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第8回『フラット型組織のハード面とソフト面』

2019/05/16

チームビルディング・バイブル

 

――今、社会環境の変化によってフラット型組織が求められ、広まりつつあるそうですね。

 

河村 甚(以下じん):「フラット型にしよう」と興味をもつ会社が増えてきました。
フラット型組織の特徴である柔軟な働き方は「働き方改革」でも推進されており、
必要に駆られて導入を考える企業も多いようです。

 

――フラット型の組織を作るには、どうしたらよいのでしょうか。

 

じん:フラット型を導入する際、制度作りから始める会社が多いですね。「リモートワークを導入しよう」「フレックスにしよう」等、まずはハード面から変えようとする。

このときに重要なのは、制度などのハード面を整えるのと同時に、
組織文化やメンバーの関係性などのソフト面を整えていくことです。

 

――ハード面とソフト面の両方を同時進行でみていく必要があるのですね。
まず、ハード面のポイントを教えてください。

 

じん:働く時間や場所の自由度を高める仕組みはもちろんとても重要ですが、
組織文化に一番影響するのは、実は「評価制度」です。

例えば、

 直属の上司が査定して部下の給料を決める仕組みだとすると、部下は「その上司が自分をどう見ているか?」ばかり気にしながら仕事をするようになります。

 残業時間が長いほど多くお金がもらえるのであれば、残業時間が長くなります。

 時短勤務していると管理職になれないとか、リモートで仕事するよりもオフィスで仕事していた方が高く評価されるといった状態では、時短やリモートワークの制度を作ったところで誰も使いません。

このような状況が起こるのを回避するために、
まず理想とする働き方を体現するための評価制度や給与の決定方法をしっかり検討した上で、それからハード面を考える必要があります。

 

――なるほど。評価制度の影響は大きいですね。
フラット型組織のソフト面についてはいかがですか。

 

じん:ハード面が整えばフラット型の柔軟な働き方ができるのかというと、決してそうではありません。

組織文化や関係性、組織内コミュニケーションの問題、あるいは一人ひとりの意識の問題など、ソフト面の取り組みが必須です。

「リモートワークが最近流行ってるから、自宅で仕事ができるようにしよう」などと
とりあえずとっつきやすいところから仕組みを変えてみたものの、うまくいかないというケースは多く見られます。

例えば、
リモートワークを導入すると、社員がどのような行動をしているのか見えにくくなります。
すると、いわゆるピラミッド型の「人を管理する」スタイル・・・特に、人を働いている時間や、分かりやすい成果だけで判断している場合は、不安になる。
「あいつオフィスに来ないで、自宅で仕事してるって言ってたけど・・・ほんとにやってるのかな、サボっているんじゃないのか?」
「本当に8時間働いてるのか?」「遊んで途中でゲームとかしてない?」
・・・というように。

しかし、そもそも管理しようとする観点で考えるから、きちんと就業時間を守って働いているのか不安になるのです。

フラット型組織では「この一人が自分らしく最高の成果をあげるにはどうしたらいいか?」という考えに基づいて働き方の自由度を高めます。
ピラミッド型組織に見られるような「働いている時間を管理する」という考え方そのものが合いません。


例えば、男女関わらず、育児中の親である場合、
家で勤務することができれば、子どもが学校から帰ってくる時間に家にも居られるし、
家事も仕事も両方しっかりやることができる。

配偶者が転勤になった場合、
家族が一緒に暮らすことを大事にし、単身赴任ではなく家族全員で引っ越すことを選んだとしても、辞めることなく、どこにいてもリモートで働き続けることができる。

このように、「その人が主体的に、その人らしく、最高のパフォーマンスを組織の目標に対して発揮するためにはどういう働き方がいいのか」を考えることによって、結果的に、リモートワークの仕組みを取り入れると有効であるということであって、
リモートワークを導入しさえすれば良い働き方ができるわけではないのです。

この違いは、ものすごく重要なポイントです。

 

――単にハード面を整えれば働きやすくなるというわけではありませんね。

 

じん:フラット型の柔軟な働き方を導入することの目的は、
一人ひとりが自分らしく働き、社会の中で価値を発揮する状態を作ることです。
ですから、「どのようにして一人ひとりを活かすのか」という観点で制度を作る必要があります。

ピラミッド型組織では、会社側は「労働者は管理しないと働かない」と考えます。
また、働く側は「会社は労働者から搾取しようとする」と考える。
このような発想のままでは、絶対にうまくいきません。

ソフト面・ハード面の両面から取り組みフラット型の組織文化を育てていくことが、
柔軟な働き方をつうじて大きな成果を生み出すための秘訣です。




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