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第90回『一年の節目のリフレクション』

2011年01月06日

チームづくりレシピ

昨年はあなたにとってどんな一年でしたか?そして今年はどんな一年になりますか?一年の節目はそれをどう捉えるか次第でとても大きな意味をもったり、または何の代わり映えもしない平凡なときにもなり得ます。一年の節目を有効に活かそうと捉えている人は多く居ますが、もちろんそうではない捉え方をしてもそれがその人にとって必要であればどちらが良いも悪いもありません。自分にとって必要な選択をすれば良いだけです。
今回は一年の節目を有効なリフレクション(振り返りと次への反映)の機会とし、サイクルを回して行くヒントをご紹介します。

一番分かりやすいのが「新年の抱負」や「今年の目標」のようなものを作って、それを振り返って「今年はどれだけ上手く行った」と見てみる事でしょう。チェックリスト化して「今年はこれとこれを達成するぞ!」とするのも分かりやすく多くの人が実践しています。しかし、同時に年末になると「今年の抱負/目標は何だったけ?」と忘れてしまう人も同じくらいたくさん居ます。
抱負や目標を立てていなくとも、又は忘れてしまっていても有効で、かつ重要なのが一年のリフレクションです。1年の目標のチェックリストがたくさん達成されて終われば確かに気持ちいいのですが、それだけではとても空虚な成果になってしまいます。また「今年の抱負は何だったかな?」と忘れてしまっていたとしても、それだけで悪い一年だった訳ではありません。リフレクションによって自分の一年間を捉え直し、過ぎてしまった一年間から価値を生み出す事ができるのです。過ぎた時間は戻りません。しかし過去からどれだけの価値を生み出すかは後からいくらでも変えられます。

● 過ぎてしまった一年から価値を生み出す手順

1)【何が起こったのか?自分はどう感じたのか?】
目標を立てて達成できた、できなかったというのも起こった事実です。さらにそれによってどう感じたのかも重要です。達成できて嬉しかった、立てたはずの抱負さえ忘れてしまって情けなく感じたといったことをここで再確認します。
目標も何もなかったとしても、自分にとって印象深い出来事は何だったか?手帳などを見ながら振り返ることができます。
大事なのは起こった「事実」とそこで感じた「感情」をもう一度思い出すことです。

2)【そこにどんな意味があるのか?】
1番目のステップではあくまで起こった事実とそれに伴う感情だけを扱います。そしてこの2番目のステップでそこに意味付けをします。意味付けは自分の捉え方次第で色々な意味付けが可能です。事実は事実でそれ自体に良いも悪いもありません。感情は過去の自分がその事実をどう捉えたかの結果でしかありません。今のあなたが過去の事実や感情をどう捉えるかは完全に今のあなた次第で如何様にもなります。
過去の失敗や悲しい出来事を思い出して感傷的に捉えたいこともあると思います。それはそれでかまいません。心の傷を見て見ぬ振りする必要は無く、悲劇のヒーローになりたいときはそう捉える必要がある時もあります。しかし、いつまでも落ち込んで居る事に飽きて来たり、行き詰まって来たら捉え方を変えるタイミングです。
今回は敢えて年の節目に前向きで明るいスタートを切るために、「どのようにして自分が得できるか?」という貪欲な視点で意味付けしてみたいと思います。
例えば、この一年の間の自分の失敗があったからからこそ起こった、あるいは起こりうる良い事は何でしょうか?失敗したおかげで自分の考え方や行動を改善して行く機会を得たかもしれません。または失敗したからこそ得られた新たな出会いがあるかもしれません。お客様にひどく怒られたからこそそのお客様との関係が強固になった事があるかもしれません。
意味付けをしながら一年で自分がどれだけ成長したかを確認したり、新たな成長のキッカケを見つけたりする事ができます。失敗は違う見方をすればまだ成功していないという事実でしかないかもしれません。「取り返しのつかない失敗」もそこから学び、成長し、さらに大きな壁を越えて行くための試練かもしれません。
事実をどう捉えるかはあなた次第です。

3)【次にどうするか?】
リフレクションは「反射」という意味があります。それは鏡に映る自分を見るような作業です。1番目のステップでは鏡に映る自分の姿を見出しました。2番目のステップではその姿を見てその意味を解釈しました。(表情を見て疲れていると解釈したり、髪型がキマっていると解釈したりという事と一緒です)そして3番目のステップは「鏡に映った自分を見てどうするか?」です。
去年のあなたはどう映っていますか?それを見て今、あなたはどうしますか?何を決断しますか?
新たな年の成長目標を立てようというのもひとつでしょう。これまで一度も新年の抱負が活かせたためしがないから今年はやめようという事もあるかもしれません。キチンと自分の姿が見えていれば次にどうするかは悩まずとも分かります。鏡が曇っていて自分の姿がぼんやりしか見えないと、どうすれば良いかは当然分かりにくくなります。
ここまでできると、一年後の自分の姿が映る様になります。一年後の自分のあるべき姿が見えたら、それが一年後のあなたのビジョンです。

まずはしっかりと鏡に映る自分の姿を見るところから始まります。そしてひとつひとつ順を追って行く事で一年後の自分の姿まで見えて来ます。
一年後のあなたはどんな表情で年末を迎えていますか?

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