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第57回『チームビルディング研究会(6)これからの組織作り』

2017/06/01
チームビルディングの話をしよう
2015年4月から始まった連載コラム「チームビルディングの話をしよう」では、代表河村がチームビルディングを切り口にさまざまなテーマでいろいろな人と話し合った内容をお届けいたします。

今回の『チームビルディング研究会』は、本コラムで初めて2名のゲストをお招きしての対談です。

中島 久樹氏(マナビクリエイト代表 http://manacre.com
大橋 正司氏(サイフォン合同会社代表社員兼CCO http://www.scivone.com/
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目次

 

 

組織の「体重計」

大橋正司さん(写真左、以下大橋さん)
(以前話題に上がった)モンシロチョウ、菜の花の話にもありましたが、
みんな自分と他人との違いに気づいてない。

違いに気づける、気づき続ける工夫が必要だと思いまして、
実は今、作ってみようとしています。それが「モニカ」です。

河村甚(写真右、以下じん)
単に「気づく」だけでなく、「気づき続ける」のが大切ですよね。
気づくだけで終わっちゃっている場合が多いと思うんですよね。

大橋さん
そうですね、気づくだけで終わってしまうことが多いですね。
例えば、 ワークショップで「気づく」ことはあると思うんですけど、
「気づき続ける」って、ちょっとレベルが違う。

じん
組織の健康診断、人間ドックのようなことを継続的に行っていく必要性があるよね、と
なかしーと先日話していたんです。

その時、「モニカは組織、チームの体重計みたいなものです」となかしーが言っていて、
おぉ、なるほど、と思ったんです。それは必要だと。

僕は毎日体組成計に乗っていろんなデータを取っているんですけど、
体組成計があることによって、自分の健康に対する意識が変わるし、行動も変わるんですよね。

組織の体組成計、体重計に毎日乗ることで、
絶対に日々の意識や行動が変わってくると感じました。

年に1回の人間ドックではなく、毎日やることの意味がある。

大橋さん
「人間ドック」と「体重計」。

「体重計」って日々測れる。
体重計って自分で乗ろうと思って乗らないと計れないし、
乗ったからこそ目盛りが振れたわけですよね。
つまり、自分でハンドリングしている。距離が近い感じがある。

「人間ドック」だとよく分からない機械に入れられて、
なんかいっぱい数値出てきたけどよく分からなくて、
下がここからここまでが正常です、などと言われたり、
要検査とか要精密検査とか書いてあったりする。

その距離感の遠さっていうのも、今までの組織作りの関係と通じるかな、と。

近年も、年2回メンタルヘルスチェックをするとか、
そういう動きが出てきたとは思うんですけど、
メンタルヘルスチェックも距離が遠いですよね。
距離の近い、体重計的なものが必要とされているのかな、と。

「モニカ」とは?

じん
「モニカ」って、具体的にはどのような物ですか?

中島久樹さん(写真中央、以下なかしー)
僕らはモニカのことをチームメンテナンスツール呼んでいます。チームをメンテナンスし、コミュニケーションを整えるための問いがたくさん用意されています。

じん
例えばどんな問いがあるんですか?

大橋さん
普段これ絶対に聞かないよね、
いきなり聞いたら「えっ、どうしたの」と思われかねないけれども、
それを尋ねることによって何かが開けるみたいな質問。

そういう質問を何もせずに聞こうとすると
飲みニケーション、無礼講みたいな場を使ってやる、とか
たまたまそういう空気になった時にぽろっと聞いてみたりとか。
でもそれって年に1回起きるかどうか。
それをもっと気軽に起こそう、ということで作られたのがモニカなんです。

要は、普通に面と向かっては聞きにくいような質問がいっぱい入っていて、
それに“はい・いいえ”で答えていく。

答えたものに、「なんでこれは“はい”なの?」「なんでこれは“いいえ”なの?」と
掘り下げていくわけですが、その過程で本人も気づいていなかったり
あるいは当たり前に思っているんだけど周りは気づいていないことに、
あぁそうだったんだ、ということに気づくことができる仕組みが
非常に簡単に作られているものなんです。

カードで聞いてるから、誰にも責任が発生しない。
僕が聞いてるんじゃなくて、ランダムに出てきたカードに
書いてあるから、と責任を押し付けられるのも特徴のひとつです。

じん
例えば、こんな問いがあるかわかりませんが、
「同じチームの中に、あなたとウマが合わない人がいますか?」だとか
普通そういうこと聞く?というようなことを聞けるわけですね。

誰か人が同じ質問をすると、そこに意味が付いてしまって、
この人何か思ってるんじゃないか、となってしまう。

人じゃなくてカード=仕掛けが聞くから、人間と紐付けされない。
“はい”って答えた人も“いいえ”って答えた人も
「なんで?」「どういうこと?」って話が広がり始める。

前提なしの直感コミュニケーション

大橋さん
要は、前提なしのコミュニケーションがそこから始められるんですね。

じん
少なくとも最初の問いの段階では、色が付いていないですよね。
次に“はい・いいえ”と答える段階で、そこに意味が付くのかな、と思う。
意味が付いて、そこで他の人が問いかけるわけですね。

大橋さん
そうです。

なかしー:
モニカで面白い話が生まれるのは、その意味が直感で付くからなんですよね。
パッと問いが出てきて、それに直感で答える、つまり意味を付けるので、頭で考えてると出ないような言葉に近づくわけです。

じん
まず“はい・いいえ”で答えるから、直感なんですね。

なかしー
普通の聞き方をするといろいろ考えて答えるから、
予定調和なことしか言わないですよね。

モニカも予定調和から完全には抜けられないですけど、例えば、まずYesと言っちゃって、
言っちゃったものに後から意味付けする。で、あぁ、そうだったか、と気づく。

そこが、モニカが普通のコミュニケーションとは違っていて、面白いところです。


大橋さん
ロジカルではないけれど重要な判断というのも、ある程度引き出す。

なかしー
その可能性を高めるツールなんです。

大橋さん
例えばここで「最近不安なことはありませんか」って聞いちゃうと、
「うーん・・・いや特にありません」。

この「うーん・・・」が良くない。
ここでいろんなことを考えてしまう。
何か不安なことがあると、自分は能力が無い人間だと思われるんじゃないか、とかね。

なかしー
エンジニアさんにもっとコミュニケーションをして欲しいというニーズが、モニカを作ったきっかけなんです。

よく言われることだけど、PCに向き合って作業をしているからコミュニケーションが少ない。ずーっと黙っている。

大橋さん
本人も「思っていること」に自覚的でない。

なかしー
そうそう、言葉には表していないけど、何かしらコミュニケーションに対して不満を持っていたりする。ただ、本人がそれに気づいてなかったりするので、共有しようにも共有できない。でも、モニカを使うとそこがでてくる。

大橋さん
引き出される。

なかしー
引き出すような聞き方を、普通出来ないわけですよ。

リーダーも面と向かって、思っていることを引き出すことは難しい。いきなり「コミュニケーションについて最近どう思っている?」と聞いたら、警戒されてホントのことなんか言ってくれません。
モニカはそれを警戒なしで、引き出しやすい。
その結果、仕事をする上で引っかかりやすいところを防ぐ可能性が高まる。

※モニカリンク
https://www.monica.team/

幸せに働けるチームを増やしたい

じん
なるほどね。
そのモニカを今後どうしていこうと思っていますか?

大橋さん
そうですね、2つあります。

1つは組織開発。
日本のチームは、最近はパフォーマンス重視、最短経路の流れが強い。

メンテナンスすること…「ちょっと悩んでるんだよね」というようなメンタルな部分が
重要なのはわかっているが、どうケアしていいかわからない。

リーダーは「ちゃんとその辺を見てなさい」「話を聞いてあげましょうね」とか言われるけど、じゃあ実際どうやったらいいの、ということはあまり教えてもらえない。
そういうところを楽にしてあげたい。
楽にしてあげながら、要はみんながそれって大事なんだな、と感じて
そこには方法論もあって、やり方もあるんだったら、勉強してみようとか
もうちょっと組織の力を信じてみようとか、いうところから、
もっと幸せに働きたい、一人ひとりが幸せに働けるチームを一つでも増やしたい。

パフォーマンス機能×メンテナンス機能

じん
すごい共感しますね。

会社のような組織だと
パフォーマンス機能とメンテナンス機能としてみたときに
やっぱり結果、結果、パフォーマンスとなってしまう。

でも最近、メンテナンスが必要である、メンテナンスが出来てないために結果が出ない、ということが起こっています。
ただ、じゃぁどうしたらいいのか?ということが、みんなわからないんですよね。

メンテナンス機能とかいうとすごい仰々しいんだけど、
僕の感覚で言うと、おせっかいな寮母さんが一人いればいい、みたいな感じ。
おせっかいおばちゃんが、「最近元気ないんじゃない?」「おにぎり食べていきな」とか。
おせっかいをやいてくれる、そういうところ。
人と人との関係性であったりとか、
最近元気ないわね、的に見てくれるおせっかいおばちゃんがいる。
でも、企業、会社でパフォーマンス目指してる、というときに
会社にはそんな人いない。無駄だからそういう人は置かない。外されちゃう。

おせっかいおばちゃんは居ないから、それに代わるのが「モニカ」。
おせっかいおばちゃん機能を組織にインストールする必要があって、
おせっかいおばちゃん的な問いかけを、仕掛けである「モニカおばちゃん」がしてくれる、みたいなね。

なかしー
「モニカおばちゃん」いいですね。
今までお姉ちゃんだとばかり思ってましたけど(笑)

じん
僕もお姉ちゃんだと思ってましたけど(笑)
おせっかいおばちゃんのノリ・・・瀬田すみ恵さんのような(笑)

機能としていろんな企業に欠けているところだと思うから、
モニカがおせっかいをやいてくれるみたいなのが
いろんなところにインストールされていくと、社会全体が良くなりそうですよね。

なかしー
「あそび」ですね。

じん
そうそう、「あそび」ですよ。
余計なことするんですよね。
余計なことしなくなっちゃうと、実はパフォーマンスも出ない。
すごいわ、これー。

“軽い”組織開発

大橋さん
2つのうちもう1つを言うとすると、
「組織開発」って、重いって思われがちなんですよ。
全社的に行動計画を立てなくちゃならない、とか
いっぱいお金を掛けて導入されて、って。
もうちょっと軽くできるんじゃないかな、と思っていて。

じん
重いと続かないんですよね。
チームビルディングジャパンの研修のようにバンっていう強い・重い、そういう組織作りのきっかけみたいなのもありつつ、重い部分と、軽くて継続できる部分の
両方がちゃんとつながっていなくてはだめ。

グッという強いインパクトを受け止めてくれる人はすごく多いんですけど、
このままだとそれだけで終わっちゃいますよ、という話をいつもするんですよ。
本当は日常の中での実践や継続の仕掛けが大切なんです。軽くて毎日できるみたいな。

なかしー
モニカは、取り入れやすいって言うのはありますね。
まさに日々使う体重計ですよね。サクッとできて今の状態がわかる。そして明日も頑張ろうと思う。

大橋さん
・・・ということで、みなさんやってみませんか、っていうことです。

僕、組織開発とは別の領域にいる人間なんですよ。

WebとかITとかいう領域にいると、
アジャイル・・・小さく小さくサイクルを回して、いろいろトライしてみましょう、
そうすることによってイノベーションが急激に伸びていく。
試行錯誤を念頭に置いていろいろなことをやってみよう、と。
組織開発の世界にそういうブレイクスルーが起きていったら嬉しいな、と。

なかしー
モニカ、リフレクションカードの取り組みが、僕は今とても楽しみです。

「あそび」を組織の中にも人生の中にも、取り入れていきたいと思いますね。何が起こるかわからない余白、それこそが発見と新しさの源だと思っています。

あとは「美しさ」を人生の中で持っているかどうか、気づけているかどうか、認知しているかどうかというのが大切だと思っているので、
自分が何に美しいと感じるのか、日々の経験の中でもアンテナを立てていければいいなって思います。

仕事の中でもプライベートの中でもなんですけど、
物事に臨むときに「あそび」や「美しさ」そういうものを探求する態度をつくると、
非常に良い生き方ができると思います。

じん
ありがとうございました。これからもよろしくお願いしますね!



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