第58回『今こそつながりを取り戻すとき』 ─ チームビルディングの真価
2025年06月02日
チームビルディングが、今、多くの企業で注目を集めています。その理由は、単にスキル向上やリーダーシップ研修だけでなく、「純粋にチームを良くしたい」という相談が増えているからです。これには、最近の社会状況や職場環境の変化が大きく関係しています。
コロナ禍を経て、リモートワークが定着し、チームメンバー同士の物理的な距離が広がった今、改めて“つながり”の重要性が見直されています。かつては、震災や経済危機のような社会全体が揺らぐときに、組織やチームの絆が注目されましたが、今回のコロナ禍もその一つの大きな契機となっています。

リモート環境で失われがちなもの リモートワークは効率や生産性を高める一方で、人と人のつながりを弱めるリスクもはらんでいます。仕事の合間に交わされる何気ない会話や、顔を合わせて話す中で自然に育まれる信頼感。こうした要素は、日常のやり取りの中で無意識に築かれるものです。しかし、オンラインでのコミュニケーションはどうしても効率重視になりがちで、こうした“人間らしさ”が薄れてしまうことがあります。
実際、「普段から話せている」「飲み会もやっているから関係性は良い」という声もよく聞かれます。しかし、本当にその関係は十分でしょうか?表面的な会話だけではなく、お互いの考えや気持ちを深く理解し合う場が持てているでしょうか?
アクティビティの力 ここで重要になるのが、チームビルディングのアクティビティです。ただ集まって話すだけでなく、共に何かを体験し、その中で感じたことや気づきをベースに深い対話を行うことで、より強い絆が生まれます。ファシリテーターが入り、普段は話せないようなことも引き出せる場を作ることが、真のチームの進化につながります。
今、チームビルディングが求められている背景には、単なる生産性や効率の向上だけでなく、「組織としての力を取り戻したい」というリーダーたちの強い意志があります。稟議書を通すような費用対効果の議論ではなく、「これが必要だ」とトップが判断し、即座に実施されることが増えているのも、その証拠と言えるでしょう。
一歩を踏み出すために チームビルディングは、一歩を踏み出す勇気が求められる取り組みです。日常の業務だけでなく、時にはメンバーがその人らしく働くための特別な時間を作り、お互いをより深く知る機会を設けることが大切です。その先には、より強く、より結束したチームが待っています。
今こそ、あなたのチームもその一歩を踏み出してみませんか?