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第25回『行動量、コミュニケーション量を増やす』

2020年01月09日

チームビルディング・バイブル

 

組織づくりと人づくりに必要な9つの要素


【 組織を一つにするもの 】
 ●自分たちらしさ
 ●目標、ビジョン、ゴール

【 ベースとなる組織文化 】
 ●心理的安全
 ●多様性と受け入れ合い
 ●主体性

【 組織として学び、進化し続けるための行動 】
 ●失敗や異色な発想を受け入れる
 ●混ざり合いを起こす
 ●行動量やコミュニケーション量を増やす
 ●リフレクションを行う


――今回は、「組織として学び、進化し続けるための行動」の3つ目、
「行動量とコミュニケーション量が多いことが大切である」というお話です。

 

河村 甚(以下じん)ピラミッド型組織は、効率を重視します。つまり、なるべく少ない量で、質を高めることを目指します。

ピラミッド型組織では、必要以上のコミュニケーションもある意味“無駄なもの”。できるだけ少ないコミュニケーション量で、最大の結果を求めます。

また、失敗しないための組織づくりをしているので、行動する前に失敗しないプランを立てることに時間をかけます。そのため、小さくたくさん実践/行動してみることが起こりにくくなっています。

「できるだけ量を少なく、時間を少なく、人を少なくするためにはどうしたらいいか」という思考が当たり前のピラミッド型組織では、(これからお伝えする)行動量やコミュニケーション量が多いことを重視する考え方は、理解し難いかもしれません。

 

――なぜ行動量が多いことが重要なのでしょうか?

 

じんフラット型組織は有機的組織とも呼ばれ、生き物のようにつながり合い進化する構造を持っています。
生き物の進化でも多様な個体が存在し、たくさん世代交代することで進化が起こりますね。進化によってこれまで存在しなかった新しい生き物の形が生まれます。

組織の中での選択も同様です。新しい環境の中で、誰も完璧な正解を持っていないときには、とにかくたくさん行動して、コミュニケーションをとってアイデアを掛け合わせ、進化させ、新しい方法を見つけることでしか、最適な答えに近づくことができないのです。

誰かが正解を持っているなら、その正解をポンと出せばいい。しかしそうではない場合には、たくさんやってみたり、たくさんコミュニケーションをとってみたりすることでしか、先に進めないのです。

わかりやすい例として、ブレインストーミングがあります。
そのルールの1つに、「とにかく質より量。雑でもいいからたくさんアイデアを出そう」という考え方があります。

このことは、「失敗、異色な発想の許容」とも関連しています。どんどん失敗した方がいいといっても、一回失敗して「はい、おしまい」ではダメです。失敗を重ねたら、その経験を活かして次に反映させていくことがとても重要です。

別の言い方をすると、小さな失敗をたくさんすることが大事だということです。
大きな失敗では大けがをしますが、傷か小さく済む小さな失敗をたくさんし、そこから学んで、次はより正解に近い行動へと変えていく。
ダメージが少ないレベルの小さなチャレンジをとにかくたくさんやってみることで、初めて見えてくることがあります。

決められた予算やリソースの範囲で、
一発ポーンと大きなことをやるのではなく、小さなことをたくさんやることが重要です。


コミュニケーション量を増やすときも、小さくたくさん関わるということが大事です。

日常の中での接点を増やしていくことも、コミュニケーション量を増やすことにつながります。

職種にもよりますが、オンラインでつながり、どこでも働くことができるようになりました。
フラット型組織では、自由な働き方を尊重しています。

リアルに顔を合わせないで仕事ができる環境は、便利である一方、日常のちょっとしたコミュニケーションが起こらなくなります。

一緒にオフィスに居れば、自然と情報が漏れ聞こえてきたり、空気感を共有できたりするものですが、オンラインでは、それが起こりにくいのです。

だからこそ意識的にコミュニケーション量を増やしていく必要があります。

 

――具体的には、どのようにコミュニケーション量を増やすとよいのでしょうか。

 

じん:例えば、雑談をする機会を意識的につくったり、
オンラインでミーティングするときは、意識的に相手の名前を呼んだり、
音声通話だけでなくカメラもつけて表情も見えるようにしたり、得られる情報量が多い状態にしていくことがとても大事になります。

日常的なあいさつのやり取りだけでも随分変わってきますし、会議の場を変えていくこと効果が期待できます。
ずっと受け身で、ただ聞いているだけの会議は無意味です。
話し合いのやり方を変えるだけで同じ時間のコミュニケーションのやり取りの量を増やしていくことができますし、逆にコミュニケーションのやり取りが必要がない情報の伝達だけの会議は減らしていくこともできます。


――これからの時代は、行動量・コミュニケーション量を意識して増やしていく必要があるのですね。

 

じん:そうです。行動量、コミュニケーション量が増えることによって、最初は誰の頭にもなかった最適解がやっと見つかるのです。
このことは、組織として学び、進化し続けるためにとても重要なポイントです。

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