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第80回『話し合いの4つのステージ』

2022/02/17

話し合いには「流れ」があります。
話し合いの流れを知り、意識することで話し合いが変わります。

話し合いには「共有」「拡散」「混沌」「収束」の4つのステージがあり、順番に流れていくことが重要です。

それぞれどのようなことが起こるのか、順に説明していきましょう。


1)共有
「共有」のステージでは、前提の確認や素材出しをします。

目的・ゴールの確認
話し合いには必ず目的があります。まずは「目的」や「何のために話すのか」について確認しましょう。
誰も正解が分からないものについて複数のメンバーで話し合うときには特に、目的を確認・共有することが大事です。

また、話し合いのゴールを共有することも重要です。
「ゴール」とは、例えば「この1時間の話し合いが終了したときには○○な状態になっている」「4人全員の共通の見解がまとまっている」「提案できる状態になっている」など、「この話し合いでどこまでたどり着けばいいのか」を表すものです。

目的やゴールは全員分かっているようで、実は人によって理解が異なっていることが多々あります。
話し合いを始める前に、目的(何のために話すのか)やゴール(終了時にどのような状態になっていればよいのか)を確認しましょう。
そして、話し合いの途中にも「目的はなんだっけ」「ゴールはどこまで行けばいいんだっけ」と確認しながら進めるとよいでしょう。

ルール
グランドルールや制限時間、時間の制約など、話し合いの場を構成する前提の部分を最初に確認しておくことが大事です。

役割
「誰が進行を行うか」「誰が最終的に決断するか」などの役割が決まっている場合もあります。確認しておきましょう。

素材出し
目的・ゴール、ルール、役割・・・これらをきちんとすり合わせたら、次は「素材出し」をします。
素材出しとは、いろいろなアイデアや考え、知識、お互いが持っている情報を出し合ったり、思い付いたアイデアをどんどん出し合ったりすることです。

多様なメンバーが集まれば当然お互いの立場が異なり、見解も当然異なります。
最初にまず手札を見せ合って、様々な視点を確認しておきましょう。

2)拡散
「拡散」のステージでは、素材出しで出てきた種を拡げていきます。

多様なメンバーがいたとしても、個別の意見が羅列しているだけではダメです。
それらの意見を発展させるため、拡散の時点で話し合いの流れをつくっていく必要があります。

話し合いで大切なのは、単に自分の意見を伝えるだけでなく、他の人の意見を受け取ることです。

意見をたくさん出すだけで他の人の意見を受け取れなければ、話し合いは前へ進みません。
相手が伝えようとしていることの背景まで理解しようと努めましょう。
背景を理解するためには、質問しながら深めることが必要です。


<質問例>
・「○○さんはどう思う?」
・「その話を聞いて思い付いたんだけど/思い出したんだけど」
・「例えて言うとどんな感じになる?」「分かりやすい具体例を挙げてください」
・「もう少し詳しく聞いていい?」
・「そう思った背景は?」


また、質問するだけでなく、頷きや相槌を挟むことによって、話し合いの流れが促進されます。

拡散のステージでは、意見を出し合うだけでなく、それらの意見を交ぜ合わせ、進化させていくことが重要です。
多様な視点から意見を出し合い、頷きや相槌で話し合いの流れを促進させ、質問し合うことによって相手と自分の理解を深めましょう。そして、互いの発言に便乗し合い、意見を掛け合わせ発展させましょう。


3)混沌
拡散していると話し合いが行き詰まるときがきます。これが「混沌」のステージです。
話が拡がりすぎて何が何だか分からなくなったり、頭が混乱したり、そもそも何の話し合いだったか分からなくなったりします。

混沌でぐちゃぐちゃした状態は気持ちが悪いと感じます。意見は出るけれど何も決まらないので焦りも生まれます。

しかし、話し合いのプロセスで混沌が起こることは非常に重要です。
充分に拡散が進んでいないと混沌は起こりません。混沌が生まれるのは、うまく話し合いが進んでいる証拠です。
混沌の流れが生まれてきたら、この話し合いのプロセスは前に進んでいると捉えましょう。

混沌の中でこそ良い交ざり合いが起こります。
混沌ではいろいろな居心地の悪さが起こりますが、それは充分に拡散してきた証拠です。
居心地の悪さは必要なモノとして受け入れ、混沌の中を抜けていきましょう。


4)収束
いよいよ最後の「収束」のステージです。

混沌のステージにいるときは、収束して一つの答えにたどり着くなんて思えないぐらい先が見えない状態です。
混沌から抜け出して収束に向かうにはどうすればよいのでしょうか。

混沌から抜け出すためにはいくつかのポイントがあります。
混沌を充分にさまよった後にこれらの収束の視点を持つと効果的です。

・俯瞰して見る
ぐちゃぐちゃしている状態や今まで出た話、話し合いに臨むあり方等を高い視座で俯瞰して見てみます。

・論点やポイントを整理する
充分に拡散すると、ぐちゃぐちゃしているようで実は論点やポイントは多くなく、整理してみるとたったこれだけ、ということもあります。

・図や箇条書きにしてみる
話しているときには複雑に感じられたことが図解するとすごく分かりやすく見えます。箇条書きにすると複雑なことも整理されて見えます。全体像が捉えやすくなって、収束につながりやすくなります。

・気になることを聞いてみる
ここまでの話し合い全体を振り返って、気になっていることや「大事なのはここじゃないかな?」と思っていることを聞いてみます。

・思い付いたことを言ってみる
整理したり、俯瞰したりすると見えてくるものがあります。そこで思い付いたことを言ってみることが収束の糸口になります。

・同じものを見て話す
オンラインミーティングであればドキュメントツールやホワイトボードツール、対面であればホワイドボードや模造紙等に書き留めながら、同じものを見て共有しながら話します。

収束の糸口が見えるとワクワクしてきます。
書いて整理してみるのがキーになってきます。収束の仕方に困っている人はぜひやってみてください。


多様性が大事なのは理解していても、多様な人が集まれば集まるほど、全員が全く同じ気持ちで一つの案に賛成するということが難しくなります。

一つの結論を出す必要がある話し合いにおいて、メンバー全員が「このチームで合意した結論である」と感じられるようにするためのポイントを最後にお伝えしましょう。

・全員が思ったことを話すようにする
自分の意見が伝わっていない(または、伝えていない)と感じている状態では、チームの出した結論に自分の意見が汲み取られていないと感じて、結論を受け入れ難くなってしまいます。全員が思ったことを伝え合えたと感じられるようにする必要があります。

・話が伝わったという実感をもてるようにする
「相手が頷いてくれた」「自分の話を受け取って要約してくれた」などの言動を通じて、自分の話を相手が聞いてくれていると感じ、言いたいことが伝わったという実感をもてるようにします。

・お互いの見方や意見を受け止め合い、尊重したうえで結論を出すようにする
きちんと合意するためには、お互いの見方や意見を受け止め合い尊重することが欠かせません。
役職や立場の違いによって、上の人の意見は尊重されるけれど下の人は尊重されないなど、お互いの意見を尊重し合えないケースもあります。
尊重されていないと感じると、表面上は賛成したとしても、心の中での合意には至っておらず、これでは行動につながるモチベーションが非常に低くなってしまいます。
きちんと意見を聞いて尊重することによって真の合意が生まれます。

以上、話し合いの流れについてお伝えしました。

良い話し合いはこ「共有」→「拡散」→「混沌」→「収束」の4つのステージを通ります。
この流れを意識して話し合ってみてください。日常の話し合いがきっと変わります。

 




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