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第47回『なぜあなたの部下は本気でついて来ないのか?』

2009年05月14日

チームづくりレシピ

「うちの連中は欲がなくて困る。本気で目標を達成する気が感じられない」
「自分のノルマだけこなしたらそれで満足してしまうんだ。さらに上を目指す気概が足りない」
そういった悩みを抱えてチームビルディングの相談を受ける場合があります。リーダーの掲げる目標や方針について来られず、モチベーションが低い状態が続いているという悩みです。もしあなたの部下が同じ様な状態であるとすればそれはあなた自身の責任かもしれません。

実際にはそう単純な事ではなく、色々な事情が考えられますが、リーダー/マネージャーはまず自分の責任で何を変えてゆけるかを考えなくてはなりません。ありがちなのはリーダーが自分の考えを部下に分からせることに一生懸命になり、いろいろ試みて、それでもうまくいかない。そうして頑張っているうちに自分の考えを分からせることばかりに集中し、相手の考えを分かろうともしないリーダーになってしまう。自分の考えは正しくてそれに反する考えは間違っているとしか受け取れなってしまいます。
しかし、リーダー自身の考えを曲げて部下に迎合すればいいわけではありません。自分の考えはしっかりと持っている必要があります。理解するべきなのは「自分と部下の物事の捉え方が違う場合がある」という事です。

良く起こりがちなリーダーが示す目標に部下がついて来れないというケースは体験学習のアクティビティの中でも顕著に現れます。人によって、または状況によって目標の立て方は大きく変わって来るのです。(※第46回 『目標設定3つのアプローチ』参照)

リーダーが自分の目標設定をメンバーに理解してもらうためには、まずメンバーの目標設定を理解する必要があります。そしてそれが違うという前提に立って、まず目標の立て方、考え方が違うという事を共有します。違うという事を認めあえなかったとしても事実として理解できればそこから「ではチームとしてどのような目標設定をすればよいのか?」といった段階へ進んでゆくことができます。
余裕がなければリーダーの掲げるものを押し通すべき時もあるでしょう。そうするべき場面の方が実際には多いかもしれません。ただし、どのような進め方をするにしても「相手は自分と違うものの見方をしている」という事を理解し、違うという事で相手を否定しない事です。最低限の否定しないという事が出来たら次は認める。認められたらそこで初めて違いを活かすという事を考えられます。

冒頭の例のリーダーが掲げる目標に部下がついて来られないいう悩みがあるとしたら、次の3ステップでそれを活かして行けます。

1)違うという事で相手を否定しない。
自分の考えを他者に受け入れてもらうために、他者の意見を否定し、自分の考えの正当性を主張するという事が行われます。しかし、自分の意見を主張するために相手の意見を必ずしも否定する必要はありません。相手を否定せずに自分の考えを主張することもできます。
自分の考え、主張を相手に伝えること自体はとても大事な事です。対立しても相手を否定しない姿勢が必要です。

2)違う考えを持つ相手も認める。
相手を否定しないことで初めてフェアな視点で「自分が相手の視点なら/立場なら」ということを考えることができるようになります。相手の視点に立って、何を言おうとしているのか?なぜそう考えるのかを考え、それを受け入れ、相手を認めます。
  
3)その違いをチームの強みとして活かす。
強みも弱みも含めて相手を受け入れる事で、それが自分の理解できる範囲にあるチームのリソースとなります。自分の強み、相手の強みもすべて含めて、誰のどんな能力をどのように組み合わせたらチームとして最高の成果を発揮出来るのかという視点で見ることが必要です。

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