HOME 河村甚の連載コラム 第18回『多様性と受け入れ合い』

第18回『多様性と受け入れ合い』

2019/10/03

チームビルディング・バイブル

組織づくりと人づくりに必要な9つの要素

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【 組織を一つにするもの 】
 ●自分たちらしさ
 ●目標、ビジョン、ゴール

【 ベースとなる組織文化 】
 ●心理的安全
 ●多様性と受け入れ合い
 ●主体性

【 組織として学び、進化し続けるための行動 】
 ●混ざり合いを起こす
 ●失敗や異色な発想を受け入れる
 ●行動量やコミュニケーション量を増やす
 ●リフレクションを行う

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――組織づくりと人づくりに必要な9つの要素のうち、
今回は「多様性と受け入れ合い」についてお伺いします。
「多様性と受け入れ合い」は、最近は「ダイバーシティ&インクルージョン」とも言われていますね。

 

河村 甚(以下じん):そうですね。「多様性って大事だよね」と言うのはよく耳にしますが、
なかなか本当の意味は分かりにくかったり、伝わりにくかったりする言葉だと思います。

一般的に「多様性」「ダイバーシティ」というとき、
「職場の中の当たり前とは“ちょっと違う人”をどう扱うか」という意味で使われていることが多いようです。
例えば、男性主導の会社での女性活躍推進や、障碍者雇用のようなケースです。

「当たり前はこっち」というのがあって、その「当たり前」とは異なる人、変わっている人をどう扱うのか・・・というのが現状の「ダイバーシティ」。ひどい状況ですよね。
日本の多くの企業がやっているダイバーシティというのは、ほとんどそのレベルだと思います。

ここでいう「多様性と受け入れ合い」で大事なのは、
「全員が違う」というのが大前提だということです。

一人ひとりが全員違う。一人ひとりが多様である。1,000人いたら、1,000人みんな違う。

一人ひとりが違うということと、
その違いをちゃんと認め合い、受け入れ合うことが、
「多様性と受け入れ合い」の重要なポイントです。

 

――違いが認められない、受け入れられない環境下では、
「変な人だと思われたくないから、自分も他の人と同じように行動しよう・・・」と考えてしまいがちですよね。

 

じん:昔ながらのピラミッド型組織には、「異質なものは排除される」という文化があるところが多いようです。

異質なものは排除し、同質なものばかりが集まった組織の方が、決断のスピードは速いし、アクションも速い。

正解がある程度解っている時代には、決断し行動すれば良い結果が出るという状態でしたから、それでもよかったのでしょう。

しかし今、フラット型の組織で本当に成果を上げていくためには、みんなが同じように考えていてはうまくいきません。

 

――具体的には、どうしたらよいのでしょうか。

 

じん:100人いれば100人が違う当たり前を持っていることを認め、
その違いをちゃんと出し合い、受け入れ合えるようになる必要があります。

「障碍者雇用しましょう」とか「女性活躍推進に取り組みました」とか、
そういうことではありません。

大切なのは、「一人ひとりがマイノリティである」という意識を持つこと。そして、その一人ひとりを活かすことです。

「一人ひとりが自分らしくキラキラと活躍するためにはどうしたらいいか」ということを、チーム全員が考えて、お互いに人を活かすという意識で行動することがすごく大事なのです。


過去には、「受け入れ合い(インクルージョン)」を起こすことを無視して
多様性を促進する取り組みが行われて時代がありました。

しかし、受け入れ合いが無ければ、多様であっても意味がありません。
多様なメンバーでチームをつくって「みんな違えば、それでいい」。これで終わりではダメです。

違いをしっかり認めて、お互いに受け入れ合う必要があります。
100人いたら100人を特別扱いすることが、組織全員に求められます。

「あの人は変わっているから」「自分とは違うから」といって拒絶するのではなく、
「この人がこういう特性を持っているからこういう風に関わろう」と考える。
これが本当の受け入れ合いです。

 

――“本当の受け入れ合い”ができるためには、相手の特性を把握する力や、相手に合わせたコミュニケーションを取る力が求められそうですね。
メンバーが多様であればあるほど、高い成果を上げる組織になるのでしょうか。

 

じん:より多様なメンバーを受け入れた方が良いと思われがちですが、実際にはそれだけではうまくいきません。

「多様性と受け入れ合い」のある組織をつくるときに重要なポイントになるのが、
「自分たちが受け入れられるキャパシティを知ること」です。

どんな組織にも、自分たちが受け入れられる限界というものがあります。
もちろんより広く多様性を受け入れられたほうが可能性は広がります。
しかし、どこまでの多様性を受け入れられるのかという限界を分かっておくことが大事なのです。

 

――それはなぜですか。

 

じん:組織を一つにするための要素である「自分たちらしさ」の項でも述べた通り、
何でもかんでも受け入れてしまうと、自分たちらしさが消えてしまうからです。

極端な例を挙げてみましょう。

「どんな人でもチームメンバーとして受け入れる」とします。
しかし、チームに来たのは犯罪者でした。そのときあなたならどうしますか。

 「犯罪者は受け入れない」

 「世の中では犯罪者と言われてるけど、殺人を犯したわけでなければ受け入れられる」

 「こういう事情での殺人なら受け入れられる」

・・・いろいろありますね。

自分たちの組織はどこまで受け入れるのか・・・
「こういう人は受け入れられない」「こういうところは受け入れられる」と
どこが線引きなのかの認識を合わせることが大切です。

 

――最後に一言お願いします。

 

じん:いま、ダイバーシティ&インクルージョンが広く言われるようになって来ましたが、まだまだ「職場の中の当たり前とは“ちょっと違う人”をどう扱うか」というとても表面的な理解にとどまっている会社がほとんどです。
そこからさらに前進して、一人ひとりが少数派で、一人ひとりの違いを受け入れ合い、活かし合う社会に成長してなっていくことが大切です。




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