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第36回『TBJ10周年記念対談(1)チームビルディングを実践する』

2016年08月11日

チームビルディングの話をしよう
※2015年4月から始まった連載コラム「チームビルディングの話をしよう」では、代表河村がチームビルディングを切り口にさまざまなテーマでいろいろな人と話し合った内容をお届けいたします。
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河村 甚(以下じん)
創立10周年の創立記念日を迎えるにあたって、今回はスペシャルゲストではなくて特別企画として、チームビルディングジャパンの一番の古株メンバーである瀬田すみ恵と……

瀬田すみ恵(以下すみえ)
創立者である河村甚の……

じん
対談ということですかね。よろしくお願いします!

まず出逢いのきっかけというか馴れ初めみたいなところですけど、一番初めは、ファシリテーショングラフィックセミナーで出逢ったんだよね。

すみえ
2007年4月ですね。

じん
堀さんと加藤さんのセミナーだね。もともと行く予定はなかったんだけど、たまたま声を掛けてもらって、「行ってみようかな」と思って行くことにしたんだ。何人くらいいたかな?

すみえ
30?35人くらいかな。

じん
すみえさんとはテーブルが一緒になったり一緒にワークをしたりというのは全然なかったんだけど、あのセミナーの参加者の中で一番目立ってたのが瀬田すみ恵で、「これは声を掛けねば」と思ってグイグイと声を掛けにいって。

すみえ
目立ってたどうかは自分ではわからないけど(笑)
日経ビジネススクールのセミナーだったこともあって、参加者はほとんどみんなビジネスパーソン。会社の経費で受講していたと思う。だけど、私はその頃専業主婦だったから、当然自腹。「投資するからには元を取るぞ!」という意気込みが周りとは違ってたかもね。
『ファシリテーション入門』『ファシリテーショングラフィック』は、すり切れるほど熟読した本。
その著者である加藤さんや堀さんから直接薫陶を受けられるまたとない機会だった。
本に載っている情報を知るだけなら、投資する価値はない。そこでしか受け取れないものを得ようと思って参加してました。

セミナーにはグループワークも多く組み込まれていて、ワークの後に全体共有があった。そのときの発表する姿が、じんさんの目に留まったんだね。静かに受け身で受講してただけだったら、今につながる出会いにはならなかったと思うと、積極的に参加していてよかったわー。

じん
発表とかすごくしっかりしてた。パッと見の印象は、フリーの講師とかかと思った。バスバスっとした感じとか、物怖じせず人前でしっかり自信をもって語るとか。ちゃんとしてる、隙がない感じ。

すみえ
じんさんと出逢ったのが10年前だよ。いま考えると若いね、わたしたち。
セミナーが終わったときに甚さんが声を掛けてくれた。
興味があるから話をしたい、と言って、翌日にはわたし住んでいる最寄駅まで押しかけてきた。
駅のスタバでたっぷり話しましたね。今考えると、じんさん、熱かったなー。

じん
一番最初、仲間が欲しい意欲がすごく強かったと思う。やっぱりチームビルディング会社なんだからチームで仕事しなきゃっていうのがあったんだよね、最初っから。

すみえ
わたしはみんなで一緒にやるのが好きだから、やりたいことを思いつくとすぐに「誰とやるか」を考えるタイプだけど、
じんさんはなんでも基本は自分でやりたいし、実際に一人でもできる人だよね。
でも、チームビルディング会社なんだから、「自分たちもチームビルディングジャパンみたいなチームにしたい」と思われるような会社にするためには、チームメンバーがいないと…って言ってました。

じん
昔から言ってるねー。

すみえ
実践が大事だと思ってるんだよね。

じん
「うち、チームじゃないんですよ」というわけにはいかないというか。

すみえ
「実践していないとだめだ」というのはじんさんらしいところだと思う。
例えば大学でチームビルディング研究をしている人を考えてみても、チームビルディングの専門家だからといって、自身がチームで実践し成果を残している人ばかりではないよね。研修講師でも自分自身は個人プレイヤータイプという人も少なくないんじゃないかな。

じん
学校の先生とか研修講師の仕事が教えるところまでだとしたらそれでも成り立つけどさ、チームビルディングジャパンはほんとに「チームビルディングをします」って言ってるわけじゃん。チームビルディング会社だから。それで「で、おたくの会社は?」って言われたときに、チームビルディングを実践していないのはあり得ないと思うんだ。

すみえ
なるほど、たしかに。「教えます」と「します」はちょっと違うね。

じん
理解してれば教えられるかもしれない。でも実際にその組織がチームになっていくのをサポートするのに、「自分ができてなくて、他の人たちのサポートをできるってどうして言えるのか?」みたいなね。 研究したり勉強したりはできるかもしれないけどさ、実際にチームを良くできるかってのとはまた別の話。

すみえ
理論や手法を学習することは、意味があると思う。自分の組織を客観的に観ることができるようになるし、打ち手の引き出しが多いほど、適した選択ができる可能性が高くなるから。
でも、組織は生物だから、「こうすればうまくいきます!」なんて特効薬はない。
チームビルディングを学ぶことは有効だと思うけれど、理論や手法を振りかざしてもダメだと思う。
やはり、そこに「思い」がないとね。

チームビルディングって、本当に地道で、終わりのない泥臭い取り組みでしょ。楽しい時ばかりではなくて、時には心が折れそうになったり、現状維持でいいや、とあきらめたくなったりすることもあるかもしれない。

その時、チームビルディングジャパンが、チームリーダーの精神的な拠り所になるような居場所であれたら、すごく嬉しいなぁ。

あとね、私はミッションを「存在意義」のようなものだと捉えているの。
だからミッションは「掲げる」ものではなくて、すでに自分たちが「体現している」感じなんだ。
自分たちが体現していること……それが渦のように周りにも伝わっていく。これを私は「渦uzuモデル」と名付けて呼んでるんだけど(笑)
わたしたちが体現していることに触れたとき、「あ、この感じいいな」って思える人が渦に巻き込まれて、ふわーっと寄ってくる。そういう広がり方がわたしは好きだし、実践者でありたい自分のスタイルに合ってる。

そういう意味で、チームビルディングジャパンがチームビルディングを実践し続けているということは、とても大事だと私は思う。

じん
チームビルディングってどういうものなのかがわかりづらいというのもあるし、チームビルディングジャパンがどういうチームビルディングを実践しようとしているのかというのも伝えるのは難しい。定食屋の食品サンプルのように見られていて、「あ! これ美味しそうじゃん。うちもこうしたい」と選んでもらえるように。我々が「こうしたい」「これが素晴らしい」と思うものを実践していて、その姿を見てもらって「いいな!」と思ってもらえるのが、本当に「実践している」という状態だと思う。

言ってしまえばチームビルディング会社なんだからチームビルディング当然しようよって話なんだけど、すんごく大きくて大事なところで、そのものが我われの存在意義であり、商品であり、サンプルである。

すみえ
そのためには、うちの会社で起こっていることを振り返って、真摯な姿勢で見つめ直すとか、
振り返った内容をメンバー同士が真に心を開いた状態でお互いにシェアをするとか、
そういうことがもっともっと必要だと思う。
こういう振り返りができると、組織内に何か問題が起こったとしても、良いとか悪いとか、誰々の責任だとかではなく、事実をニュートラルに受け止められるようになる。

じん
それをちゃんと扱っていけるというか、それをできなくなってしまうことが、チームでない状態になっているということだと思うので、ちゃんと扱うべきことは扱うということをしていかないと。本質的なところにちゃんと触れていくだとか、より深いところを開いていくことで、より強いコミュニティだったりチームになっていくんだと思う。そういうところが実践だと思う。

すみえ
そうですね。チームは生物ですから、いろんなことが起きます。
問題が無い、起こらない組織を目指すのではなく……

じん
そうだね! 起こらなくしようではないと思う。

すみえ
何かが起こったときに、私は「必要なときに必要なことが起こっている」と捉えるのね。
だから、そこで自分が感じたことを無視しないようにしてる。そして、大切なパートナーには、「わたしはこう感じている」と伝えるようにしてる。

感じたことを心を開いて伝え合うためには、まず自分自身が真摯に内省する。だから自己理解が深まる。相手はどのようにに感じたのかを心を開いて聴く。「こういう時に、こう感じるんだな」と相手への理解も深まる。自己理解と他者理解は両輪。繰り返しの中で相互理解が深まるし、信頼が深まると感じています。相手に対し、リスペクトを持って接する。仲間として一緒にやっていく上で、とても重要だと思っています。

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