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第91回『迷った時は本質に立ち返る』

2011年01月20日

チームづくりレシピ

チームで仕事をする時には複数の人間が集まりながら、あたかも一人の人間かのように選択/決断を繰り返して行かなくてはなりません。当然のことながら複数の人間が集まっているので違った意見や判断もあるはずです。これは相手が違う人間であれば意見の対立のように見えますが、チームを一人の人間として見た時にそれは頭の中で「A案もいいけどB案もあり得る」と迷うことと同じです。チームが迷っている状態(又は対立している状態)からどのように脱して、次のアクションへ移ることができるのでしょうか?

まず、迷っている状態や対立するような選択肢がある状態そのものは悪いことではありません。それよりも悪いのはむしろひとつの案や選択肢しか見えていない状態で決断することです。そんな時には敢えて逆張りの視点で反対案を考えてみるべきでしょう。そうすることでより良い選択をすることができます。
もちろんスピードが求められる場面ではそんなことを考えている余裕も無いこともあると思います。そうでない時は迷ったり、反対案を投げ合ったりする方が良い結果に繋がります。

そうは言っても、延々と迷い続けたり、対立したまま拉致の開かない状態では物事は進みません。悩み、迷い、対立しても次の行動に繋がらなければ何の結果も現れないのです。ですから、そのような状態からできるだけ早く、より良い選択をして抜け出すことが重要になってきます。
そのためには本質に立ち返り、判断することです。
多くの問題は表面的な事柄に表面的に反応してしまうことから起きています。常に本質に立ち返って判断する癖をつけておくと日々起こる様々な問題を棒高跳びの様に頑張って越えて行かなくとも良くなります。始めは高いバーに見えた問題が簡単に飛び越えられるハードルの高さまで下りて来ます。

● 本質に立ち返り判断するステップ

1)【俯瞰する】
まず、迷いや対立は表面的なところにあることを認識します。表面的なものであり、本質に立ち返れば迷う必要もなく、対立するものでもなくなるという意識を持ちます。
そしてその迷いや対立を一歩引いて第三者の視点から俯瞰してみます。「もし、この迷いや悩みを友人から相談されたら自分はなんとこたえるだろうか?」という見方も有効です。

2)【掘り下げる】
「そもそも」と「なぜなぜ」を使う。「そもそも何を解決するために迷っているのか?」「何のためにこの対立は起きているんだろうか?」といった視点で本質を探ります。
気をつけなければならないのは、間違っても他の人の意見を「そもそもその考え方自体が・・・」などと言ってつぶしてしまったり、「なぜ?」の問いかけが「問い詰め」になってしまったりしてはいけません。

3)【俯瞰する】
視野は狭くなっていないか?をもう一度俯瞰してみる。本質を掘り下げようと一点にばかり集中していると回りに目が行かなくなることもあるでしょう。そんな時には「自分の視野は狭くなっていないか?大事なものが見えていないのではないか?」と自問してみましょう。

4)【決断する】
いつまでも探り続けても仕方がありません。長時間悩み続けたり、対立を続けていると時間のロスだけでなく、精神的な消耗も大きくなって来ます。悩んだり、対立したりするのも本質的にはより良い選択/決断をするためのものであるととらえ、迷ったり、対立したりすることに疲れるまえに決断をするべきです。
少なくともここまでの3ステップをふまえての決断は何も考えずに決めた決断よりも質の高いものになっているはずです。

本質に立ち返るものの見方は何度も違った状況で使っているうちに磨きがかかって来ます。最初は難しくとも、スポーツの様に繰り返すうちに上達して行くはずです。

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