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第49回『どこから見るかでチームが変わる』

2009年06月11日

チームづくりレシピ

よく「視点を変えて考える」「視野を広げてみる」などと言われます。固定的な考え方を変えてみようというこの考えをチームの中のひとりが持つだけでもチーム全体が変わるきっかけとなります。
どこから見るか?見たものをどうとらえるか?という事は多様な視点を受け入れるという事につながります。チームで仕事をする上で重要な多様性を活かすために必要不可欠なことです。
「どこからどう見るか?」には以下の3種類があります。

1)「視点」
まずは「視点」です。同じものでも見る位置を変えると全く違ったものに見えてきます。円錐は上から見ると円に、横から見ると三角形に見えます。

2)「視野」
次に「視野」です。狭い視野では物事のごく一部しか見えず、全体像を把握することができません。一本一本の木は見えても森が見えていない状態です。視点を変えればとなりに生えている木は見えるかもしれませんが、それでもやはり森は見えません。広い視野を持つと森全体を見ることができます。

3)「視座」
そして「視座」です。視座を高くするというのは物事を見る次元を変えるという事。2次元の平面で見ていたものを3次元の立体で捉え直します。

視点を変えるのが多様な見方を活かす第一歩です。上司であれば部下の立場で考えてみる。営業であれば顧客の立場で考えてみるといったことです。違った立場で考えてみると、自分の行動の原因ではなく、相手の行動の原因が見えてきます。「こんなにお買い得なのになんでお客さんは買ってくれないんだろう?」の視点から「自分がお客さんだとしたらどういう時に買うだろう?どういう人から買うだろう?」という視点に移って考えます。「自分はこれが正しいと思うけれど、違う視点から見ればこれが間違っているという人もいるだろう」というのも視点を変えてみるということです。

そして視野を広げるということ。視点を変えても狭い視野では全体像が捕らえ切れません。一度に一つの事柄しか見えないということではなく、全体を見るというのが視野を広げるということ。たとえば、会議で意見が対立したときに相手の意見を打ち負かすことに夢中になっているうちに、もともとの自分の意見を否定してまで相手を否定するという事が起こります。これは視野が狭くなってしまい、小さな事を追いかけるうちに陥ってしまいます。視野を広く持てば相手の論点、自分の論点の両方をきちんと見据えて議論することができます。

視座を変え、一段上にあがって見ると、目の前で起きていることの意味を変えてとらえることができます。たとえば、自分たちの会社が素晴らしい業績を上げれば自分たちにとってはうれしいことですが、それを社会全体の目で見た時にそれはもしかすると悪い影響を与えているかも知れません。他の人を不幸にすることで得られるものよりも、社会全体にとって価値のあるものを生み出したいというのが視座の高い見方です。また、組織の中で意見の対立が起こったとしてもその表面的なぶつかり合いよりもその対立によって組織が何を得られるのか?また何を失うのか?といったことを見ます。

視点を変えてみる、視野を広げてみる、視座を上げてみるということで固定的な見方にとらわれず、多様性を活かすことができます。

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