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第23回『失敗や異色な発想の許容』

2019/12/12

チームビルディング・バイブル

 

組織づくりと人づくりに必要な9つの要素


【 組織を一つにするもの 】
 ●自分たちらしさ
 ●目標、ビジョン、ゴール

【 ベースとなる組織文化 】
 ●心理的安全
 ●多様性と受け入れ合い
 ●主体性

【 組織として学び、進化し続けるための行動 】
 ●失敗や異色な発想を受け入れる
 ●混ざり合いを起こす
 ●行動量やコミュニケーション量を増やす
 ●リフレクションを行う


 

――チームビルディングには、失敗や異色な発想を受け入れることが大事なのですね。

 

河村 甚(以下じん):はい。 組織として学び、進化し続けるためには欠かせない要素の1つです。

しかし、失敗や異色な発想を受け入れることは言うのは簡単ですが、実践するとなるとなかなか難しいものです。特にピラミッド型の傾向が強い組織では非常に難しい。なぜなら、ピラミッド型の組織構造は「失敗をなるべく無くそう」という目的で作られているからです。

ピラミッド型は、効率を重視し、経験から学び、次は失敗しない形を整えていくために適した構造です。
均質化・同質化を重要視するので、組織構造的に異色な発想は受け入れにくいのです。

ピラミッド型組織でももちろん、「組織には失敗や異色な発想が大事」と言われてはいます。
でも実際には、ピラミッド型組織で失敗や異色な発想を許容するのは大変困難です。

 

――なぜそれほどまでに困難なのですか。

 

じん:2つの理由が考えられます。
1つは、ピラミッド型組織では、メンバー一人ひとりに合わせるということはしないということ。
メンバーの方が組織に合わせます。

もう1つは、「できない人ができるようになる」ことを目指すということ。
能力の低い人でもできるようにするためにいかにマニュアル化したり、経験のない人でもできるようになるためにいかにトレーニングしたりということを効率重視で進めます。

「失敗しない」「みんなに合わせる」という組織文化の中では、本人も意識しないうちに、上司が許容できる幅が狭くなっているのです。

例えば、失敗を非難する人がいるとします。
課題に対して向かっていくとき、その人が課題の正解を知っているのであれば、トップダウンで教えればいいでしょう。

しかし、失敗を非難する人も含めて、誰も課題の正解を知らないという状況が時代の変化とともに増えています。

誰も知らないことに対してチャレンジしていく時には、なるべく小さな失敗をたくさんして、ああでもない、こうでもないと話し合い、「この要素はいいかもね」「じゃあ次はこう改善してみよう」と進めていく必要があります。

「そんなのはあり得ないでしょ」というような異色な発想でも、やってみたら何か次へのヒントが見つかるかもしれない。試してみる前に否定してしまうと、出るはずの芽も出てこなくなります。

 

――だから、たくさん失敗して、あり得ないと思うことでもまずはやってみることが大事なのですね。
そのためにはどうしたらよいのでしょうか。

 

じん:失敗する人や異色な発想をする人を拒絶しないことです。

よくあるケースとして、「何でも失敗していいんだよ」「とりあえずやってみなよ」と言いながら、失敗すると非難の対象となってしまう・・・ということがあります。

本当に失敗を推奨するなら、どこまでの失敗は構わないのかしっかり伝える必要があります。
また、失敗しても評価は下がらないなどの仕組みの面も非常に大事です。

独立した失敗や異色な発想がたくさんあるだけでも価値がありますが、さらに、たくさんの失敗や異色な発想が混ざり合うことによって最初は誰も想像しなかったようなものが生まれてきます。
いろんなアイデアを混ぜ合わせたり、他の人のアイデアに口出しをし便乗したりするということがとても大事だということです。

個人単位で失敗を重ねるのではなく、他の人の失敗から着想を得て、自分の次の挑戦へ繋げていくということができるどうかが、重要なポイントです。

 

――そのあたりは、次回お伝えする「混ざり合い、関わり合い」と影響し合っていそうですね。
組織として学び進化し続けるためには、失敗や異色な発想が重要なのですね。

 

じん:はい。機械を生物の進化に倣って進化させようという動きもあります。

生物の進化というのは、「その種としてはこれが正しい」という状態から、次の新しい環境に適応していく種が生まれていくことです。
その時点で種として最適な状態のものが、ずっとそのまま続いていく訳ではありません。
遺伝子のコピーのエラーである突然変異から次の進化が生まれてくると言われています。

たまに起こる、ちょっとした遺伝子の組み替え間違いによって、次の環境に適応して、例えば陸へ上がったり、空を飛んで行ったりしていく。
魚にしてみたら「陸に上がるなんておかしいよ」「いいじゃん、陸に上がらなくたって」という話なのに、「陸に上がる」という変なことをした遺伝の変化があり、だんだん陸で生きられるようになった。
こうして生命としての幅が広がり、次に生き残っていける種が生まれてくるのです。

そのときには「それっておかしいよね」「それって失敗だよね」と言われることが、次の世代を切り拓いていくのです。

自分の当たり前にとらわれず、「自分が次の世代の新たな芽を理解できないだけなのかもしれない」という謙虚な目で見ると、一見「おかしい」「間違ってる」ということも受け入れられるようになっていきます。

どんな組織、どんな人でもどこまでの失敗や異質なモノを受け入れられるかは幅があります。単純に何でも受け入れればいいかと言えばそうはいかない事の方が多いでしょう。

しかし、その幅を今ある幅から少し広げてみようという試みをできるところから重ねてゆくことが、組織の次の進化に繋がっていくことでしょう。

 

――ありがとうございました。次回は、混ざり合い・関わり合いについてお話を伺います。




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