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第40回『仲が良くてもチームにはなれない』

2009年02月05日

チームづくりレシピ

チームの人間関係を改善し、メンバー同士が仲良くなるための取り組みが国内でも海外でもチームビルディングのために広く行われています。メンバー同士が仲の良いことはチームにとって良いことですが、いくらメンバー同士が仲良くなろうとも、それはチームとして良い成果を上げることの必須条件ではありません。

良い成果を上げるチームにとって必須の条件の一つは明確な目標です。どこへ向かって進むのかなどの共有がなされています。自分たちが何を成すためのチームなのかが分かっています。そしてもう一つの条件としてそこへ向かう思いを全員が共有しています。誰一人として中途半端な気持ちでかかわっているメンバーは居ません。全員がチームのゴールへ向かう思いを確実に共有しています。
この思いの共有が言葉で言うほどに簡単ではなく、不平不満であふれている組織も多くあります。

チームにとって円滑なコミュニケーションは重要な要素であり、メンバー同士の仲が良い事は円滑なコミュニケーションを促進しますが、これはゴールの共有にも、それを目指す思いの共有にも直接的には何も影響しません。もちろん仲が良ければ良いことに間違いありませんが、必須の要素では無いのです。
良いチームは時にケンカのような激しい意見のぶつけあいを起こします。あえて意図的にそれを起こす場合もあります。それは、多様な意見のぶつかり合いからゴール達成のための最高の選択肢が生まれるからです。そしてゴールへ向かう思いが共有されている場合には不必要な自己正当化は必要ではありません。お互いが同じゴールへ向かって本気で向かっていることを知っていて、不要な自己正当化によりゴールからそれてしまうことを避けるからです。

これがきちんとなされていると、お互いに対する敬意、尊重の気持ちが生まれ、衝突を前進の力に転化することができます。それがないとゴール達成のためではなく、自分の主張を通し、存在を正当化するための衝突になってしまうのです。
お互いが仲良くないと不安なようでは成果を発揮するチームにはなれません。もちろん、メンバーの中にそう考える人がいることは多様性の観点から良いことと言えますが、「仲が良い=良いチーム」ではないのです。

一つの例として以下のようなプロセスがあります。

  「ゴールとそこへ向かう思いの共有」

         ↓

  「お互いに対する敬意と信頼が生まれる」

         ↓

  「敬意と信頼によって仲も良くなる」

仲の良い集団から成果を上げるチームが生まれる事はあります。良いチームであることによって仲が良くなるということもあります。しかし仲が良いということはチームにとっては必要な条件ではないのです。

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