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第13回『監督のいない映画』

2008年01月24日

チームづくりレシピ

随分前に映画スタジオがやっている映画作りのコースを受講した事がありました。一通り受講すれば一応映画作りのプロセスと役割について全て学べるというコースです。そこで学んだ事でとても印象に残っていて、今でも良く引き合いに出す事があります。
映画のエンドロールを見ればわかるとおり、本当にたくさんの人たちが一本の映画を撮るために係わっています。そのチームのあり方について考えさせられる事を教わりました。

「映画を作る時に、それぞれのプロがそれぞれの役割で質の高い仕事をしています。この中で誰か一人でも欠ける事が出来ると思いますか?」と、講師が投げかけます。受講者は首を横に振ったり、ボソボソと「それは出来ない」と言ったり否定します。しかし講師はこう返します。

「もちろん誰一人として欠く事は出来ないのですが、たった一人だけ、ある役割の人がいなくとも映画を完成させる事が出来ます。誰だと思いますか?」

なんと、監督がいなくても映画は完成させられるというのです。監督がスケジュール管理をするわけでもなく、撮影には撮影のプロが、照明には照明のプロが、編集には編集のプロが居て、それぞれにそれぞれの分野で監督がそれを行うよりも高いレベルの仕事をしているのです。では監督は何をしているのでしょうか?

オーケストラの指揮者も同じです。それぞれの奏者がそれぞれの楽器を演奏し、演奏する曲だって何度も演奏していてどのタイミングでどうするかなど、分かり切っているはずです。指揮者がいなくたってオーケストラは演奏する事が出来るでしょう。では指揮者は何をしているのでしょうか?

これは組織のリーダーにもそのまま当てはまる事です。リーダーは映画監督でなくてはならず、指揮者でなくてはなりません。組織/チームのリーダーは何をしているのでしょうか?またどんな仕事をするべきなのでしょうか?

今回はあえて答えは書きません。皆さんのチームでぜひ考えてみて下さい。「映画監督の役割とは?」「指揮者の役割とは?」「ウチのチームは監督/指揮者不在でも成果を出せるのか?」

リーダーの役割について、リーダーを含めたチーム全体で話し合う事自体にチームビルディングの効果があります。もし自分のチームで行う事に抵抗があるのであれば、まずはリーダー同士の集まりで話し合ってみるのも非常に有効です。みなさんのチームでぜひ実践してみて下さい。

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