティングを多用していますが、会う必要があるものとの使い分けをすることで効率化を図っています。

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