河村甚の連載コラム「チームづくりレシピ」

第5回 『チームはこうしてつくられる』

チームとは「仲間が思いを一つにして、一つのゴールへ向かって進んでゆける組織」 どんなチームも最初からチームだった訳ではありません。お互い初めて会った ときは相手がどんな人間かも分からない訳ですが、それが段階を経て結果の出せるチームになって行きます。もしその過程が分かれば意図的にそれを再現して、 お互い知らない人同士の集まりをチームに発展させていく事が出来るはずだと思いませんか?

もともと多文化が交わる社会で、かつ企業のM&Aも活発で人の入れ替わりの激しいアメリカなどでは、実際にバラバラな状態から短時間でチームを作る 事が求められます。そこで使われるのがチームビルディングの手法です。そしてチームビルディングの理論として必ず出てくるのがチーム発展の4段階の概念です。

全く知らない人同士が集まって、それが結果を出せるチームになるまでに、4つの段階があるというモデルです。



1段階目:
お互いの事を知らず、不安と緊張の関係です。

2段階目:
お互いに自由に意見を言い合えるようになってきます。そのため、意見の衝突も起きます。

3段階目:
お互いの考え方の違いも含め認め合い、関係が安定してきます。

4段階目:
仲間が思いを一つにして、一つのゴールへ向かって進んでゆける組織になります。



こ れはあくまで一つのモデルではありますが、とても良い指針となります。この発展段階の重要なポイントは2段階目の自由に意見が言い合える段階で、衝突が起 きてくるところです。衝突を避けようとして自由に意見が言えない環境では良いチームは作れません。また、単に自己主張のぶつかり合いのままで3段階目へ進 めないままです。

まず、活発な意見のぶつかり合いを恐れない事が大事。

多くのチームビルディングのプログラムはチームによる差はありますがこの4段階が再現されるように作られています。しかしそれはあくまでその場のプログラムの中での事。その成功体験を現場に持ち帰り、そこで再現させる事が重要です。

こういったモデルを一つの指針として、それぞれのチームで、「今自分たちのチームはどの段階に居るのか?」を意識し、そしてその先にある「仲間が思いを一つにして、一つのゴールへ向かって進んでゆける状態」を目指して行ければ、それだけでもチームをまとめる1つのきっかけとする事が出来るでしょう。

第4回 『日ごろの会議で使える場づくりのテクニック ~長テーブル一本の差が会議を変える!?~』

会議の場などでも皆様「場づくり」について考えられていると思いますが、これもチームビルディングの大事な要素の一つです。ちょっとした工夫をするのとしないのとで日ごろの会議がガラリと雰囲気が変わります。すぐにでも実践できるのでぜひ明日からでも取り入れてみてはいかがでしょうか?



場づくりと一言で言っても色々な要素があり、実際には色々組み合わせて使われています。

まず一番普通に行われるのがテーブルとイスのレイアウトです。会議等では『コの字型』が多いかも知れません。また少人数の場合はひとつのテーブルを囲んでというのが一般的でしょう。室内で行うチームビルディングやワークショップでは長テーブルを2~3本合わせて『島』を作る事も多いです。室内でも体を動かす チームビルディングの場合にはそもそもテーブルも椅子もありません。



どんなレイアウトにしようとも、結局それは参加者同士の位置関係を作るという事です。それはそのままコミュニケーションに現れます。基本的にはお互いの距離が遠い方がコミュニケーションを取りづらく、近い方が取りやすくなります。『島』セッティングでも長テーブルの数が一本違うだけでも随分と場が変わります。「ちょっと遠いな」と感じたら長テーブルを一本抜いてしまいます。



これは参加人数にもかかわってきます。参加人数が多ければそれだけ広いスペースが必要となり、それだけ距離が遠くなります。たとえば、椅子に座ってテーブル無しで輪になったとしても、5人の場合と50人の場合では全く違ってきます。



あとはテーブルなどがあるか無いかでも変わってきます。テーブルがあると、ある程度の人数の会議では「テーブルに隠れる」事ができます。これは物理的に隠れる訳ではありませんが、テーブルがある事で参加者は安心感をもってその場に落ち着いてしまいます。実際の議論に参加していなくとも、「テーブルについてい る」という事だけで参加している気になってしまうのです。



テーブルが無いと他の参加者との間に壁となる物がありません。テーブルに守られて安心していたところが無くなってしまうと裸の状態で、隠れている事ができません。自然と参加意識は高まります。



他にも音を使う、内装、室温、そもそもの会場サイズなど色々な要素がある訳ですがここで日ごろの会議で簡単に使えるお勧めの「場づくり」を3例ほど紹介します。



◆プチオフサイト

特に人数が少ない場合等、オフィスを出て近くのカフェでやるなどそもそもの場所を変えてしまいます。


◆テーブルを外す

テーブルの上に書類を広げてメモを取りながら打合せをするというスタイルをやめてしまいます。クリップボードでメモをとり、皆でホワイトボードを囲むようにすると参加者の当事者意識も高まります。


◆アメチョコ

フォーマルな会議などでテーブルにミントが置かれていたりしますが、これと同じです。皆から手の届くところに一口サイズの飴やチョコレートを用意しておきます。 皆が気軽に手を伸ばせるのが大事で、たとえば箱に入れたお菓子が回ってくる等は会議の妨げとなるので避けた方が良いでしょう。(あえて動きを付ける時には有効ですが。)





どんな場を作るにしても目的にふさわしい場づくりを考えることが第一です。そしてコミュニケーションを取りやすいようにしてゆきます。

場づくりはマニュアル通りにやれば良いというものではありません。ファシリテーターや進行役は場を読みながら臨機応変に場をつくり、どんどん変えて行く事が重要です。

場が変わる事で会議の質もガラリと変わります。ぜひ皆様の現場で色々と試してみてください。

第3回 『リフレクション ~体験を学びに変える手法~』

リフレクションとは、体験学習で「どんな体験をしたか?」「そこにどんな意味があったか?」「それをどう現実に反映させるか?」を確認する事を言います。辞書で引くと「反射」という意味がまず出てくる。そしてそこには「熟考する事」「反映」などという意味も含まれています。

他にディブリーフィングとも言われるし、日本語で一般化しているのは「振り返り」という言葉。チームビルディングジャパンでも最初は日本で通じやすいように「振り返り」という言葉を使っていました。

ある時、海外でのチームビルディング経験豊富なファシリテーターと話をしていた時に「振り返りだと振り返って終ってしまう。現実に反映させないと意味がないわけだからリフレクションという言葉の方がよりしっくりくる」と語ってくれた。確かにそのとおり。
それ以来言葉としては「リフレクション」で統一しています。

リフレクションシート(質問項目の書かれたシート)を使う場合を別にして、リフレクションの効果はそのファシリテーターの腕次第。リフレクションのための場づくりも大事。質問のネタ拾いのために観察している事も大事。リフレクションからまた次のリフレクションを引き出す事も大事。聴く力も大事。訊く力も大事。
色々な事に気を配っていなくてはいけません。

リフレクションは体験を体験学習サイクルに乗せ、体験を学びに変えるもの。リフレクション次第であらゆる「印象深い体験」が学びと成長につながってゆきます。

第2回 『チームビルディングファシリテーターとして大事にしている事』

体験学習型のチームビルディングを行う場合に「どんなプログラムをやるか?」よりも大事なのはファシリテーターの役割です。
きちんとチームビルディングプログラムの効果を発揮させるのがファシリテーター。
これは通常のミーティングのファシリテーションとも少し違った視点が必要になってきます。

ここでは書ききれないほどのたくさんの要素がある訳ですが、その中でも忘れられがちな要素で自分自身が大事にしているもの。
それは「エンターテイナーとしてのホスピタリティ」です。

体験学習なので体験から学んで行くわけです。その体験の質が低いと学びの部分はありません。本気でアクティビティに入り込んで楽しまないといくらリフレクション(体験の振り返りと現実への反映)を行っても何も出てきません。
ファシリテーターはこの体験を最大にしてあげる事が重要な役割の一つです。ですからチームビルディングのファシリテーターはステージに立ったホスピタリティ精神あふれるエンターテイナーとして参加者を引き込んで行きます。 

プログラムの最中もひとりひとりの参加者がどれだけ楽しんでいるか、本気で参加しているかを見ながら、さらに良い体験になるようにサポートします。
そしてプログラムにもよりますが、それぞれの参加者が主役になる瞬間を作ったり、チームの良さを承認したりするわけです。
そしてプログラムを終えて全員がとても気持ちの良い顔をしている状態でリフレクションを行うと、相互に承認し合い、
「うちのチーム最高だよね!」という意見が活発に飛び交ってきます。

ファシリテーターとしてはこうして参加者の皆さんが活き活きと良い時間をチームで共有し、またそれぞれの学びを得た話を聞くのが楽しくて仕方ありません。

『エンターテイナーとしてのホスピタリティ』とは楽しんでもらう事を楽しむ気持ちから生まれてくるものなのだと思います。

第1回 『チームビルディングとは?』

近頃すこしずつチームビルディングという言葉も広まってきて、「言葉としては知っている」という方も増えて来ているように感じます。しかし、その言葉の解釈も様々で分かりづらいのも実情です。

その理由としてはやはりチームビルディングの用途やカバーする範囲が広いという事があります。
私どもはチームビルディングについて説明する時に
「チームビルディングと言う言葉で相手はどんな事をイメージしているのか?」
を明確にするために「3つのチームビルディング」のモデルを使います。



チームビルディングの内容を大まかに3種類に分けると、次の3種類に分けられます。

1)体験学習型チームビルディング

2)レクリエーションイベント型チームビルディング

3)理論・座学型チームビルディング



1)体験学習型チームビルディングとは、主にチーム単位で取り組む各種ワーク/アクティビティを通じてリフレクション(振り返り)を行い、そこから学びを引き出すタイプのものです。

2)レクリエーションイベント型はたとえばオリエンテーリング的な参加型イベント、社内運動会などもこれにあたります。さらには社員旅行やパーティ等もこの中に含まれます。

3)理論・座学型はチームビルディング理論の研修やファシリテーションベースでのグループワーク、組織作りや組織変革コンサルティング等がこれにあたります。



これら3つのチームビルディングのうち、どれに近い事を考えているかが明確でないと、いつまでも「違う言葉」での話が続いてしまいます。
またこれらを総括して、チームビルディングを簡潔に説明すると

チームビルディングとは、

『仲間が思いを一つにして一つのゴールに向かって進んでゆける組織作り』



そう考えると専門会社を使わなくとも社内のアイデア次第で出来てしまう事も色々あります。
チームで一緒に週一回朝ごはんを食べるとか、ちょっとした事が「仲間が思いを一つにして一つのゴールに向かって進んでゆける組織作り」につながってゆきます。
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