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第67回『ゲームで研修(2)チームビルディングの効果測定』

2017年10月19日

チームビルディングの話をしよう
2015年4月から始まった連載コラム「チームビルディングの話をしよう」では、代表河村がチームビルディングを切り口にさまざまなテーマでいろいろな人と話し合った様子をお届けしています。

今回の『ゲームで研修』は、
株式会社HEART QUAKE(ハートクエイク)代表である千葉 順さん
をお招きしての対談です。
http://heart-quake.com/ceo.html

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目次

 

 

千葉 順さん(写真右、以下ちばじゅん)
チームビルディングの成果はどう測りますか?

河村 甚(写真左、以下じん)
現状は数値化して測ることはできてない。
でも今後測れるようになるとは思ってる。

どういう状態が理想のチームかというのは、チームによって違うけれども、
我々チームビルディングジャパンがこれまでずっとチームビルディングをやってきた中で、
「こういうチームがいいチームだよね」という要素・項目をきれいに整理してそれを指標化すれば
いいチームかどうか測ることができるはず。

「いいチーム」が指標化できれば、こっちへ向かってがんばろう、という気持ちが出てきやすくなって、よりよいチームを作っていきやすいと思う。

でも、現状では、「成果をどういう風に測るんですか」と聞かれたときには、
導入前の期待を明確にして、終わった後にそれが実現できたかで測るしかできていないですね。

ちばじゅん
まぁ、そうですよね。ここは弊社も悩んでるところです。

じん
一番最初にお客さんと打ち合わせをするときに、
「組織をどういう状態にしたいのか」という話を、しっかりとするようにしています。

どういう状態を目指しているかについて話しているうちに、
最初はこう言ってたけど、本当はそうじゃなかった、ということも見えてきて、明確になっていくことも多いです。

目指している組織の状態を打ち合わせの中で明確にしておいて、
研修が終わったとき、その状態に近付いているか、その状態になっているかで判断してもらう。
そういう形で成果を測ることしか、今のところはできていない。

ちばじゅん
チームビルディングに関わる研修の効果測定って、難しいですよね。
チームビルディング研修以外の要因が働いて、成果が出る場合も大いにありますし。

じん
ちばじゅんのところも効果測定を求められること、あるよね?

ちばじゅん
僕らのところは、研修とレクリエーションの間ぐらいなので、
効果を強く求められることはあまりないんです。

満足度や盛り上がりなど、短期的で定性的な指標が求められることが多いですね。

2時間ぐらいの研修が多いので、
それで会社全体が劇的に変わるとは依頼主も思っていないでしょうし、
そこまで大きく変わりますよ、と自分たちも言えません。

僕らとしては研修後の同じチームになるまで話せなかった人たちが、廊下ですれ違ったり、トイレに行ったりしたときに「この間どうも」って言える関係性みたいなのがいいかな、と思っています。

じん
ちばじゅんが「成果の測り方」について尋ねてくれたのは、今、気になってることだから?

ちばじゅん
そうですね、永続的にチームビルディングが求められているためには、
お客さんのニーズを考えると、見える成果というのをこちらからも提供する必要があると思っています。
今のように、チームビルディングが流行っているうちは研修をやってくれるけど、
成果が出ないと永続的にはやってもらえない。

僕らとしては、人が関わっていく中で、楽しく仲良くやっていくことは、当然会社の業績につながっていくと考えているし、
何となくみんな、その方がいいよね、とは思っているけれども、
じゃあ実際にどうなの、ということは示せていないので、
ゴーイングコンサーンという点では、成果を示せた方がいいんじゃないかと思うんですよね。

じん
効果というのは、株式や通貨と同じようなものなのではないかと思う。
つまり、そこに価値があるとみんなが信じていれば価値が上がる。

ちばじゅん
今、まさにそういう状況にあると思っているんですよ。
チームビルディングに価値があるとみんなが思っていて、それを信用しており、価値が上がっている状態です。

 

効果は測定できる、けれども…

じん
効果は測れると思うし、測りたいと思うけれども、
同時に、測っていいものなのか、という気持ちもある。

ちばじゅん
おっ、「測っていいものなのか」というのは、どういうことですか?

じん
うーん、なんか
一本の軸に載せたくないと思っている、ということかな。

チームも、その中にいる個人個人も、
いろんなチームがあるし、いろんな人がいる。
チームビルディング的には、
多様であることは良いことである、と考えられている。

でも、指標をつくったときに、
一本の軸に置き換えなければ、評価できない。
一本の軸に置き換えるという作業は、本質的にはこの多様性を壊すものでは無いのかも知れないけども、
でも、一本の軸で測るというそのフレームって、どうなんだろうな・・・って思っている部分もある。

ちばじゅん
「多様性があるかどうかの指標をつくりましょう」みたいなときに感じる違和感のようなものですかね。

じん
そうそう! まさに!

ちばじゅん
それについては、僕はマトリクスみたいなイメージを持っています。
一つの指標で図るというよりも、マトリクスの4つの象限から選ぶ感じですね。
例えば「今、自分たちが目指している方向性は、四象限のうちのどれなのか」を選ぶようなスタンスが、たぶん僕のイメージに近いですね。

じん
四象限ぐらいで見られれば、非常にわかりやすいよね。

ちばじゅん
そうですね。
例えば、危機的状況では、独裁的な組織、変革型のリーダーシップが必要とされるかも知れないし、
平時のときには、サーバントリーダーシップ的な、みんながみんなを助け合うみたいなものが求められるかも知れない。
マトリクスを用いて、自分たちが求めるものを認識する。そういうのはできる気がします。

じん
リーダーシップタイプみたいなのは、それに近いかも知れないね。

ちばじゅん
やっぱり元々エンジニアなので、その辺を構造的にしておきたいというのはどこかにあるのですが、まだチームビルディングについてはつかみきれていないところがあるので、それでチームビルディング専門家であるじんさんに聞いてみたいと思ったんです。

じん
そうだね?。話している中で見えてくることもあるかもしれないね。

ちばじゅん
その点でも、チームビルディングカードに興味あります。
チームを構造的に考えることに役立つカードなんじゃないかって期待を持っています。

じん
チームビルディングカードは、現状構造化された感じには出来てないね。
でもまずは、みんなで一緒にカードをやってみれるといいかもね。

 ※チームビルディングカードについては、こちらをご覧ください。
  https://ameblo.jp/staffcircle/entry-12287482982.html

じん
効果を測れると思う根拠を少し話すと、

なんだかんだ言っても、我々はこれまで10年以上、チームをより良くするための仕事を請け負って、そこで成果を出すということにコミットしてやってきたわけです。

やっていることはクライアントによって違う内容ではあるけれど、
その中で我々が大事にしているコアな部分というのは明確にあるし、かつ指標化できる、と思う。
そうじゃなければ、我々がやってきたことって何なんだろう、って話になってしまう。
やってきて、お客さんに喜んでもらってるということは、成果が出てるいるということ。

だから、そこにあるエッセンスを数値化していけば、効果測定はできるんじゃないかなーっていう感じかな。

 

いいチームの要素

ちばじゅん
いい組織の構成する要素って、いろいろあると思うんですけど、
どれがいいチームに貢献度・重要度が高いと思いますか。
例えば、「人」なのか「制度」なのか「文化」なのか、はたして全然違うものなのか…、何が一番キーになると考えていますか?

今のところ僕は、キーになるのは「人」だと信じてやっているんですけど、
例えば、本当はもしかしたら「制度」かもしれなくて、そしたら実は効果の薄いことをやってるかも知れない(笑) そういうことを考えたりします。
「人」「制度」「文化」というのは、お互いに関連し合っていると思うので、その辺をもう少し説明できるようになりたいですね。

じん
うちでは、「文化」をコアに置いてやっていますかね。
その組織らしさって何だろう、
その中にいるその一人ひとりらしさって何だろう、ってね。

ある会社が、すごく高いパフォーマンスを出しているとき、
その組織らしさが発揮できているはず。
でも、その組織らしさって、普通見えないし、わからない。
「らしさ」が何かを探って、明確にしていくと、
それが会社の方針であったり、ビジョンであったり、戦略であったりする。

自分たちの組織らしさから外れてしまうとうまくいかない。

 

「らしさ」を大切にする

じん
自分以外の何者かになろうとすると、絶対うまくいかない。
人真似では絶対うまくいかない。

真似をしていても、ある程度のレベルアップ、技術向上は図れるけれど、それ以上にはなれない。

例えば、一生懸命マイケル・ジャクソンを真似して、練習して
歌って踊れるようになっても、マイケル・ジャクソンにはなれない。

だけど、そこを突き詰めていって練習していった結果、自分に身についていったものと、自分らしさを掛け合わせたときに出てくるものが、その人のとか、その組織の「らしさ」かな、と思う。

ちばじゅん
チームビルディングジャパンらしさと、
ハートクエイクらしさは、たぶん違いますよね。

ハートクエイクらしさは、「仕組み」「効率」・・・チームビルディングっぽくないかな(笑)
あとは「自由」。お金と時間と場所の自由。
そういうものがハートクエイクでは文化的に重要視されていますね。

チームビルディングジャパンさんはどうですか?

じん
チームビルディングジャパンでは、ミッション・ビジョン・バリューの練り直しをちょうど今やっているのですが、

その中でやはり一番大事だと話しているのは、「実践をしている」ということですね。
うちらしさのコアだし、創業当初から変わらず大切にしています。
チームビルディング会社なのに、自分たちがチームビルディング出来ていないとだめだ、というか、
自分たちがショーケースだし、
自分たちがこの会社に頼みたくないな、と思うような状態で、いいはずがない。
そこで、他の会社に提供する「いいこと」は、自分たちがまず実践してみよう、と。

試行錯誤してますけどね。
例えば、お客さんには効果の出やすい1泊2日の合宿をお勧めしているけれど、
自分たちでも2日間取るのは大変、とかね(笑)

それでも、チームビルディングって何なんだ、ともがき苦しみながら頑張る、実践を続ける、ということをやってます。
らしさ、というか大事にしているところですね。

 

あたたかさと厳しさ

じん
あと、うちは、外から見ると
あったかい、優しい雰囲気に見られることが多いんだけど、

中身は、厳しいというか、
一人ひとりが責任を持って自立して仕事できないと、
会社に依存しようと思っていると、かなり苦しいかな。

いわゆる昔ながらの会社員、サラリーマンは、
会社っていう妖怪がいて、その妖怪が求めることをやっていれば、
自分は生態系のなかで安全に生活していくことができる。
会社に依存していればとにかく自分は安泰だという感じ。

うちの会社では、会社は妖怪のような実体のないものじゃない。
自分たちが合わさって会社を作っているから、自分たちで責任をもつ。

例えば毎回自分の給料を交渉するし、みんなの給料をお互いに知っている。
もし交渉して給料を上がった結果、赤字になったら、みんなに責任がある、ぐらいの厳しさ、かな。

ちばじゅん
チームビルディングジャパンさんはホームページもあたたかい感じの作りだし、スタッフの人も優しい印象でしたけど、

なるほど、厳しさですか。
外から見た印象とは、たしかにギャップを感じますね。

じん
うん。そういうところが、チームビルディングジャパンらしさかな。

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