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第72回『非言語コミュニケーション』

2021/10/28

コミュニケーションでは、言葉で話している内容だけが伝わっているわけではありません。
では、一体何が伝わっているのでしょうか。

今回は、「コミュニケーションでは何が伝わっているのか」についてお話しします。


さて、はじめに問題です。
知り合いの大工の息子に「将来何になりたいか?」と質問しました。
息子は「お父さんのような立派な豆腐屋になりたい」と答えました。
さて、どういうことでしょうか?

答えは・・・・・・
「お母さんが大工さんだった」です。

誰もが、知らないうちに思い込みを持って聞いており、
話し手が伝えたことが聞き手にそのまま伝わるわけではない、ということが分かりますね。

「大工」というと男性を連想する傾向があります。
また、息子に尋ねていることから「父親が大工である」と勝手に自分の中でバイアスが掛かっているのです。
これを「アンコンシャスバイアス」といいます。 「先入観」「ステレオタイプ」とも呼ばれ、随所に見られます。

アンコンシャスバイアスがあることで、日常の判断は早くなります。
ただし、多くの場合は通用しても全ての場合で真実ではありません。
「多くの場合は当てはまるが、全ての場合ではない」ということを知っておく必要があります。

誰しも自分の色眼鏡で物事を見ています。
その眼鏡は日常の判断を早くするために必要なものですが、必要なときにはいつでもその眼鏡を外せる柔軟さが大事なのです。


「非言語コミュニケーション」の話をしましょう。

アルバート・メラビアンが1971年に発表した「メラビアンの法則」という研究があります。聞いたことがある方も多いかもしれませんね。

メラビアンは、コミュニケーションのやり取りを、「言語」「周辺言語」「非言語」の3種類に分け、どれくらいの割合で信頼して受け取っているのかを調べました。

1)言語:言葉で話している内容
2)周辺言語:音声情報 声の抑揚、トーン
3)非言語:身振り手振り、ジェスチャー、目線視線

例えば「言葉で“ありがとう”と言いながら、表情や声のトーンは怒っている」など矛盾のあるコミュニケーションをとります。
そのときに、言語、周辺言語、非言語のうちどれを人は一番信用するのか、一番正しい情報とするのかを調べました。

その結果、言語を信用するのはたったの7%しかありませんでした。
つまり、残りの93%は言語以外の「周辺言語(38%)」「非言語(55%)」を受け取っていたということです。

言葉で伝えたものだけが伝わっているわけではない。それどころか、言葉で伝えた内容は7%しか信用されておらず、言葉以外で伝えた内容の方が信用されるということが分かったのです。

最近はテレワークが広がり、オンラインで仕事をしている人が増えています。

企業によっては「回線が・・・」と言って、カメラOFFを前提にする組織もありますが、コミュニケーションの観点からすると、絶対にカメラONの方が良いです。カメラOFFでは55%分のコミュニケーションを損していることになるのですから。

メールやチャットなど、画面OFFの状態でやり取りをするよりも、カメラONにすることで信頼できるコミュニケーション量がぐっと増えます。

非言語や周辺言語と異なる情報を伝えた場合に言語の情報は7%しか信用されていません。
では、言語以外のコミュニケーション・・・身振り手振りや、声のトーン、抑揚からは何が伝わっているのでしょうか。

周辺言語・非言語のコミュニケーションからは、「嬉しそう」「悲しそう」「イライラしてそう」「真剣だな」「落ち着いている」などの感情や心の状態が伝わっています。
人は、相手の感情や心の状態を受け取ることができるのです。これはすごいことです。

怒った顔で「嬉しい」と言っても、怒っていることが伝わるし、不安な声色で「大丈夫」と言っても、不安さが伝わる。
表情や身振り手振り、声色、声のトーン、抑揚などから相手の感情がキャッチできるということです。

どう感じているか、本心・本音を相手が伝えてくれなかったとしても、実はキャッチすることができるというのは、チームビルディングにとっては大事なポイントです。

ハイパフォーマンスなチームは、感情や心の状態をつかむ力が非常に高いと言われています(厳密にいうと、相手の目だけの写真を見たときにその人の感情が分かる確立が高い人の多いチームが高い成果をあげることが多い)。

相手の感情をキャッチする力、つまり社会的感受性の高いチームは、最初から正解が決まっているルーチンワークではなく、複雑な課題や未知の課題を解決するときに特に高いパフォーマンスを発揮します。

もし周辺言語・非言語のコミュニケーションを活かせていないとしたらかなり損しています。積極的に活かしていきましょう。

「あの人は話してくれないな」と思ったとしても、話していない人の表情、身振り手振りから相手の発信しているものを受け取りましょう。
話していない相手からもメッセージを受け取ることができます。
「あの人は話さないな」と不満に思うのではなく、話していない人からも受け取る力を磨くことが大切です。

自分が話しながらも、みんなどんな表情をして聞いているかを観察してみましょう。
自分が話しているときにもメッセージを受け取ることはできます。
自分が話しながら、同時に受け取ることができるというのが非言語コミュニケーションのポイントです。

まとめです。

●自分の眼鏡を通して物事を見ていることを意識する
自分の眼鏡は自分の意思でいつでも外すことができます。
眼鏡をかけていることを意識することによって、付けたり外したりすることができるようになりましょう。

●オンライン会議はカメラを活用する
映像無しでのコミュニケーションは55%損しています。
カメラで相手の表情をお互いに見ながらコミュニケーションをとりましょう。

●周辺言語、非言語から伝わる感情や心の状態に目を向ける
コミュニケーションというと、話の内容ばかりに意識がいきがちです。
相手の気持ちが分かる社会的感受性が高い方が、チームで高いパフォーマンスを発揮できます。
話の内容だけでなく、周辺言語・非言語情報に注目しましょう。

●話していない人からも聞こうとする
発言していなくても、身振り手振りなどを通してさまざまなメッセージを発信しています。話しながらも、「あきてそうだな」「話したそうだな」などよく観察しましょう。

●話している最中も聞くことができる
自分が話しているときは聞くことができない。だから聞くためには黙らなくてはいけない。
そう考えるのは間違いです。普段怖い鬼上司がいきなり黙ると、「何を考えてるんだろう」とむしろ部下は不安になります。
話すのをやめるのではなく、話しながら相手の表情や身振り手振りをよく観察し、相手がどう受け取っているかをキャッチしましょう。


以上、チームのコミュニケーションをより良くするポイントをお伝えしました。
意識するだけで職場でできることばかりです。ぜひ使ってみてください。

 




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