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第71回『コミュニケーション力の高い人ってどんな人?』

2021/10/14

「言葉のキャッチボール」というように、コミュニケーションはよくキャッチボールに例えられます。
しかし、実際には「コミュニケーションはキャッチボール型ではない」ということを前回お話ししました。

投げたボール(言葉)をそのまま相手が受け取るわけではありません。
ボールを投げて、受け取って、返して・・・と相手と自分の間を順にやり取りされるのでもありません。
実際には言葉以外の情報も含めて、同時にいろいろなものがやり取りされているのだとということをお伝えしました。

さて今回は、「コミュニケーション力の高い人とはどんな人なのか?ということをお話ししていきます。

コミュニケーション力の高い人というと、プレゼンの上手い人やトークの上手い人をイメージするのではないでしょうか。

しかし、前回のコラムでもお話ししたとおり、コミュニケーションは「伝え方」以上に「受け取り方」が非常に大事です。

つまり、コミュニケーション力の高い人とは、「話すのが上手な人」ではなく、「相手を理解するのが上手い人」のことです。相手を理解することによって、相手に合わせた伝え方ができるのです。

コミュニケーション力が求められる仕事の場面に「1on1」があります。
「コミュニケーション力が高い人」とはどのような人なのか、今回は1on1で説明しましょう。

まず、1on1が上手くできない上司の例を見てみましょう。

 

▲自分ばかりが話してしまう上司
1on1では部下の話を聞くことが大事だと思っており本人は話を聞いているつもりでいる。
しかし、実は上司が話し過ぎている。


▲質問が詰問になってしまっている上司
質問しているようで、実は問い詰めてしまっている。
問いかけることは1on1に限らず日常のコミュニケーションでも重要だが、問いかけと問い詰めは全く違う。


▲部下が話しているのに、被せて話し出してしまう上司
自分が言いたいことを伝えないと気が済まない。
せっかちで、自分が伝える方を優先してしまう。



▲言語情報だけで判断する上司
部下の発言の言葉だけを捉え、自分のフィルターで解釈してしまう。
本当は何を意味しているのか、何を伝えたいのかをキャッチできず、本当に相手が伝えようとしていることを受け取れていない。
「え? ○○って言ったよね?」と言って失敗する。



▲問題解決しようする上司
部下が悩みを話したときに、十分に悩みに寄り添うことなく「こうすればいいじゃん」と問題解決しようとしてしまう。

 

いかがでしょうか。思い当たる節はありませんか。

1on1をうまく行うためのコツは、「上司が言いたいことを言う場ではなく、部下が感じていること・考えていることを捉える場である」というスタンスで臨むことです。

「1on1が上手くできない上司」の共通点は、「上司が言いたいことを言ってしまっている」ということです。
1on1では、いかに上手く話すかよりも、いかに相手を理解できるかの方が重要です。
部下が感じていること・考えていることを上司が捉えられるようにシフトしていく必要があります。

では、1on1が上手い上司はどのようにやっているのでしょうか。



○好奇心を持って聴いている
まず聞き方の姿勢が違います。
相手に対して好奇心を持って聴いています。
「この人はどうしてこういうことを話しているのかな」「なんでそこに興味を持ったのかな」と相手に対して知りたいという気持ちで聞きます。
また、問い詰めるような質問ではなく、自分が相手を理解したいから教えてほしい・・・というスタンスで質問をします。



○相手の存在そのものを受け入れている
相手に対して判断するのではなく、まずは相手の存在そのものを受け入れます。
相手の言っていることややっていることに対する良い悪いの判断は置いておいて、まずは存在そのものを受け入れます。
受け入れられていない相手に対しては、心を開いてくれないし、話してくれません。
伝えたいことも相手に伝わらなくなります。
存在そのものを受け入れてくれているという安心感があってこそ、相手の話を初めて聞けるようになるのです。
受け入れられてないと、何を言っても壁を作られてしまいます。
まずは相手の存在そのものを受け入れることによって自分が発した言葉を相手に受け入れてもらえる状態をつくりましょう。



○相手が話しやすくなるリアクションをする
言葉を使わなくても、リアクションを示してくれると相手が話しやすい雰囲気をつくれます。
例えば、頷きや相槌は相手が話しやすくなります。
上手い上司は相手が話しやすくなるリアクションを自然にしています。



○沈黙の扱い方が上手い
相手が黙ってしまったときに、沈黙を避けるためについ自分が話してしまう人も多いようです。
沈黙が怖いのは、相手がなぜ黙っているか分からないからです。沈黙の意味が分かれば怖くありません。
聴く姿勢、相手を理解する姿勢があれば、この沈黙がどのような意味を持つのかについて、相手が言葉を発しなくてもキャッチして察することができます。
これは高等テクニックはありますが、とても大事なポイントです。

相手が黙ってしまうと不安になって、相手に問いかけて話させようとしたり、自分が話してしまいがちです。
しかし、1on1が上手い人は沈黙そのものを大切にします。
沈黙を受け入れて、自分も一緒に黙ったり、相手が安心して話せる表情や目線を向けたりします。

 

1on1などのコミュニケーションを改善するためはどのようにすればいいのか、そのポイントをご紹介しましょう。



・伝えるよりも、まずは相手を理解しよう
上司としても伝えたいことはもちろんあると思いますが、それは一旦保留し、まずは相手を理解しようとしましょう。
そのうちに、伝えたいことを伝えるよりも、相手を理解したいという気持ちが大きくなります。
もし相手が理解してもらっていると感じられるようになれば、上司側が伝えたいことを部下も受け取りやすくなります。
まずは相手を理解しようとすることが、伝えたいことを伝えるよりも有効なのです。



・好奇心を持って聴こう
マウントを取ろうとして、問い詰めたり、追い詰めたり・・・。自分を優位に持っていこうとうする上司が少なくありません。
そうではなく、相手がどのような状態なのか、何が相手の喜びになのかを理解しようとして好奇心を持って聴くのが1on1を上手く行うためのポイントです。



・判断をせず、相手の存在そのものを受け入れよう
やっていることを聞きながら、相手を否定してしまいがちです。
その人がやっていることの善し悪しの判断をすることとは切り離して、その人の存在を肯定し、受け入れましょう。



・黙ればいいという訳ではないということを知ろう
話し過ぎタイプの上司が、相手に話させるためにと自分は黙るという手を打つことがあるのですが、これは逆効果です。
普段話し過ぎの上司が黙っていると、相手は不安になります。
「この上司、何を考えているのかな」「黙ってるけど大丈夫かな」と部下を不安をさせます。
自分が黙れば相手が話してくれるというわけではなく、むしろ相手を不安にさせることもあります。問いかけをする方が有効です。

 

いかがだったでしょうか。
コミュニケーション力の高い人というのは、伝えることを頑張るよりも、まずは受け取ることを大切にしています。しっかり受け取るからこそ、より相手に伝わるようになるのです。

今回は、みなさんにとって身近な1on1における上司と部下の例をとって説明しました。
中には高等テクニックもありましたが、真似できるところから実際に取り入れてみてください。

 




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