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第74回『自立とチーム』

2010年05月25日

チームづくりレシピ

個人が「自立している」という事とチームで一緒に何かを成し遂げるということとは相反するかのように語られる事があります。「うちはチームワークはいいけれど、もうちょっと自立してほしい」「自立して自分の判断でやってほしいのか、チームで話し合って決めてほしいのか、どっちなのか分からない。」
しかし、実際は相反しているどころか、自立した個人の集まりである事がチームの力になっています。自分の意志で物事を主体的に捉え、自分の責任で行動する必要があります。何でも人のせいにしたり、無責任な甘えはチームに不要です。

私たちが組織作りのお手伝いをさせていただく時に、最初の重要なステップは「現状認識の共有」です。多くの場合、組織の中での認識共有は想像以上にうまく行っていません。もちろん組織によっては敢えて認識を共有しないようにすることもあるでしょう。対立を避けるためやスピードのために認識共有を避けて進んでゆくことは当たり前のように行われています。(後になって問題が起こるような政党のマニュフェストも敢えて認識共有を避けてきたかもしれません。)
そして現状認識に続いて行われる「あるべき姿とのギャップの確認」がメンバーの主体性や自立と深く関わってきます。組織が進んでゆく方向、ゴールやビジョンなど、組織のあるべき姿と現状とのギャップを確認してゆく作業には次のような効果があります。

・人ごとだった「あるべき姿」が自分のものになり、主体的になる。
・「現状」から「あるべき姿」へ進む方法が見つかるキッカケとなる。
・特に強い思いを持ったメンバーを集めて変革推進チームを作る事が出来る。

つまり、現状認識の共有とあるべき姿とのギャップの確認から組織を自らの力で主体的に変えてゆく意識の高いメンバーが生まれてゆくのです。

「言われたからやる」ではなく、「自分の意志で行動する」へ
「上司/部下のせい」ではなく、「自分の責任」へ
「どうすればいいですか?」ではなく、「こうしたらもっと良くなる」へ
「わからない」ではなく、「自分の考え」へ
「指示待ち」ではなく「自立した行動」へ

自立し、自ら主体的に責任を背負ってゆく人の集まりだからチームが前進する力が生まれます。みんなで言われた通りにやっていれば良いというのではその人が介在する価値はありません。そんな作業は誰でも取って代わる事が出来るし、機械や仕組みに譲ってしまえば良いでしょう。
人は「考える」という事で価値を生み出す事が出来ます。その人が自分の頭で考え、主体性を持って行動する事でその人間がその仕事に介在する価値が生まれるのです。

チームを率いる人は自分の言う通りに動く従僕を育てるのではなく、思いやあるべき姿を共有した上で、自らの考えで主体的に行動できる仲間を育てることから強いチームを作ってゆけるのです。

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