第57回『つながりから価値が生まれる社会へ』 ~小さなコミュニティが描く未来のかたち~
2025年05月22日
いま、私たちが生きている社会は、あらゆるものが“お金”を介してつながっています。
顔を知らない誰かがつくった食べものを食べ、会ったことのない誰かの作ったサービスにお金を払い、誰とも話さずに一日を終えることもできる時代です。
それはとても便利な社会ですが、同時に「誰かのために」「自分のために」と心を寄せる機会を、少しずつ減らしてしまっているようにも感じます。
でも、こんな時代だからこそ、私たちは別の道も選べるのではないでしょうか。

たとえば、150人くらいの顔が見える小さなコミュニティ。
お互いのことをよく知っていて、誰かが困っていたら「損得」ではなく「気づいたから助ける」。
そんな社会のあり方を、もう一度見直してもいいのかもしれません。
小さな集まりだからこそできることも、たくさんあります。
たとえば、食べ物を分け合いながら育てること。
農業も、多品種を少しずつ育てて、必要な分だけを手に入れる暮らし。
鶏や野菜のように、環境への負荷が少ない方法で命をいただくことも、未来へのやさしさです。
医療や介護、子育ても同じです。
保育園に入れないから働けない――そんな問題も、地域の誰かが自然と手を差し伸べることで解決できるかもしれません。
子どもたちは、父と母だけで育てるのではなく、みんなで育てる存在になれば、きっともっと豊かな体験ができるはずです。
政治のあり方も変わるかもしれません。
これまでは「選ばれた人」が「遠くの場所」で決めていたことも、ネットやテクノロジーを通じて、もっと近くに感じられるようになる。
直接参加し、自分たちで話し合い、決めていく民主主義の形が、少しずつ現実味を帯びてきています。
これからの日本は、人口が減少し、社会の形も大きく変わっていきます。
だからこそ、「人の顔が見える」サイズの社会が、ますます大切になっていくのではないでしょうか。
私たちチームビルディングジャパンは、そんな未来のために何ができるのかを考えています。
私たちが提供しているのは、ただ集まって話す場ではありません。
“つながり”のなかから、新しい価値を生み出す場です。
かつては「資本」から価値を生み出すことが、社会の基本でした。
でもこれからは、“つながり”が価値を生む時代になります。
じゃあ、その「つながり」ってなんだろう?
どうやって本当のつながりを育てていけばいいのだろう?
そんな問いと向き合いながら、私たちはこれからも「人が人らしくいられるチーム」「共に支え合える社会」の実現に向けて、一歩ずつ歩んでいきます。