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第48回『チームを変える問い』

2009年05月28日

チームづくりレシピ

良い質問を受けると思考がまわりはじめ、良い投げ返しができます。それが良い対話を生み、チームで素晴らしい成果を上げることにつながります。たったひとつの問いがチームに変化を生み出すスイッチを入れるのです。人の責任にしか見えなかったものを自分の責任としてとらえて見ることができるようになったり、表面的な事柄しか見えていなかったものの本質が見えてきたりします。
このような問いはマニュアル本があってそこから問いを選んで使うようなものではなく、変に頭を使ってひねり出すものでもありません。
チームを変えて行けるような問いはどこから生まれてくるのでしょうか?

紀元前の昔から「問い」は活用されてきました。2000年以上前の問いが生み出す対話による哲学は今も語り継がれています。どれだけ時間が経とうとも対話の本質とその価値は変わりません。
それは哲学そのものとも言えます。
対話を生み出す真の問いは純粋に本質を探りたい好奇心から生まれます。相手の考えている事は何だろうか?どういう理解に基づいて行動しているのか?自分たちが目指している事の本質は何か?といった事を表面的な事柄や言語化された言葉だけではなく、その背後にあるものも読み取りながら考え、発する問いが本質に近づける問いとなります。

これと似たように見えても正反対の問いもあります。追及に追及を重ね、相手を追い込んでいくような問いです。こういった問いは自分を認めてほしい、自分の力を示したいという思いから生まれます。相手を否定し、自己を正当化するのです。良い問いが良い対話を活性化させるように、悪い問いも感情的対立を活性化させます。時には相手を否定するために自分の考えを曲げてまで主張と追及を重ねてしまいます。

前者の問いを受けた側は相手が自分を理解しようとしてくれていると感じます。そうすると相手を受け入れる気持ちになり、純粋に考え、投げ返し、対話が生まれます。問いかける側も相手を受け入れる気持ちを持って問いかけています。
後者の問いを受けた側は自分が責められていると感じます。そうすると相手を拒絶し、いかに自分を守るかを考えます。そこから投げ返されるものは二種類しかありません。「殻にこもって自分を守る言葉」か「相手を攻撃し返す言葉」です。

表面に見えるもの、聞いたことだけではなく、常に本質に目を向ける。あるがままを受け入れるあり方から純粋な問いが生まれて来るのです。

似ているようで正反対の二つの問い

● チームが変わる対話を生み出す問いは純粋に本質を探りたい好奇心から生まれる。

● 自分を正当化するため、自分を守るための問いは対立を生む。

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