河村甚の新連載コラム 「チームビルディング・ノート」

2012/05/16

第25回 『自立していることと頼ること、どちらが大切?』

私は人に頼るのがとても苦手です。何でも自分でやってしまいがちです。しかし、チームにはお互いに信じ、頼り合う事が不可欠です。なので、日々意識しながら取り組んでいます。もちろん無責任な甘えではうまく行きませんが、全員が主体的な当事者意識を持ち、責任を手放さずに頼りあえる関係を築いてゆく必要があります。
今回は「頼ること」について一緒に考えてみましょう。

人に頼るということは「自立」「責任を負う」「率先垂範」「諦めない」などの価値観と相反するようで良くない事のように見えてしまいがちです。しかし、人に頼らないということは自分の能力の範疇でしか挑戦出来ないということであり、自己中心的で他者の多様な能力を活かせないということです。これはチームにとって致命的なことです。
上記の「自立」「責任を負う」「率先垂範」「諦めない」などの価値観を活かしたまま人に頼るという事は可能ですし、これらの価値観を捨て置いて頼ることだけやっていてはただ甘えているだけで何の価値も生み出すことが出来ません。

人に頼れないというのはもしかしたら自分の能力の低さを表しているかのようで、プライドが邪魔をして頼れないのかもしれません。しかし、本当に成し遂げたい明確なゴールがあればプライドも捨てて、しかし責任は背負ったまま助けを求めたり、教えを請うたりしているはずです。
誰の助けも必要ない状態というのは自分の能力のキャパシティに収まっていて、本気の挑戦をしていない状態とも言えるでしょう。
また自分の能力を超えた挑戦をしながら、キャパシティオーバーなのに自分だけで何とかしようとしてしまうとそれは自己成長につながったとしても、ゴールを成し遂げることは難しくなります。
同じゴールのために頼り合う仲間が増えてくるとその分だけチームは広がって行きます。目指すゴールや理念、あり方などが共感/共有されるものであれば助けてくれる仲間も増えてきます。

例えば、私たちはお客様とチームになって仕事をするという事を大切にしていますが、本当にチームになって仕事が出来ていればお客様が私たちに頼るだけでなく、私たちも必要な場面でお客様に頼る事が出来ます。それは、実現すべき成果をお互いに共有して、そのためにベストな事をお互いに実践するからです。とても当たり前ことなのですが、仕事の場合特にプライドや責任感が邪魔をして本当に信頼し合い、頼り合う事が妨げられる事も多くあると思います。これは一方的なものではなく、双方向的なものです。

本当に大切なものを大切にし、助けを求められる強さを持っていたいと思います。


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2012/04/26

第24回 『行き詰ったら動いてみる』



お互いの誤解や性格の違いなどがチームの円滑なコミュニケーションの障害となっているケースがあります。「違い」というのは上手く活かせばチームの強みになるものなので、多くの場合チームビルディングではこの誤解や違いをオープンに出し合って、下心も表に出す共有を行ってゆきます。
しかし、対話による共有に時間がかかりすぎたり、ヘタをするとさらに関係がこじれてしまうというような事も起こり得ます。ちょっと下心も表に出すようなアプローチはうまく行かなそうだという時に、ただ上辺の綺麗事だけで終わらせれば良いかといえばそうは行きません。
こんな時、どこからチームビルディングに手を付けてゆけば良いのでしょうか?

それは、「まず動くこと」です。共有し切れていなくとも「チーム」として動き始めます。
「それが出来ないから困っているんじゃないか」と思うかもしれません。でも、それでも動くのです。気持ちが一つになっていなかったり、メンバー同士の対立があっても構いません。この時に一番大切にすべきは「明確なゴールの共有」です。ゴールは抽象化すればするほど広い範囲で共有されやすいですが、絞り込めば絞り込んだだけ強い推進力を得ます。最初は多少ゴールがぶれていても動きながら微調整してゴールを揃えて行きます。そしてまずは形からチームとして動いている状態を作ります。

私自身、相手が不安がったり守りに入ってしまったりしないように常に自分がどう考えているのか、下心は何なのかを表に出して共有を図っているつもりです。しかしそれでもまだ見えない壁があったり、相手を不安にさてしまったりすることがあります。その原因の一つとして、「相手が何を不安に思っているのか?/相手に何が見えないのか?」が自分に見えていないという事があります。相手が何が見えていないのかが分からないと、どこを見せたら安心してもらえるのかが分かりません。
「自分が頑張って腹を開いても相手がかたくなで開いてくれない。その原因が何なのかもわからない」といったどうにもならない状況もあるでしょう。
このように行き詰ってしまったら「とにかく動く」を実践してみます。共有を待ってはダメです。

私たちがお客様の組織のチームビルディングに取り組む時も擬似的に「とにかく動く」を使っています。体験アクティビティの中で、チャレンジングで簡単には達成できないけれどチームで本気になって取り組めば達成できる目標を持ってもらいます。これに向かって夢中になって取り組むうちにチームの中にあったはずの壁が薄らいで見えなくなって来ます。または壁を打ち砕くきっかけが生まれます。
なぜそうなるのかというと、思いのベクトルが変わるからです。「自分を守る」「相手に負けない」「自分にとって優位な立場を築く」などのチームの仲間と真っ正面からぶつかり合ってしまうような思いのベクトルよりも「チームで達成したい目標」「なすべき使命」へ向かう思いのベクトルの方が大きくなるからです。こういった事に日々地道に取り組んでゆくことは皆さんのチームビルディングの助けとなることでしょう。

共有に行き詰ったらとにかく動いてみる。
皆さんのチームビルディングに役立てていただければ幸いです。




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2012/04/12

第23回 『当たり前のことをしただけです』

素晴らしい行いをした人、ヒーローにインタビューをして「ただ当たり前のこと事をしただけです」と言うのを聞いたことがありませんか?それはただの謙遜であったり、格好つけようとしているだけの場合もあるかもしれませんが、雲の上の人に見えるヒーローも実は本当にただ当たり前のことをしていただけの結果ということがあります。それは個人でも、チームでも同じです。ただ自分たちが成すべき事を成した結果、ヒーローになっている人たちがいます。
無理に自分ではない誰か別人になろうとするのではなく、自分らしく、当たり前のことを貫いてヒーローになった人たちについて考えてみましょう。
 
 震災の時に、ある製薬会社の社員の方達が物流も止まっている中、患者さんに薬を届ける事を続けたそうです。
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2012/03/29

第22回 『ヒーローを崇拝してはいけない』

あなたの尊敬する人は誰ですか?その人はあなたの行動に影響を与え、物事の判断の指針を示してくれていますか?
尊敬する人の発言や行動は自身の行動に指針を与えてくれます。しかし、尊敬が無条件の崇拝に変わるとそれはあなたにも尊敬する相手にも悪影響を与えます。気づかないうちに崇拝していたり、崇拝されて(させて)いたりしていませんか?今回は崇拝の影響力について考えてみましょう。
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2012/03/15

第21回 『チームの全員が手一杯で誰にも助けが求められない時にどうしたらいい? 』

皆さんは自分の仕事が手一杯で、誰かに助けを求めたいのにまわりも皆手一杯な時にどうしますか?自分一人ではオーバーキャパシティなのに、他のメンバーも誰も助けを求める余裕がない時です。
私はそれでも「自分は手一杯で誰かの助けが必要だ」ということを発信するように心がけています。それは、そうすることがチームとして成果を生み出すために必要なことだからです。

誰もが手一杯の時にはお互いに「みんな手一杯だから助けを求めたら迷惑をかけてしまう」と遠慮してしまいがちです。しかし、この「遠慮」はチームが力を発揮する妨げになります。
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