HOME 河村甚の連載コラム 第34回『行動が変われば、チームが変わる!~行動変容ステージ~』

第34回『行動が変われば、チームが変わる!~行動変容ステージ~』

2020/05/14

チームビルディングジャパンは、組織づくり・人づくりの研修をおこなう会社です。
研修を通じて自らの行動やあり方を学び、職場で実践することで組織を良くしていきます。

チームビルディングジャパンの研修は自らの実体験に基づいた学びなので、研修時には参加者の気持ちがものすごく動いた状態になります。

「こうしていきたい」「明日から行動をこう変えていく」「こういう組織にしていく」など、行動を変えることに対する強い思いとやる気が研修の場では見られます。

しかし、よく耳にするのが「その場ではものすごく本気になったのに、リアルな職場に戻るといつも通りに戻ってしまう」。これは非常にもったいないことです。

せっかく本気になったのに、なぜ元に戻ってしまうのでしょうか。
それは「職場の日常」が、自分たちにとっての「当たり前」だからです。当たり前になっていることを変えるのはなかなか難しいことなのです。

今回は、当たり前になっている習慣を変えるために役立つ考え方をご紹介します。

 

行動を変えるには

習慣化された行動を変えるにはどうしたらよいのでしょうか。

行動変容については、主に健康にかかわる生活習慣の改善のために多くの研究がされています。その中から今回は、「行動変容ステージ」をご紹介しましょう。

これは禁煙習慣化などのデータをもとにした1980年代の研究ですが、組織づくり・人づくりに当てはめても参考になります。

今、自分たちは行動変容ステージのどの段階にいるのか、どのような状態なのかを知ることによって、「こうすれば習慣化されていくのだ」と見通しをもって組織づくりに取り組むことができるのです。

行動変容のステージは、以下の5段階に分かれています。

①無関心期
②関心期
③準備期
④実行期
⑤維持期

 


①無関心期

「無関心期」はまだ全く関心がなく、6ヶ月以内に行動を起こす気がない段階です。

無関心期のメンバーに対して、「こういう風に変えた方がいいよ」「変わった方がいいよ」と伝えたところで、そのメンバーにしたら意味も分からない状態であり、日常の当たり前の方が大事なので、抵抗を示す傾向があります。

無関心期の人たちは、行動の変容によって起こる良い効果が見えていません。
行動変容による良いイメージがもてないため、現状を維持したいという力のほうが強くなってしまいます。

無関心期の人たちに、無理に「変われ」と言い聞かせてもうまくいきません。それよりも、
「行動が変わることによってこんなに良いことがあるよ」「こんな素晴らしい効果があるよ」と、行動変容後の素晴らしい状態をイメージできるように伝える方が良い結果を生むでしょう。

とはいえ、無関心な人に良いチームの状態をイメージさせるのも容易ではありません。どうしたらよいでしょうか。

チームビルディング研修では、チームでアクティビティに取り組むなかで、「チームでやるとこんなに良いことがあるんだ!」「こんなにすごいんだ!」「自分の関わり方が変わると、まわりもこんなに変わるんだ!」ということを体験します。研修でのチーム体験を通じて、行動変容に対して良いイメージを持つことができるようになるのです。

 


②関心期

「関心期」は、「6ヶ月以内に行動を変えよう」と思っている段階です。無関心期から比べると随分前進ですね。とはいえ、「変えようと思っているけれど、できるかな・・・どうかな・・・」「変えた方がいいのはわかってるけど、実際は難しいよね」というように、変えたい、でも変えられない・・・と気持ちがいったりきたりしているのが、関心期の特徴です。

関心はあるけど、行動を移すまでには至っていない。6ヶ月以内には行動するかもしれないけれど、まだ遠い話。そういう段階が関心期になります。

関心期の人たちは、すでに実際に行動を変えている人たちがどうやっているのかをよく観察しています。観察することによって、自分がどうしたらいいのかをつかめるようになっていくのです。

関心期の人たちは、心の中で葛藤しています。内側にある「変わっていきたい」「変えていきたい」という気持ちを持っています。ですから、自分の内側にある思いを引き出し、行動に移す必要があります。

関心期の人に対して、まわりが「やれ!やれ!」と言ってしまうと、無理矢理やらされた感じになってしまいます。これでは非常にもったいない。
関心期の人たちが自らの主体的な選択によって行動に移したくなるように、行動変容後のイメージができるようにしてあげることが有効です。

関心期の人は「日常の行動を変えないことの良さ」が、「行動を変えないことによって起こる悪いこと」よりも強いため、まだ行動が起こせていません。

「行動を変えないとどんな悪いことがあるのかな」「逆に、行動を変えたときに良いことはどんなことかな」と、イメージできるように投げかけてみましょう。

外側から「こうしなさい」と命令して無理矢理やらせるのではなく、本人の内側から行動を促していくことが大事です。

 

③準備期

関心期から前進すると、次は「準備期」です。

関心期は、関心はあっても行動には程遠い状態でしたが、準備期は、1ヶ月以内に行動を変えようと思っており、そのための準備をしている状態になります。

「こういうことをやればいい」という具体策を考えていたり、行動をしているイメージができていて、アクションプランを持っていたりしますので、準備期に入るとまわりに対して宣言することができるようになります。

失敗が怖いというときもあります。失敗が怖いからこそ、失敗しないように準備をしているのですね。しかし、失敗を怖れるのと同時に、行動して変化が起こせるイメージも持っているのです。

準備期の人は心の準備ができています。まわりに対してプランを宣言してもらうことによって実際の行動につながりやすくしていくことが可能です。

準備期の人に対するまわりからの有効なサポートは、「自己効力感」を高める関わり掛けをしてあげることです。以下、自己効力感を高める3つの関わりかけをご紹介しましょう。

●自らの達成経験による自己効力感
過去に自分が困難な状況を乗り越えて達成してきた経験を思い起こし振り返ることによって、今直面している新しいチャレンジも自分ならきっとできると思えるようになります。

●代理経験からの自己効力感
他の人にもできたんだから、自分にもできるはずだと考えることから生まれる効力感です。他の人が取り組んだケースを知ることによって、「あの人ができたんだから自分にもできるはず」と思えるようになります。

●言語的説得による自己効力感
周りから「大丈夫だよ、できるよ」と支援してもらうことによって、できるような気持ちになっていきます。

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研修で扱えるのは「実践したい!」という強い気持ちを作るところまで。
研修は日常の実践の場ではありません。

チームビルディング研修では、アクティビティで達成経験を積むことによって、自分ならできるという自己効力感をえることができます。
また、職場に帰ってたらこういうことを実践しよう、というアクションプランをつくることもできます。

日常のなかで実践していくための準備を整えることができるのです。

研修の疑似体験のなかでは、たくさんチャレンジしたら、次は実際に仕事の場で変えていきます。いよいよ「実行期」です。

 

④実行期

「実行期」は、立てたプランを実践したり、行動を変えたり、自分がこうなったらいいな、ということに踏み込んでいったりします。

行動を変え始めてから6ヶ月未満の間が実行期とよばれる期間で、「やってみよう」とチャレンジして試行錯誤している状態です。

実行期は試行錯誤の時期なので、やってみてうまくいくこともあれば、うまくいかないということもたくさん起こります。

研修ではすごく心が動いたのに、日常の場では気持ちが萎んでしまうということが、実行期で起こります。

うまくいかず挫折しそうになることもありますが、辛くてもここでめげてしまったらもったいない!

試行錯誤のところでくじけるのは、うまくいかなかったときに、「じゃあ、次はどうする?」という考えができていないからです。試行錯誤してどんどんアクションを改善していかないとなりません。

実行期に周りがしてあげられるサポートはたくさんありますが、一番は承認して本人が自覚できるようにしてあげることです。「行動変容、すでに起こってるよね」「前進してるよね」「こういうことができてるよね」「こんなにすばらしい変化が起きてるよね」・・・ということをまわりが承認してあげるのです。

まわりがこのような関わり掛けをすることで、めげてしまいがちな実行期を乗り越えることができます。

 


⑤維持期

実行期を6ヶ月継続すると、維持期とよばれる段階になります。

維持期になると、もはや、やっている行動が当たり前になっています。たとえ、もしうまくいかないときがあっても、どのように対処したらいいかが分かっています。

ただし、維持期にたどり着いたとしても、放っておくと逆戻りする可能性もあるということを意識しておくことが大事です。

信頼できる人と話をしたり、行動変容ができている人と時間を共にしたりすることで
維持期が継続しやすいといわれています。

 

まとめ

現状を変えていくためには行動を変えていく必要があります。
その前段階で大切なことは、

1)まず実現したい理想の状態をイメージできていること
2)そして「現状を変えたい!そのために行動を変えよう!」という強い気持ちを持つこと
3)それから「どうしたら実現できるか?」の行動計画

です。

ここまでできたら後はとにかく動いてみる。
実践がうまくいかないとまた気持ちも揺らいで逆戻りしてしまいがちですが、起こっている変化の良いところに目を向けてみましょう。
きっと行動を始める前よりは良い変化が起こっているはずです。

大変な時はちょっと休むのも良いでしょう。
それでも先へ進み続けることが、本当に行動変容を起こし、実現したい状態を生み出すために大切なことです。

より良い変化のために頑張っていきましょう!




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