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第78回『会議でチームビルディング(5)会議は組織文化を表す』

2018年03月22日

チームビルディングの話をしよう
2015年4月から始まった連載コラム「チームビルディングの話をしよう」では、
代表河村がチームビルディングを切り口に
さまざまなテーマでいろいろな人と話し合った様子をお届けしています。

今回の『会議でチームビルディング』は、株式会社 Dialogic Consulting 代表取締役社長

吉田 創(そう)さんをお招きしての対談です。
http://www.dialogic.jp/
 
そうさんは現在、対話型組織開発コンサルタント・ファシリテーター・講師としてご活躍中であり、
会議で行うチームビルディングプログラムをチームビルディングジャパンと共同開発しています。
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目次

吉田 創さん(写真右、以下そう)
TBM(チームビルディング・ミーティング)」において、「会議が変わる」ということも、じんさんと僕は前面に押し出しています。
なぜ会議に着目しているかというと、会議は組織の活動として避けては通れないものだからです。
集団として何かをやっていくときに必要な話し合いを会議とすると、会議は組織的な活動の一つであるといえます。

「仕事」と「会議」を分けて、仕事ではないとする人もいます。しかし、僕らは連続性のあるもの、会議も仕事の一部で必ず通らなくてはならないものとしています。会議は組織活動なんです。

また、会議は非常によく組織文化を表すと言われています。 そのため、組織開発のコンサルティングとしてお手伝いさせていただく場合、まず会議を見学させていただきます。組織活動と捉えれば当たり前のことですが、会議を見ることによって、組織文化や人間関係のありようが見えてくるからです。実際、会議に組織文化が立ち現れる場面をたくさんみてきました。

 

会議が変われば組織が変わる

具体的な例を挙げてお話ししますと、

「うちの会議はすごくいい会議なんですよ」というチームがありました。

見ていると、たしかに和気藹々としてるんですよ。みなさん楽しそうにしてるし、対立もしていない。

だけど、その日会議を見学させていただいている中で、反対意見が一言も出なかったんです。

もちろん同意することは悪いことではありませんが、反対意見が出ないという状態は確かに存在している。

そこで、「反対意見がないのは、どうしてでしょうか?」という問いかけをしてみました。
すると、何度かやりとりする中で、「申し訳ない気がするから」という意見がでてきました。
本当に相手が傷つくか、どう受け止めるかではなく、申し訳ないことをしたくない自分がいる。だから言えない。
普段から合意すること、ポジティブなことは言うけれど、反対意見やネガティブなことは言わない、指摘し合わないという行動が会議にもあったんです。

彼らの言う「いい会議」によって、どんなメリットやデメリットが生まれているでしょうか? 想像がつきますよね。

このチームの「自己保身的な態度」は、この後「新しいことにチャレンジしない」全社的な組織文化として明らかになりました。

これは一例ですが、このように、会議を見るとその集団の状態、組織文化がわかっていくのです。

僕が会議に着目しているのは、会議は組織文化を表しますし、逆に言えば、会議を変えれば組織が変わるという独自の調査結果と実感があるからです。

僕の組織開発の中心には会議を置いていて、「会議が変わればチームが変わる」とずっと言い続けてきました。

ただ、「チームを変えるために会議を変えましょう」と伝えて響く人もいれば、会議そのものに困っています、という人たちもいます。

会議そのものに困っている人たちの方が、会議研修を受講されることが多いので、
そういう方たちに会議研修を行っていることも多いですね。

河村 甚(写真左、以下じん)
うんうん。

 

理想のチーム

そう
僕が理想とするチームというのは
先ほどの組織を例に取って説明すると、
「いいね」というのが、“語られている領域”。「反対」とか「違う」というのは、“語られていない領域”です。

すでに“語られる領域”だけで機能する組織もあるし、それで十分仕事が回るし成果が上がるケースもあります。

でも、組織の成長や変革、またイノベーションや複雑な課題解決には、“語られない領域”をいかに語れるか、ということが大事だと考えています。

もちろん、年がら年中反対しなさい、と言っている訳ではありません。

一面のことしか語られない、一部の言い方でしか語られないのではなく、いろんな面がいろんな言い回しで語られるチームであることが大事だと思うんです。

じん
単純にネガティブという訳ではなくて、語られていないことが語られる必要があるということだよね。

そう
“語られていない領域”を“語られる領域”に変えていく、ないしは、“語られる領域”を広げていく、ということです。

じん
たぶん、“語られない”ということにも、意味があって語られないわけで、常に“語る”ということが良いケースではないこともあるけど。

そう
うん、もちろん。

じん
でも、その語られていない状態がずっと固定化していると、それは良くない。

領域が広がったり縮まったりすることを繰り返しながら、“語られていない領域”に、ちゃんとみんなで踏み込んでいけるチームは、やはり力を出せるチームになると思うんだよね。

そう
そう!固定化するのではなく、伸び縮みが自由にできるチームが一番理想です。
例えば、会議を例にとって考えてみましょう。

今日はプロジェクトの情報共有の会議だとします。
そこで突然、「そういえば、うちの会社の前の花壇が枯れてて、それをどうにかしようと思うんですけど・・・」なんて話が切り出されたら、聞いた方は「へ???」って感じになるじゃないですか。

その場に最適な、まだ語られてないけど、“語られるべき領域”というのがあるわけです。

逆に、ブレスト会議で、「今日は思っていることを自由闊達に話しましょう!」というときに、「んー、特にないです」っていうのは困りますよね。

その時々のテーマや目的に応じて、ないしは、自分たちの状態の応じて、“語られる領域”を伸び縮みできることということはやはり理想です。

対立ばかりしている会社だとしたら、「いいね」という意見が無いですよね、ということになります。その場合は賛成を示すことが“語られていない領域”となります。

じん
そうだね。何が“語られる領域”の内側に入ってくるか、外側になるかは、その組織によって違うよね。

そう
会議で批判ばかりが起こっている会社であれば、「さっきの意見は良いと思います」という発言はあえて言おうとしなければ、語られにくいことですし、

普段「いいね」としか言っていない会社であれば、「さっきの発言に少し違和感があって・・・」ということが必要な場合もあります。

 

ちょっと言いにくいことを話す

そう
「日常の中でどうやったら良い関係が作れるのか」について考えたとき、「良い関係」っていっても、いろんな意味合いがあると思うんですよね。

互いにいいことしか言わない、仲良しこよしみたいなのもあるかもしれませんが、
前述の師匠は、「あえて言いづらいことを言ってみる」「あえて聞きづらいことを尋ねてみる」ことだと言っていたんですよ。
前回もお話しした通り、師匠とはいろいろありましたが、これについては、僕もいまも同意しています。

関係性づくりや、コミュニケーションの質を上げていくには、語られにくいことを誰かがあえて語る、ということが大事です。
そして、誰かが勇気を持ってあえて語ったことを他のメンバーが受け止めると、チームとして“語られる領域”が広がるんですよね。

「それってどういうことが、もう少し教えてくれる?」
「これも今日のアジェンダに加えましょう」
「むしろこちらを重点的に話してみましょう」
「とても大事だけど、今日のテーマとは外れるので別の会議を持ちましょう

など“語られない領域”を“語られる領域”としたり、また、逆に“語られる領域”を絞ってみたり、行ったり来たり、伸び縮みできるいいチームになります。

じん
そうさん同様、僕もお客さんのところで、「ちょっと言いにくいことを話す」ことが大切だと伝えています。「ちょっと言いにくいこと」って“語られる領域”の外側にあるところなんだよね。

我々ファシリテーターが来て一緒にやっているときは今日は言いにくいことに踏み込んで話をしよう、という感じで話してもらいます。
言いにくいことに踏み込んでいく規範づくりを我々が関わりながらしていきます。

例えば、ちょっと言いにくいと思っていることがあるとします。

「言いにくいと思いながら話したことは、絶対にこの場に集まっている全員にとって、何か良い意味がある。みんなのためになるから、言ってね」と促したりします。

あとは、その人の反応を見ていて、「あ、この人何か思ってるな」というときには
こちらから話を振って、その人に話してもらうことで、言いにくいことを言っても受け入れられるんだ、という状態を作っていったりもします。

そうすることで、少なくとも我々が入っている話し合いの場では“語られる領域”が広がっていく。

我々が入っている話し合いで起こる「良い感じ」を体験すると、みんなそこで、“キラーン”としたりするでしょ。
「あ、いいじゃん、この感じ!」
「今まで話し合えてなかったんだ!」
外側の世界を見た、みたいなね。それが、我々がファシリテーターとして入っていくことの意味だと思うんだよね。

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