HOME 河村甚の連載コラム 第31回『アクティブリスニング(3) 言語による傾聴テクニック』

第31回『アクティブリスニング(3) 言語による傾聴テクニック』

2020/04/02

前回から3回にわたって、コミュニケーションのテクニックである「アクティブリスニング」を詳しくご紹介しています。

  • 第330回 傾聴の心構え
  • 第331回 言語による傾聴テクニック
  • 第332回 非言語の傾聴テクニック

コミュニケーションの技として有名なのが「アクティブリスニング」です。
アクティブリスニングは、カール・ロジャースを中心に、カウンセリング分野で発達してきたテクニックで、日本語では「積極的傾聴」と呼ばれます。

アクティブリスニングのテクニックには、言葉で表現できるテクニックと、非言語のテクニックがあります。

 

今回は、言葉によるテクニックを5つご紹介します。

①相づち
②オウム返し(リピート)
③要約して返す
⓸感情を返す
⑤オープン・クエスチョン

 

①相づち

言葉で相づちを打つ、ということです。

「うんうん」「なるほど」「へぇ~」と言うだけで、相手は聴いてくれていると感じます。そして、受け入れられているという感覚を持つのです。

受け入れられていると感じることによって、人は話しやすくなります。うなずくだけ、相づちを打つだけですが、非常に有効なテクニックです。

 

②オウム返し(リピート)

相手が言ったことをそのまま言って返す、ということです。

例えば、「仕事で大きな失敗をしてしまって、お客さんに迷惑をかけちゃったんですよ」と話されたら、
「なるほど、仕事で大きな失敗をしてしまって、お客さんに迷惑をかけちゃったんですね」とそのまま返すのです。

このように返すと、相手は自分の言ったことを外側から見ることができ、その意味を自分で捉え直すことができます。
また、自分の言ったことを相手が受け取ってくれていると感じます。

オウム返しはとても有効なテクニックですが、固くなりすぎると不自然な印象を与えることもあります。
同じ言葉を鏡のように跳ね返すオウム返しではなく、一度その言葉を自分の中に吸収して、受け取ってから自分の体を通して出し直すイメージで返しましょう。

 

③要約して返す

相手が話していることを聞いて、「それってこういうことですよね」「こういうことですか」と自分の言葉で要約して返すということです。

人が何かを伝えようとするとき、台本を読むようにスラスラとわかりやすく話せるわけではありません。話したいことが散り散りになっていて、いろいろな言葉を混ぜ合わせながら話すのが普通です。

そこで、相手の話を受け取った後に「こういうことですよね」と要約して返します。
相手は自分が言ったことにもかかわらず、発言が整理して返ってくることによって、「そういうことが言いたかったんです」と感じます。自分の発言を捉え直すことができるのです。

聞き手側の理解が違っていた場合にも有効です。
相手に対し「こういうことですか」と要約して尋ねることで、「ちょっと違います、こういうことなんです」と相手が伝える機会をつくることができます。

ただし、注意点があります。
相手との関係性がうまくいっていないと、要約を返したときに反発心が生まれることがあるのです。

聞き手側に対して話し手が反発心を持っていると、どんなに的確な要約だったとしても、「・・・ちょっと、違うんですけど(分かってないなぁ!)」と思われることがあります。

関係性が良くないときは要約して返すよりもまずは相手が受け入れてもらっていると感じられるように聴くことが最優先となります。


④感情を返す

起こった出来事や事実よりも相手がどう感じているのかという感情の方が、
本人に大きく影響しています。

先ほどご紹介したオウム返しでは「仕事でお客さんに迷惑をかけちゃったんですよ」と話されたら、「なるほど、仕事でお客さんに迷惑をかけちゃったんですね」と内容をそのまま返す技をお伝えしました。

「感情を返す」は相手が感じたことを、そのまま返すテクニックです。

例えば、「仕事でお客さんに迷惑をかけてしまって、すごくつらかったんです」と話されたら、「それはつらかったですね・・・」とつらかったという感情の部分をそのまま返します。

そうすると、自分の感情を相手が受け取ってくれているという安心感を感じられますし、
受け入れられていると感じることができます。

ここで大事なポイントがあります。それは、相手の感情に共感しなくても構わないということです。

相手が悲しい、つらいと思うことでも、自分としては全くそう思わないことがあります。
その場合でも、感情を返すことはできます。
自分がどう感じようとも、相手が感じたことは事実です。相手が感じた部分だけを扱います。

聞き手が話し手と同じ感情を持つ必要はありません。むしろ感情に引っ張られずに、自分自身に軸を置いたまま相手に感情をそのまま返すということがとても大切です。


⑤オープン・クエスチョン

最後に、質問をする際に役立つテクニックをご紹介しましょう。

オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンという2種類をうまく使い分けるという技です。

クローズド・クエスチョンとは、
質問に対し「はい」「いいえ」など限られた選択肢を回答すれば終了、というタイプの質問のことです。

例えば、「このアイディアで良いと思う?」と聞いたら「はい」または「いいえ」と回答すれば終わります。これがクローズド・クエスチョンです。


「はい」「いいえ」で話が終わってしまう質問だと、それ以上相手から話が聞けなくなってしまいます。そこでオープン・クエスチョンを使います。

オープン・クエスチョンとは、相手が考えていることや、内側にある気持ちがどんどん引き出されるような問いかけです。

例えば、「このアイデアをもっと良くするためにはどうしたらいいと思う?」と聞けば、
「もう少しこうしたらどう?」と提案してくれます。
そこから「なるほど、もう少し詳しく聞いてもいい?」と聞けば、話が展開していきます。
オープン・クエスチョンは話を広げるためにも大変有効です。


クローズド・クエスチョンがダメなわけではありません。必要なときにうまく使い分けるとよいでしょう。

「はい」「いいえ」を選ぶだけというのは、ある意味答えやすいんですよね。
ですから、相手が話しにくそうなときや、いろいろ考えて答えるのは大変なときは、「はい」か「いいえ」で答えれば済む状況をつくります。
そうすることで、質問に対する相手のハードルを下げてあげることができるのです。

 


以上、言葉で返すテクニックをご説明しました。
次回は、「非言語の傾聴テクニック」をご紹介します。




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