HOME 河村甚の連載コラム 第4回『フラット型組織・ピラミッド型組織で起こっていること』

第4回『フラット型組織・ピラミッド型組織で起こっていること』

2019/03/21

チームビルディング・バイブル

 

河村 甚(以下じん):
組織がうまくいっていない原因が、ピラミッド型の組織構造である・・・というケースが多く見られます。

リーダーは本当に自分たちの会社を良くしたいと思っているし、一人ひとりイキイキと仕事をしてほしいと思っている。
もっともっとメンバーの主体性が上がって、会社全体が底上げされていくようにしたい。
リーダーが本気でそう思っている組織でも、ピラミッド型の構造によって、うまくいかない・・・
このようなケースが、多くの会社で起こっているのです。

 

―― 例えばどのような状況が起こっているのでしょうか。具体的なエピソードを聞かせていただけますか。

 

じん:上司が部下に対して「自分で考えてやってみなよ」と言い、
そして部下も一生懸命考える・・・という状況ってありますよね。

上司は部下に自立してほしいと思っているので、
本人に考えさせるわけですが、

その時ピラミッド型上司が、ついついやってしまっていることによって、
結果的に望まない状況を引き起こしてしまうのです。

 

――“ついついやってしまっていること”とは?

 

じん:それは、部下の意見が上がってきたときに、
「違う、こんなんじゃダメだ」と言ってしまうことです。

上司は否定するつもりは一切ありません。
「出来ないことを出来るように指導してあげている」という気持ちしかない。

部下の意見には、当然甘いところやダメなところがあるでしょう。
しかし、部下の立場からすれば、否定され受け入れられなかったと感じると、
「だったら考えてくる必要なかった」
「上司に最初からやってもらえばよかった」
「言われたとおりやればよかった」・・・と思ってしまいます。

そうすると、どうなるか。

次に上司から「自分で考えてみて」と言われたとき、
部下は「何がこの上司が求めている正解なんだろう?」という
正解探しをするようになるのです。

上司にはない、部下なりの発想や考えを持っていたとしても、
自分の考えを出さなくなってしまう。

「上司はどう言ってほしいのか」を
一生懸命考えるようになってしまうのです。

こうなると残念なことに、上司としては、
部下から出てきたものに対して不満しかない。

「どうしたらみんなもっと自分で考えるようになるんだ」
と上司が悩んでいるケースというのが、実はよくあるんです。

 

―― そのようなとき、上司はどうしたらよかったのでしょうか?

 

じん:自分の正解を持っている時には先に伝えることです。

最初に正解を言ってしまって、
「自分はこう思うけど、どう思う?」と尋ねる。

そして出てきた色々な意見に対しては、
必ずしも賛同せずとも、受け入れる。

逆に、正解がわからないことなら、
完全に最初から部下に任せてしまう。

出てきたことに対して意見を言うにしても、
あくまでもフラットな立場でのべるようにします。

部下が考えてきたのも一つある。
自分から見えるものはこうである。

それを共有し合った上で、では、どうするか
と一緒に考えていけばいい。

部下から出てきた意見を否定して、
「だからダメなんだよ」「まだまだ考えが浅い」
などと返してしまうから、うまくいかないんです。

上司自身はそう育てられてきたし、
これまでは実際に、それで上手くやってきた。
その経験があるから、悪気なくそのような反応をしてしまうのでしょう。
上司自身も苦しんでるところだとは思います。

 

―― とはいえ、ピラミッド型やトップダウンの方がうまくいくケースもありますよね。
それはどのような時ですか?

 

じん:判断のスピードが求められる時です。
特に緊急時は、みんなで話し合ってもなかなか決まらないことに
時間をかけてはいられません。
とにかく決めて動くことが大切な時は、トップの判断で素早く舵を切ります。

ピラミッド型組織は、上司が言ったことについては、
とにかくやるという行動が早いですから。

ピラミッド型組織において、
下から上へ話を通すのは、とても時間が掛かります。
上を納得させるためには、事前の資料作りにも手間がかかる。
計画をしっかりしないと承認してもらえませんから。

しかし、上から下へは本当に早い。
下から上は、鮭が滝を遡上するようなものすごいパワーが必要ですが、
滝の上から水が流れて落ちていくのはあっという間。
それくらいの違いがあると思いますね。

 

――フラット型組織はどうですか?

 

じん:フラット型組織では、上下なく自由に意見が言えるので
上司の説得の苦労はありませんが、
対立を超えていく時など、フラット過ぎて苦労する場面というのはあります。

トップが決めてくれればそれでいいじゃん、ということも
みんながフラットにそれぞれ自由に言い合える環境だからこそ言い合ってしまい、
なかなか決まらないというようなケースです。

可能性が無限に広すぎると、自由にフラットに話が広がってしまい、決まるものも決まりません。

選択する軸があって、それに基づいて決めることができればよいのですが、
何を軸に決めたらいいのかわからないときには、決断が遅くなってしまいます。

軸は予算なのか、時間なのか・・・と表に出してフランクに話し合い、
とにかくまずは軸を明確にしていくことが必要になりますが、
軸を探すところからやっていくとこれまた、やはり時間が掛かってしまいます。

 

―― 緊急時には適していませんね。

 

じん:はい。大切なのは、使い分けです。
ピラミッド型、フラット型、それぞれに良いところと悪いところがあります。
それを理解した上で、ケースバイケース、状況に応じて、
「あ、今ピラミッドの悪いところが出ちゃったな、じゃ、ちょっとフラット型の要素を取り入れよう」とか、
「今ちょっとフラット型の悪いところが出ちゃったな、ここはちょっとピラミッド型で引っ張っていこう」とか、
そういうことを状況に応じて使い分けられると、いい組織づくりができます。

次回は、フラット型組織である弊社チームビルディングジャパンの実践例をお話しします。




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