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第89回『リーダーシップとイニシアチブ』

2010年12月23日

チームづくりレシピ

リーダーシップは1人のリーダーが発揮するものではなく、チームの全員が多様な場面で発揮すべきだと言われます。たしかにその通りなのですが、「リーダーシップ」という言葉に強いインパクトがあるため、敬遠される場面もあります。つまり、力強く他のメンバー全員を引っ張って行く行動や、一度始めたらやめられないような責任を伴う印象があるのです。
チームマネジメントに取り組むにあたって、日々の小さな率先行動、自発的取り組みである「イニシアチブ」と「リーダーシップ」をあえて使い分けると、この辺りがすっきりと理解できるはずです。

この2つの言葉は同義で使われる事もありますが、その違いはその行動と自分と周りの人々との関係性にあります。もちろん、言葉の定義なので「あれが正しい、これが間違っている」とやってもあまり意味がありません。とは言え、言葉に強い影響力や印象があるのも事実です。
ここではあくまで日々の小さな主体的/自発的取り組みを応援する意味で、それを受け入れやすくする目的で2つを分けて考えます。

イニシアチブは、率先的行動です。周りが行動する前に、自ら率先して行動します。周りの人に行動を起こさせなくともイニシアチブは発揮できます。そしてその結果、周りの人々がついて来たり、影響を与えたりしますが、イニシアチブはあくまでその本人の率先的行動の部分をさす物です。
リーダーシップはリードする(主導する)ものです。誰かのリーダーシップは周りの人々の行動を促します。いくら本人が頑張っても、周りの人の行動を促さないものはリーダーシップではありません。その反対で、本人が意識せずとも周りの人々に影響を与え、行動を促すものはリーダーシップと言えます。

人々の率先的行動を承認したり、推奨する際にリーダーシップでは重すぎる印象がある場合が多々あります。それが足かせとなって率先的な行動の妨げとなるようでは意味がありません。日々の小さな率先的行動をイニシアチブとして捉え直すだけでその荷が軽くなるのであればどんどんそうするべきです。

リーダーシップとイニシアチブの違い

● リーダーシップとは
 「あるべき姿を周りの人々が見える様にし、そこへ向かう行動を促すもの」

● イニシアチブとは
 「自らの主体性/自発性に基づいて率先して行動するもの」

言葉にとらわれ過ぎない様、うまく自分に活かしやすい様に言葉を使うことが行動にも影響を与えます。

 

※編集部注:管理職向けリーダーシップ研修についても、ご参照ください。

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