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VUCA時代を生き抜く、強いチームの作り方

2020/09/23

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激しい環境の変化の激流の中にある現代、ビジネス、経営の世界では「VUCA」という言葉で何とかこれを捉え、適応していこうという流れが起きています。この記事ではVUCAとは何か?それによってどんな変化が起きるのか?そして我々はどう適応していったら良いのかをできるだけわかりやすくご紹介します。

 

 

VUCAとは?

Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(あいまいさ)の頭文字をとった言葉です。この言葉自体は80年代から使われているといいますが、近年の環境の変化の激しさの中、経営やビジネス用語として、そして組織開発や人材育成の分野で多くの人たちが使うようになりました。
AI、自動運転、働き方の多様化、自然災害、感染症による被害など、想定していなかった変化によりこれまでのあたり前が通用しなくなったことに起因します。

まずは言葉の意味を紹介しましょう。


Volatility(変動性)

ボラティリティとは、変動性という意味です。投資をしている人は良くご存知かもしれません。例えば、株価が激しく変動するというのはボラティリティが高い、逆にあまり変動しないというのはボラティリティが低いといいます。単純に株価が上がっている、下がっているではなく、激しく上がったり下がったりしているような場合です。
ビジネスでもうまくいっていたはずのビジネスモデルがダメになって、また新しい何かが生まれたりといった環境はボラティリティが高い環境といえます。
そのような時には投資であればそれに適した投資手法があるように、経営でもそれに適した手法があります。それに合わせて変化させてゆくことが必要です。

 

Uncertainty(不確実性)

不確実性とは、「これまでうまくいっていたからこれで大丈夫」が通用しないという事です。過去の経験、蓄積を未来に適用しても望む成果が出ないのです。逆に確実性が高ければ未来は過去の延長からある程度予測できるということです。
多くの企業は年度ごとに予算を立てますが、予算を立てる時は主に過去の経験に基づいて考えられます。「過去こういうことをしてこれだけ売り上げが上がったから」「過去、仕入れ価格がこれくらいだったから」という経験です。不確実性の高い環境では、その確実性が下がり、計画通りにいかなくなります。
計画を立て、それを着実に遂行して行くという文化の会社はじわじわとこの不確実性によるダメージを受けて行きます。

 

Complexity(複雑性)

この社会は複雑さを増してきています。これは情報技術の進歩や異なる文化間でのビジネスの混ざり合いなど多様な要因から生まれています。
あえて割り切って言ってしまえば、情報の伝達スピード、その伝わる広さが速くなり、広くなると、それだけ多くの情報が集まります。その多様な情報から導き出される答えは非常に複雑になります。
木の枝から落ちた落ち葉がどこに落ちるかは落ちるまでに受ける複雑な空気抵抗によって、予測できません。しかし、真空であれば複雑な空気抵抗はなく、まっすぐ落ちるだけです。いつも同じ結果が得られます。
今の時代はまさに複雑な空気抵抗に揉まれ、どこに落ちるか予測できない時代といえます。

 

Ambiguity(あいまいさ)

確固たるものが無いというのがあいまいさです。白を選べば大丈夫、黒を選べば大丈夫ということはなく、白もあるかもしれないし、黒もあるかもしれない、さらにはその間の無限のグレーもあるかもしれないということです。
曖昧な環境では確固たる足場の上に立ってビジネスを導くことはできません。つねに湿原のような柔らかい土壌に立っているようなものです。
今やっていることが正解かもしれないし、間違いかもしれない。そんな中で前進しなければいけないのがあいまいさの高い現在の環境なのです。

 


VUCAの世界で起こる変化

VUCAの世界とはどのような世界なのか?これまでの世界と何が違い、どのような変化が起こるのか?コロナ危機によって起こっている変化はとても象徴的ですが、コロナによる危機に限らず、技術の進歩や社会の変化によってそれと同じような変化が起きています。
これについて3つのポイントからご紹介します。

 

1.今までの常識や既存のビジネスモデルが役に立たなくなる


今までは昨年こうだったから今年もこうなるだろうという予測が立つビジネスだったはずが、それがすべて覆され、同じことをやっていてもまったく利益が上がらなくなるという事が起きます。これに対しての最大の対策は過去のモデルにしがみつくことなく、いまの環境で有効なビジネスモデルに素早く転換することです。
コロナで様々な業界が打撃を受けているニュースはたくさん流れています。私たちの社会は直接顔を合わせるということがとても重要で、それが出来なくなった時に連鎖的に様々な業界がダメージを受けているのです。
旅行業界は個人旅行はもちろん、法人の大規模な需要がほぼなくなってしまったり、展示会や各種イベントもそうです。研修や会議なども対面では実施できず、オンライン化されました。
そんな中、飲食店はデリバリーやテイクアウト、通販を始めたり、ライブイベントも様々な形でオンライン開催されたり、新しいモデルへの転換を図ろうとしています。もちろん現実はそんなに簡単ではないし、もっと変わっていける可能性も秘めています。ポイントは「いままでと同じことをやっていてもダメ」というところです。いもむしが蝶になる様な変化が求められます。

 

2.答えを求めても誰も正解を知らない


大きな意味では歴史や過去の経験から学ぶことは現在、そして未来を理解することに役立ちます。しかし、いまここで起きている混乱についての解決策を誰かに求めてもVUCAの環境では誰も経験していないので、誰も答えを持っていません。
変化の少ない環境では過去の経験を持っていることや知識を持っているというだけで正解を導き出すことが出来ました。それは過去の経験から延長線を引けば未来が予測できたからです。でも今は違います。感覚的には延長線上に未来があると信じたくなります。でもそこに私たちの未来はありません。
「こうすれば上手くいく」という方法の導き出し方が、「過去に経験している人が教える」ではなくなっています。誰も答えを知らない時に最適解を導くのは多様な視点を掛け合わせるチームワーク、組織として学習し続ける力です。

 

3.環境に適応できたものが生き残り、できなければ淘汰される


あたり前ではありますが、このVUCAの変化に適応できなければ淘汰されます。生物の進化では「もっとも強いものが生き延びるのではない。環境に適応できたものが生き残る」といわれますが、まさにそのような状態です。
いま、組織は生き物のように進化してゆくことが求められています。社会や世の中がシンプルでスピードが遅かった頃には組織は機械のように管理する事がてきました。「Aというボタンを押したらAの結果が得られる」「非効率な部分を特定して改善する」「足りない能力は研修で学ばせるか能力ある人を雇う」VUCAの世界ではこれでは上手く行きません。生き物の進化のように多様な遺伝子が混ぜ合わさり、世代交代を繰り返し、たまに突然変異も起きて、環境に適したものが残る。組織で言えば行動量、コミュニケーション量、多様性、小さく試行して改善を重ねる、異質なものの混ざり合いなどが重要になって来ました。近年重要視されるようになってきた心理的安全性はこういった事を起こしやすくします。

 

VUCAを生き抜くために必要なたった一つのこと

過去のあたり前が通用しない中、企業/組織はVUCA環境に適応することが唯一の生き延びる道です。そのために必要なたった一つのことは

『有機的組織への変革』

です。

機械的組織と有機的組織という考え方があります。機械的組織は階層構造があるピラミッド型で、上から下へ正しいやり方を伝え、正しく仕事を行うのに向いています。有機的組織はコミュニケーションがフラットで、起こっていることに臨機応変に適応していくのに向いています。
経験の蓄積よって培った正しいやり方を正しくコピーすることでうまくいく環境などでは機械的組織が有効ですが、このVUCA環境下では有機的組織がより環境に適した組織の形といえます。

 

VUCAの世界に適応する組織を作るためにリーダーが今すぐやるべきこと

では、そのためにどうしたらよいのか?ここでは3つの有効なアクションをご紹介します。

 

1.組織の存在意義(存在目的)や、使命、パーパスを共有する


組織には存在意義があります。これを探求し、共有することが有効です。「我々がこの社会に存在する意義はなんだろうか?」「この社会になぜ私たちの組織は必要なのだろうか?」といった探求です。この探求のプロセスそのものを共に行うことが共有となります。
これは「今年度の目標」や「中期経営計画」といった作られたものとは違います。これらのものは未来の予測がある程度可能な環境での機械的組織では有効ですが、有機的組織ではうまくいきにくいものです。
組織の存在意義はその組織に内在するものであり、それを探り続けるものです。頭で考えて作るものとは異なります。また、この探り続けるプロセス自体が重要で、これを明文化して表わすことが目的ではありません。

 

2.心理的安全性の高い組織文化を育てる


存在意義を共有すると、メンバー同士の信頼が生まれやすくなります。有機的組織では多様なメンバー一人ひとりの「らしさ」を活かすことが大切ですが、そうすると一人ひとりの異なるあたり前がぶつかり合い、対立も起きやすくなります。(機械的組織では上が示す一つのあたり前に従うため、こういった対立は起きにくくなります)
異なる常識を持ったメンバー同士でも、お互いに尊重し合い、違いを活かしたチームになっていく第一歩が目的の共有です。
「考え方は全く違うけれど、相手も邪魔したいわけではなく、自分と同じ共通の目的のために頑張っている」という意識が違いを超えて尊重し、敬意をもってコミュニケーションがとれる関係性を築いていきます。
そして同じ目的を共有する仲間をお互いに応援する気持ちでコミュニケーションをとることが「自分が何か余計なことを言ったら害があるのではないか?」という恐れを減らしていき、対人コミュニケーションリスクの低い環境を育てていきます。
対人リスクを感じずにコミュニケーションをとれる環境が心理的安全性の高い環境です。

 

3.リフレクションの機会を持つ


心理的安全性が高く、思ったことや気づいたことを投げ合いやすい環境になると組織として経験から学習しやすくなります。組織として学び、進化し続けるための仕組みのひとつがリフレクションです。リフレクションとは、経験したことを振り返り、次の現実に適応させて活かすことです。
ここでは失敗の経験についてもテーブルに乗せ、反対されるかもしれないことも意見を述べます。「話しにくいこともキチンと話す」ということが経験から学習していく上では大切ですが、対人リスクの高い環境では否定的なものが返ってくると思って話せません。これを無理に話したり、話させたりすればいいわけではなく、話せる環境を全員で作っていく事が大切になってきます。
VUCAの環境では誰も正解がわからないということをご紹介しました。そういった環境ではまず小さく試しにやってみること。そしてやってみたらチームでリフレクションして、すぐに次に活かす。このサイクルを高速で回し続けることが最適解を生み出します。

 

最後に

VUCAの世界を生き抜いていくためには有機的な組織へ変革してゆくこと、今起こっていることから学習し続ける組織へと変化して行くことが必要です。これは壊れた機械のパーツを直すように、修理したらそれで完了という訳にはいきません。研修を受けさせたらそれで全員が理解してその日から組織が良くなるというようなことは無いのです。

組織文化を育てていくには人の体の体質改善を生活習慣の改善から行うように、日常の小さな習慣を変えていくことが必要です。

これは地道な取り組みですが、チームビルディングジャパンではそんな組織づくりを伴走する支援を行っています。

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