河村甚の連載コラム「チームづくりレシピ」
第80回 『チームビルディングに必要なたった一つのこと』
チームビルディングに必要なのはたった一つだけです。素晴らしいチームはどんなチームでも必ずこれが出来ています。逆にこれが出来ていないチームは成果を上げられるチームにはなれません。道のりは簡単ではありませんが、このたった一つのことにフォーカスする事がチームを変えてゆきます。
たった一つのこととは、「認識共有」です。この軸をぶらさずに持ってこだわり続けることです。皆さんがチームビルディングをしようと思う時にはどういった改善を試みるでしょうか?多くの場合に「メンバー間のコミュニケーション改善」「モチベーションアップ」「個別最適から全体最適」「上司と部下の壁をなくす」などといった改善が上がってきます。しかしこれらはより表層的な課題であって、これらのうちどれに集中的に取り組んでも表面的な課題解決にしかなりません。しかし、これらの表層的な課題も、「認識共有」という一つの軸にこだわることで解決されます。
では、認識共有とは何なのかというと、その内訳は以下の3つに分類されます。
1) 現状認識の共有
2) あるべき姿の共有
3) 現状からあるべき姿へ向かうベクトルの共有
【現状認識の共有】
いま自分たちがどういう状態であるのかを共有します。多くの組織で、あまり気にしないまま、この部分で大きなひずみが生じています。お互いの間のちょっとした誤解。納得のいかないまま黙っていることなどはもちろん、企業の理念の捉え方、会社の方針転換についての理解のギャップなど、多くが共有されないままに進んでゆかなければならない状態の組織が多々あります。ひとつの組織であるのに、ベクトルがバラバラな状態から、「今現状、自分たちはこうである」という認識が共有されることで、大きな力になります。
【あるべき姿の共有】
現状認識の次に必要なのがあるべき姿の共有です。今の現状から、どのような状態を目指すのかを全員が共有します。これは目標の共有やビジョンの共有、又はクレドや行動指針の共有も含まれます。現状認識の共有とは切り離せない密接な関係にあり、現状認識の共有が出来ることであるべき姿が見えてくるなどのつながりがあります。
【ベクトルの共有】
現状認識が共有でき、あるべき姿が共有できると、自然に生まれるのが現状からあるべき姿へ向かう思いのベクトルです。全員が同じ現状認識を持ち、同じあるべき姿を目指すのであれば当たり前に生まれてきます。しかしこのベクトルは思いの共有だけでは十分ではありません。現状からあるべき姿へ向かうために必要なアクションプランも共有する必要があります。
これら3つの認識共有によって、あるべき姿へ向かう強いチームが生まれます。
しかし、実はこれは「この3つが出来ました」というだけで終わる話ではないのです。これらは入れ子構造/フラクタル構造になっていて、大きな共有の中に小さな共有があり、それを常に意識し続けなければなりません。また、らせん構造の特徴も持っていて、今認識共有がうまくいっているからと言って、それが永続するわけではなく、当然環境の変化やチームの成長に合わせて変化し続けるものです。だからこそ重要なのは認識共有に軸を置き、常にチームの認識を共有させる方向へ舵を取り続ける事なのです。
認識共有のためには様々な手法がありますが、またの機会にご紹介できればと思います。
たった一つのこととは、「認識共有」です。この軸をぶらさずに持ってこだわり続けることです。皆さんがチームビルディングをしようと思う時にはどういった改善を試みるでしょうか?多くの場合に「メンバー間のコミュニケーション改善」「モチベーションアップ」「個別最適から全体最適」「上司と部下の壁をなくす」などといった改善が上がってきます。しかしこれらはより表層的な課題であって、これらのうちどれに集中的に取り組んでも表面的な課題解決にしかなりません。しかし、これらの表層的な課題も、「認識共有」という一つの軸にこだわることで解決されます。
では、認識共有とは何なのかというと、その内訳は以下の3つに分類されます。
1) 現状認識の共有
2) あるべき姿の共有
3) 現状からあるべき姿へ向かうベクトルの共有
【現状認識の共有】
いま自分たちがどういう状態であるのかを共有します。多くの組織で、あまり気にしないまま、この部分で大きなひずみが生じています。お互いの間のちょっとした誤解。納得のいかないまま黙っていることなどはもちろん、企業の理念の捉え方、会社の方針転換についての理解のギャップなど、多くが共有されないままに進んでゆかなければならない状態の組織が多々あります。ひとつの組織であるのに、ベクトルがバラバラな状態から、「今現状、自分たちはこうである」という認識が共有されることで、大きな力になります。
【あるべき姿の共有】
現状認識の次に必要なのがあるべき姿の共有です。今の現状から、どのような状態を目指すのかを全員が共有します。これは目標の共有やビジョンの共有、又はクレドや行動指針の共有も含まれます。現状認識の共有とは切り離せない密接な関係にあり、現状認識の共有が出来ることであるべき姿が見えてくるなどのつながりがあります。
【ベクトルの共有】
現状認識が共有でき、あるべき姿が共有できると、自然に生まれるのが現状からあるべき姿へ向かう思いのベクトルです。全員が同じ現状認識を持ち、同じあるべき姿を目指すのであれば当たり前に生まれてきます。しかしこのベクトルは思いの共有だけでは十分ではありません。現状からあるべき姿へ向かうために必要なアクションプランも共有する必要があります。
これら3つの認識共有によって、あるべき姿へ向かう強いチームが生まれます。
しかし、実はこれは「この3つが出来ました」というだけで終わる話ではないのです。これらは入れ子構造/フラクタル構造になっていて、大きな共有の中に小さな共有があり、それを常に意識し続けなければなりません。また、らせん構造の特徴も持っていて、今認識共有がうまくいっているからと言って、それが永続するわけではなく、当然環境の変化やチームの成長に合わせて変化し続けるものです。だからこそ重要なのは認識共有に軸を置き、常にチームの認識を共有させる方向へ舵を取り続ける事なのです。
認識共有のためには様々な手法がありますが、またの機会にご紹介できればと思います。
第79回 動物の群れのリーダーはどう動く?
動物の群れのリーダーはどう動く?
野生の馬は群れを作って生きています。その群れのリーダーは人間のように上司に選ばれてリーダーになるわけではありません。その行動によってリーダーと認められるのです。馬を調教する専門家は、野生の馬の群れの観察から学び、その群れのリーダーのマネをするところから馬を従える術を体系化して行ったそうです。馬のとのコミュニケーションについて専門家の話を聞くと、チームビルディング理論にも繋がる色々な事が馬との関係作りの中でも行われていました。
暴れ馬を話の通じる相手にしてしまうプロは馬に対してとても敬意をもって接しています。その手法の基本は野生の馬のリーダーが取る行動を人間がまねをして、リーダーとして認めてもらうというもの。そこでは馬を鞭で打ってしつけるというような事は行われていません。人間が馬に対して敬意を表し、馬も人間に対して敬意を持つという関係作りなのです。
たとえば、馬を後ろに下がらせるためには2種類の方法があります。1つは自分の気になる物を確認しようと考えて後ろへ下がらせる方法。もうひとつは怖がらせて後ろへ仰け反るように下がらせる方法。前者は馬の主体的な動機による行動です。後者はただの恐怖への反応です。
人間の場合でも例えばX理論Y理論(D. マクレガー)というものがあります。X理論では「人は本来仕事をしたがらないものなので、報酬と罰とで動かす」という考え方をします。Y理論では「人は自らの主体的動機(やりがい)のために仕事をする」と考えます。馬を怖がらせて後ろへ下げるのはX理論、馬の主体的動機で後ろへ下げるのはY理論の考え方に当てはまります。
馬は確かにY理論に則って動き、人間をリーダーと認めてくれると走って行って一緒に障害も飛び越えてくれました。敬意ある関係が作れないと、障害を恐れて障害を越えてくれないそうです。
あなたのチームメンバーは、あなたが障害へ向かう時に一緒に乗り越えてくれますか?
野生の馬は群れを作って生きています。その群れのリーダーは人間のように上司に選ばれてリーダーになるわけではありません。その行動によってリーダーと認められるのです。馬を調教する専門家は、野生の馬の群れの観察から学び、その群れのリーダーのマネをするところから馬を従える術を体系化して行ったそうです。馬のとのコミュニケーションについて専門家の話を聞くと、チームビルディング理論にも繋がる色々な事が馬との関係作りの中でも行われていました。暴れ馬を話の通じる相手にしてしまうプロは馬に対してとても敬意をもって接しています。その手法の基本は野生の馬のリーダーが取る行動を人間がまねをして、リーダーとして認めてもらうというもの。そこでは馬を鞭で打ってしつけるというような事は行われていません。人間が馬に対して敬意を表し、馬も人間に対して敬意を持つという関係作りなのです。
たとえば、馬を後ろに下がらせるためには2種類の方法があります。1つは自分の気になる物を確認しようと考えて後ろへ下がらせる方法。もうひとつは怖がらせて後ろへ仰け反るように下がらせる方法。前者は馬の主体的な動機による行動です。後者はただの恐怖への反応です。
人間の場合でも例えばX理論Y理論(D. マクレガー)というものがあります。X理論では「人は本来仕事をしたがらないものなので、報酬と罰とで動かす」という考え方をします。Y理論では「人は自らの主体的動機(やりがい)のために仕事をする」と考えます。馬を怖がらせて後ろへ下げるのはX理論、馬の主体的動機で後ろへ下げるのはY理論の考え方に当てはまります。
馬は確かにY理論に則って動き、人間をリーダーと認めてくれると走って行って一緒に障害も飛び越えてくれました。敬意ある関係が作れないと、障害を恐れて障害を越えてくれないそうです。
あなたのチームメンバーは、あなたが障害へ向かう時に一緒に乗り越えてくれますか?
第78回 グローバル人材育成は3つのポイントを押さえる
グローバル人材の必要性について、近頃強く語られるようになりました。社会のフラット化は進み、どんな企業も個人も井の中の蛙ではいられなくなってきているのです。しかし、単に英語や中国語が話せれば良いわけでも、海外経験があれば良いわけでもありません。その重要なポイントは多様性に対するキャパシティと自己の捉え方にあります。
グローバル人材と言った時に、そこに求められるものとして「海外拠点でリーダーシップを発揮できる人材」「外国人の上司についていける人材」「一緒に働く外国人とともに成果を上げられる人材」などといったものを考えられると思います。もちろん、日系企業で働く外国人の育成という視点もあります。その中で外国語の能力や海外経験はもちろん活かされると思いますが、それが全てではありません。グローバル環境でチームが直面する問題は「自分たちの持っているカルチャーの常識を超えられない」という事によって起こることが多くあります。違ったカルチャーではビジネスも違ったルールでプレイされています。
また、個人の能力も重要です。何でも無難にこなす優等生よりも、「その人だからこそ」といえる強みを持っていること。多様性を受け入れる柔軟性持っていたり、スタンダードを理解していたりだけではなく、自分を多様な個性のあふれる環境の中でどう活かすか?という捉え方が欠かせません。「中国ビジネス展開のためのノウハウとネットワークを持っている」「デザインの専門家で、海外から見た日本の視点でジャパンデザインを発信できる」「野菜の専門家で、珍しい野菜とその使い方を熟知している」というようなものです。できれば特定のニッチでこれだけは自分は世界一だと言える物、又は世界一になりうるものを見つける取り組みはグローバル人材を育成する時に有効と言えるでしょう。
■ グローバル人材に必要な3つの要素
・なるべく多くの違ったルールを知って、それに則ったプレイができる。
・相手の常識と自分の常識が違うという前提に立ってプレイできる。
・世界で戦える自分の専門分野を持っている。
たとえば英語や中国語で仕事が出来るという事は、相手のルールの重要な部分に則ってプレイできるという事です。しかし、ただそれだけでしかありません。言葉はルールの全てでは無いのです。逆にそれ以外の部分で相手と同じ土俵に立ってプレイできるかもしれません。
ルールの一部だけを知って、それで有利にゲームを運べるわけではなく、その場の流れや、ルールを探りながらプレイして行く必要があります。それが自分の常識とは違う前提に立ってプレイするという事です。
常に場を読み、その中でどのようにプレイすれば最大の成果につなげることが出来るか?そういった視点で相手の持っていない自分の強みを活かすことが必要です。ルールを知って皆と同じにできればグローバルプレイヤーとして戦えるわけではなく、自分の強みを磨く事も同じように大事です。グローバル環境で仕事をする中でだんだんと自分の強みが磨かれて行くこともあるでしょうし、自分の強みを磨き上げて行けばルールは後から身につける事もできます。
上記の3つの要素はグローバル人材としての能力が求められる環境ではどれかひとつからでも伸ばして行ければ、それに合わせて他の部分も伸びて行かざるを得ないものです。どこから手を付けて良いか分からない時でも、ひとつずつフォーカスして、個人個人の能力を棚卸ししてみる所から始める事が出来ます。
グローバル人材と言った時に、そこに求められるものとして「海外拠点でリーダーシップを発揮できる人材」「外国人の上司についていける人材」「一緒に働く外国人とともに成果を上げられる人材」などといったものを考えられると思います。もちろん、日系企業で働く外国人の育成という視点もあります。その中で外国語の能力や海外経験はもちろん活かされると思いますが、それが全てではありません。グローバル環境でチームが直面する問題は「自分たちの持っているカルチャーの常識を超えられない」という事によって起こることが多くあります。違ったカルチャーではビジネスも違ったルールでプレイされています。
また、個人の能力も重要です。何でも無難にこなす優等生よりも、「その人だからこそ」といえる強みを持っていること。多様性を受け入れる柔軟性持っていたり、スタンダードを理解していたりだけではなく、自分を多様な個性のあふれる環境の中でどう活かすか?という捉え方が欠かせません。「中国ビジネス展開のためのノウハウとネットワークを持っている」「デザインの専門家で、海外から見た日本の視点でジャパンデザインを発信できる」「野菜の専門家で、珍しい野菜とその使い方を熟知している」というようなものです。できれば特定のニッチでこれだけは自分は世界一だと言える物、又は世界一になりうるものを見つける取り組みはグローバル人材を育成する時に有効と言えるでしょう。
■ グローバル人材に必要な3つの要素
・なるべく多くの違ったルールを知って、それに則ったプレイができる。
・相手の常識と自分の常識が違うという前提に立ってプレイできる。
・世界で戦える自分の専門分野を持っている。
たとえば英語や中国語で仕事が出来るという事は、相手のルールの重要な部分に則ってプレイできるという事です。しかし、ただそれだけでしかありません。言葉はルールの全てでは無いのです。逆にそれ以外の部分で相手と同じ土俵に立ってプレイできるかもしれません。
ルールの一部だけを知って、それで有利にゲームを運べるわけではなく、その場の流れや、ルールを探りながらプレイして行く必要があります。それが自分の常識とは違う前提に立ってプレイするという事です。
常に場を読み、その中でどのようにプレイすれば最大の成果につなげることが出来るか?そういった視点で相手の持っていない自分の強みを活かすことが必要です。ルールを知って皆と同じにできればグローバルプレイヤーとして戦えるわけではなく、自分の強みを磨く事も同じように大事です。グローバル環境で仕事をする中でだんだんと自分の強みが磨かれて行くこともあるでしょうし、自分の強みを磨き上げて行けばルールは後から身につける事もできます。
上記の3つの要素はグローバル人材としての能力が求められる環境ではどれかひとつからでも伸ばして行ければ、それに合わせて他の部分も伸びて行かざるを得ないものです。どこから手を付けて良いか分からない時でも、ひとつずつフォーカスして、個人個人の能力を棚卸ししてみる所から始める事が出来ます。
第77回 振り返りから価値を生み出す手法
振り返りから価値を生み出す手法
プロジェクトの実施後や研修を終えた後などに「振り返り」や「反省会」が行われます。しかし「そんな時間は取れない」「部下を吊るし上げる場になっている」「やったところで落ち込むばかりでなにも良い事が無い」など、ネガティブな声も多く聞かれます。
本来前向きな理由や目的があるから行われてきたわけですが、それが見失われて形骸化してしまったがためにネガティブな事も起こります。しかし、いくつかのルールにのっとって行うと振り返りの機会をキチンと次の実践に活かせるようになります。
そのルールは以下の3つです。
1、 目的の確認
次の実践に活かすためである事を始める前に確認する。
2、 Respect
お互いに敬意をもって接する。
3、 KPTのフレームにはめる
Keep、Problem、Tryの3点についてだけ話す。
【目的の確認】
振り返りの目的は基本的に「次に活かすため」です。これがより具体的になるほどその効果は増してきます。たとえば、一週間の営業を振り返り次へ活かすための営業会議では「今週の営業活動を振り返り、来週さらに良い成果をあげるため」といった目的になります。その目的から考えると成績の悪い部下を上司が吊るし上げるだけでは全く目的にかなわない事がよくわかります。目的から離れた事は一切やりません。
チームで行った活動の責任はチームの全員が負うものです。個人を非難することが目的ではないので、改善すべき点があるのであれば全員で責任を負い、それぞれが出来ることをやるしかありません。
それから、話しづらい事を話さない事で、目的に近づかないという事もしません。目的のために必要で共有すべき事をきちんと全員で話し、共有します。改善すべき点ばかりが出てくると「Aさんが悪いわけじゃないよ。自分ももっとこうしていれば良かった」「いやいや、Bさんそんなことないよ」といった傷のなめ合いのようなことも起こりえます。そんな表面上のお遊びで本質から遠のくのは目的ではありません。起こった事実はあるがまま受け止め、次の改善点へとつなげて行きます。
「吊るし上げ」も「傷のなめ合い」も次に活かすためという目的には不要です。
【Respect】
上記のように目的に沿って話し合う場合に、誰かを傷つけてしまいそうな繊細な話題もあがってきます。多くの場合に「アイツがこうしなかったからいけない」などといった、敬意に欠けるやり取りが起こってしまいます。メンバーに伝えるべき事は伝える。しかし敬意を持って伝えないとその人は攻撃されていると感じてしまいます。そんな時に使える簡単で有効なテクニックがあります。
「相手に敬意を持っていると言葉で伝える」ということです。
「○○さんを否定するつもりも無いし、リスペクトしているということを知ってもらった上で聞いてほしいんだけど・・・」といった具合です。最初は言いづらいかもしれません。でも険悪な雰囲気になりそうな時、思い出して使ってみて下さい。ただ言葉にして伝えるだけです。自分が敬意を払われていることが分かると、相手に対しても敬意を払えるようになります。
【KPTのフレームにはめる】
次に活かすためという目的にしぼって話す場合に基本的に話す内容は3種類しかありません。それは以下の3つです。
・Keep :良かった点。次に似たようなことを行う際に継続して行うべきこと。
・Problem :悪かった点。問題があり、目指す成果を出す妨げとなったもの。
・Try :次はこうしようという点。上記の悪かった点をどのように改善できるか?または新たにやってみようと思いついたことは?
振り返りを始める時にKeepとProblemとTryの3枚の紙を用意しても良いですし、大きなホワイトボードを3つに区切っても良いです。この3つのフレームに当てはめて振り返ることでKeepとTryの部分を次に活かせば良いことが分かります。さらに、次へ確実に反映させるためには次のアクションまでひもづけてしまうことです。たとえば「次こうしよう」と決まったことを次回プロジェクトの「事前チェックリスト」にすぐに入れてしまって次回プロジェクトの前に確認することができます。まだアクションが具体的になっていないことでもアクションを具体的にするためのミーティングの日を決めてしまうということも出来ます。
しかし、アクションが見えないこともたくさん出てきます。それが悪いわけでは決して無く、メンバーがそれを意識し、次の行動へ反映されます。全てを無理にリストアップしようとしたりするとかえってうまく行かなくなってしまいます。振り返りの対話の中でそれぞれの中に残るものも成果です。
このような型にはめることで「振り返り」や「反省会」が機能するようになります。まずは型の通りにやってみることから実践してみて下さい。
プロジェクトの実施後や研修を終えた後などに「振り返り」や「反省会」が行われます。しかし「そんな時間は取れない」「部下を吊るし上げる場になっている」「やったところで落ち込むばかりでなにも良い事が無い」など、ネガティブな声も多く聞かれます。本来前向きな理由や目的があるから行われてきたわけですが、それが見失われて形骸化してしまったがためにネガティブな事も起こります。しかし、いくつかのルールにのっとって行うと振り返りの機会をキチンと次の実践に活かせるようになります。
そのルールは以下の3つです。
1、 目的の確認
次の実践に活かすためである事を始める前に確認する。
2、 Respect
お互いに敬意をもって接する。
3、 KPTのフレームにはめる
Keep、Problem、Tryの3点についてだけ話す。
【目的の確認】
振り返りの目的は基本的に「次に活かすため」です。これがより具体的になるほどその効果は増してきます。たとえば、一週間の営業を振り返り次へ活かすための営業会議では「今週の営業活動を振り返り、来週さらに良い成果をあげるため」といった目的になります。その目的から考えると成績の悪い部下を上司が吊るし上げるだけでは全く目的にかなわない事がよくわかります。目的から離れた事は一切やりません。
チームで行った活動の責任はチームの全員が負うものです。個人を非難することが目的ではないので、改善すべき点があるのであれば全員で責任を負い、それぞれが出来ることをやるしかありません。
それから、話しづらい事を話さない事で、目的に近づかないという事もしません。目的のために必要で共有すべき事をきちんと全員で話し、共有します。改善すべき点ばかりが出てくると「Aさんが悪いわけじゃないよ。自分ももっとこうしていれば良かった」「いやいや、Bさんそんなことないよ」といった傷のなめ合いのようなことも起こりえます。そんな表面上のお遊びで本質から遠のくのは目的ではありません。起こった事実はあるがまま受け止め、次の改善点へとつなげて行きます。
「吊るし上げ」も「傷のなめ合い」も次に活かすためという目的には不要です。
【Respect】
上記のように目的に沿って話し合う場合に、誰かを傷つけてしまいそうな繊細な話題もあがってきます。多くの場合に「アイツがこうしなかったからいけない」などといった、敬意に欠けるやり取りが起こってしまいます。メンバーに伝えるべき事は伝える。しかし敬意を持って伝えないとその人は攻撃されていると感じてしまいます。そんな時に使える簡単で有効なテクニックがあります。
「相手に敬意を持っていると言葉で伝える」ということです。
「○○さんを否定するつもりも無いし、リスペクトしているということを知ってもらった上で聞いてほしいんだけど・・・」といった具合です。最初は言いづらいかもしれません。でも険悪な雰囲気になりそうな時、思い出して使ってみて下さい。ただ言葉にして伝えるだけです。自分が敬意を払われていることが分かると、相手に対しても敬意を払えるようになります。
【KPTのフレームにはめる】
次に活かすためという目的にしぼって話す場合に基本的に話す内容は3種類しかありません。それは以下の3つです。
・Keep :良かった点。次に似たようなことを行う際に継続して行うべきこと。
・Problem :悪かった点。問題があり、目指す成果を出す妨げとなったもの。
・Try :次はこうしようという点。上記の悪かった点をどのように改善できるか?または新たにやってみようと思いついたことは?
振り返りを始める時にKeepとProblemとTryの3枚の紙を用意しても良いですし、大きなホワイトボードを3つに区切っても良いです。この3つのフレームに当てはめて振り返ることでKeepとTryの部分を次に活かせば良いことが分かります。さらに、次へ確実に反映させるためには次のアクションまでひもづけてしまうことです。たとえば「次こうしよう」と決まったことを次回プロジェクトの「事前チェックリスト」にすぐに入れてしまって次回プロジェクトの前に確認することができます。まだアクションが具体的になっていないことでもアクションを具体的にするためのミーティングの日を決めてしまうということも出来ます。
しかし、アクションが見えないこともたくさん出てきます。それが悪いわけでは決して無く、メンバーがそれを意識し、次の行動へ反映されます。全てを無理にリストアップしようとしたりするとかえってうまく行かなくなってしまいます。振り返りの対話の中でそれぞれの中に残るものも成果です。
このような型にはめることで「振り返り」や「反省会」が機能するようになります。まずは型の通りにやってみることから実践してみて下さい。
第76回 『自分の自由は自分の責任で選択する』
組織の中で仕事をしていれば、思うように行かない事もたくさんあります。「全力で提案した企画が相手の理不尽な都合で却下されてしまった」「電車が止まって大事な約束に遅れてしまった」など、自分のコントロールの範囲外で起こる事は多々あります。組織のルールに縛られて、自由に仕事をさせてもらえないという事も多々あります。
しかし、どんな場面でも「自分で選択をする」ということで、そこにある事実の捉え方が変わります。単なる心の持ち方といった精神論ではなく、選択肢を増やす事で実際に自分の意思で自由に選択できるようになります。
組織の不自由さに甘える事なく、責任を持って自由を選択することで組織全体にも良い影響をもたらす事が出来ます。
まわりから見るとルールや責任によってあまり自由にはできそうにないのに本人は「自由にやりたいようにやってきた」という人もいます。そういう人たちは一見不自由に見える環境や、選択肢がないような状況でも常に自分の意志で選択をしています。自分の意思で選択するから自由なのです。自分の自由にならないような時に自由に選択するために必要な事は、まずその選択肢を用意する事です。
選択肢を探らないと物事が自分のコントロール下になく、それをコントロールしている誰か他の人のせいかのように見えてしまいます。
たとえば、大事なアポイントメントの前に緊急の対応に追われていたら予定の出発時間を過ぎてしまったとします。予定していた電車で行っても間に合いません。そういう時には必死で色々な選択肢を探るはずです。
「まず時間に遅れずにたどり着くにはどんな方法があるか?」
「タクシーで行けば間に合うか?」
「道路が混んでいるならバイクを借りて行けば間に合う?」
「間に合わないとしたら早めに連絡をして時間の再設定をお願いしなければ」
などなど、他にももっと色々な選択肢があると思います。その選択肢を一瞬のうちに、おそらく数秒程度で考え、選択し、行動へ移しているはずです。自分で選ぶとはまさにそういう事です。「緊急の対応が入ったのが悪い」と愚痴を言っても、大事な約束に遅れそうだという事実は変わりません。どんな状況でも同じように選択肢を見つけることで自分で自由にその選択肢の中から選ぶ事が出来ます。
つまり、複数の選択肢を見つける事が出来るかどうかがその人が自由であるか、不自由であるかを決めることになります。自由であるか不自由であるかは周りの環境のせいではなく、その中でどれだけの選択肢を見つけられるかといった、本人の能力によるものなのです。
この対極にあるのが「他責」や「言い訳」といった考え方や行動です。それによって自由は失われます。しかし、多くの選択肢を見つけられるかどうかはその人の能力次第なので、自分の能力を超えた自由よりも自分で責任を負わなくて良い不自由を選ぶという選択はあり得ます。
一見不自由に見える中で自由を得るためのステップ
・まず事実を認識する。
・そこから最善の結果に至るための複数の選択肢を見つける。
・選択肢から自分の行動を選ぶ。
・自分の選んだ選択肢を行動に移す。
選択肢を見つける事で、不自由な環境にコントロールされるのではなく、自由な意志でコントロールすることができるようになります。
しかし、どんな場面でも「自分で選択をする」ということで、そこにある事実の捉え方が変わります。単なる心の持ち方といった精神論ではなく、選択肢を増やす事で実際に自分の意思で自由に選択できるようになります。
組織の不自由さに甘える事なく、責任を持って自由を選択することで組織全体にも良い影響をもたらす事が出来ます。
まわりから見るとルールや責任によってあまり自由にはできそうにないのに本人は「自由にやりたいようにやってきた」という人もいます。そういう人たちは一見不自由に見える環境や、選択肢がないような状況でも常に自分の意志で選択をしています。自分の意思で選択するから自由なのです。自分の自由にならないような時に自由に選択するために必要な事は、まずその選択肢を用意する事です。
選択肢を探らないと物事が自分のコントロール下になく、それをコントロールしている誰か他の人のせいかのように見えてしまいます。
たとえば、大事なアポイントメントの前に緊急の対応に追われていたら予定の出発時間を過ぎてしまったとします。予定していた電車で行っても間に合いません。そういう時には必死で色々な選択肢を探るはずです。
「まず時間に遅れずにたどり着くにはどんな方法があるか?」
「タクシーで行けば間に合うか?」
「道路が混んでいるならバイクを借りて行けば間に合う?」
「間に合わないとしたら早めに連絡をして時間の再設定をお願いしなければ」
などなど、他にももっと色々な選択肢があると思います。その選択肢を一瞬のうちに、おそらく数秒程度で考え、選択し、行動へ移しているはずです。自分で選ぶとはまさにそういう事です。「緊急の対応が入ったのが悪い」と愚痴を言っても、大事な約束に遅れそうだという事実は変わりません。どんな状況でも同じように選択肢を見つけることで自分で自由にその選択肢の中から選ぶ事が出来ます。
つまり、複数の選択肢を見つける事が出来るかどうかがその人が自由であるか、不自由であるかを決めることになります。自由であるか不自由であるかは周りの環境のせいではなく、その中でどれだけの選択肢を見つけられるかといった、本人の能力によるものなのです。
この対極にあるのが「他責」や「言い訳」といった考え方や行動です。それによって自由は失われます。しかし、多くの選択肢を見つけられるかどうかはその人の能力次第なので、自分の能力を超えた自由よりも自分で責任を負わなくて良い不自由を選ぶという選択はあり得ます。
一見不自由に見える中で自由を得るためのステップ
・まず事実を認識する。
・そこから最善の結果に至るための複数の選択肢を見つける。
・選択肢から自分の行動を選ぶ。
・自分の選んだ選択肢を行動に移す。
選択肢を見つける事で、不自由な環境にコントロールされるのではなく、自由な意志でコントロールすることができるようになります。

