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第64回『D&I 違いを超えてチームを一つにするもの 』

2021年07月08日

ここまで「ダイバーシティ&インクルージョン」をテーマに、違いを活かすことによって、素晴らしい力が生み出されること、今まで無かった新たなイノベーションが生まれてくるということをお伝えしてきました。

しかし、ダイバーシティ&インクルージョンは簡単なことではありません。
違いを恐れず活かしていくために、今回は、違いを超えてチームで違いを尊重し合い、活かし合うために欠かせないものを紹介します。


「違いを超えてチームを一つにするもの」とは、目標や存在目的、そのチームが何のためにあるのかを示すものです。

どんなチームも存在している目的・理由があり、そのためにその組織があります。

メンバーは、たとえ個性がバラバラだとしても、共通の目的のためにここに集まり、その目的のために頑張ろうとしています。

また、存在目的があることによって、各々の当たり前がずれている人が集まっても、チームとして成果をあげることができます。

「こんなに違うのに、同じ目的を持っている」ことは絶大な力を生み出すのです。

存在目的をしっかり持ち、共有することはとても重要であるにもかかわらず、組織の存在目的が曖昧になっていることが多いのも事実です。

目的を再確認することで違いを受け入れやすくなります。ぜひチームの存在目的を明確にしましょう。

「違いを超えてチームを一つにするもの」は、「目的」「目標」「ミッション」「ゴール」などさまざまな呼ばれ方をしますが、どの言葉を使うにしても大きく2つに分けられます。

1)目標、ゴール

短期のプロジェクトチームで有効になるのが、何を成し遂げるかを示す「目標」「ゴール」です。
プロジェクト性のある短期のチームの場合は、目標を達成したら解散するのでイメージしやすいと思います。

チームでは、目標・ゴールをきちんと共有することが大事です。

ポイントは、表面的な行動だけでなく、なぜやるのか(サイモン・シネックのゴールデンサークルで言うところの「WHY」の部分)もしっかりと共有することです。

例えば、一つのイベントを実現するためのチームなら、
単に「イベントのために○○を準備する」と伝えるだけではなく、「なぜそのイベントをやるのか」「そこで実現したいことは何なのか」を伝え、「そのために今○○をやっているよね」というようにチーム内で理解を共有します。

「なぜこれをやっているのか」を共有しないと、ただ作業を共に行うだけの機械のパーツのようになってしまいます。

何の作業をするのか、表面的な部分だけをいくら共有したとしても、チームが一丸となってゴールに向かう状態にはなりにくいものです。

行動の結果、世の中にはどのようなことが起こるのか、世の中はどう変わっていくのかという「WHY」の部分を共有することにより、チームが一つのゴールに向かいやすくなります。

 

2)ミッション、パーパス

次は、長期スパンの組織の場合です。

一般的な企業はプロジェクトが終わったら解散するということはなく、会社として存続していきます。国や地域コミュニティも同様です。何かを達成したら解散するわけではないですよね。

一般的な企業や国、地域コミュニティのように存続する事を前提とした組織の場合は、「存在目的」「ミッション」「パーパス」がとても重要になります。
「個々の特性や考え方は違っても同じ目的(パーパス)のために働いている」という共有が大切だということです

会社のミッションを真剣に調べたのは、後にも先にも就職活動のときぐらい・・・という方も多いのではないでしょうか。
ミッションやパーパスといった「存在目的」にあたるものは、なかなか日常では共有されにくいのが実情です。

折に触れて「目的」を確認するための対話の機会を持ちましょう。それだけでも効果があります。

例えば、キックオフで、その年の方針を発表する会社は多いかと思いますが、それに加えて、会社のミッションや存在意義に立ち返って対話の機会を持てば、社員それぞれの思いを揃えていくことができます。

存在意義についての対話では、ときには喧嘩になることもあります。しかし、そのくらい別々の見方、考え方をする人たちが「喧嘩もしたけど同じ思いでやっていたんだな」と
同じ存在目的のために頑張っていたことを受け入れ合い、お互い尊重し合えるようになれば、それは会社にとっての財産です。

 

ダイバーシティがあるということは、チーム内に違いがあるということです。
そして違いは恐れてしまいがちなもの。
その違いを越えて一つになっていくのは難しいけれど、チームを一つにしていくものが「存在目的」「ミッション」「パーパス」「目標」「ゴール」といったものです。

存在目的の共有ををきちんとやっておかないとどうなるでしょう。
チームはバラバラになり、イノベーションを起こすどころか、対立や分断が起こる組織になってしまいます。これまで私たちが関わってきた組織でもたくさん目にしてきました。

目的やゴールを明確にして共有することで、対立や分断を超えていくことができます。
違いを超えて思いを共有し、一丸となってゴールを目指すチームを、みんなで作っていきましょう。

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