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第81回『会議でチームビルディング(8)会議が変われば社会も変わる』

2018/05/03

  
チームビルディングの話をしよう
2015年4月から始まった連載コラム「チームビルディングの話をしよう」では、代表河村がチームビルディングを切り口にさまざまなテーマでいろいろな人と話し合った様子をお届けしています。

今回の『会議でチームビルディング』は、株式会社 Dialogic Consulting 代表取締役社長
吉田 創(そう)さんをお招きしての対談です。
http://www.dialogic.jp/
 
そうさんは現在、対話型組織開発コンサルタント・ファシリテーター・講師としてご活躍中であり、
会議で行うチームビルディングプログラムをチームビルディングジャパンと共同開発しています。
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目次

 

吉田 創さん(写真、以下そう)
我々が大事にしているアプローチって、お客様の真のニーズにお応えしてしようとするから、簡単に儲からないよね。

お客様のファーストニーズ、表層的なニーズに応え方がすぐに購入いただけるじゃないですか。

河村 甚(以下じん)
そうだね。

そう
関係をちゃんと作って、
「それってどういうことですか」とか
「本当はどのようなことにお困りですか」ということをして、真のニーズや真の課題を探るよりも
今そこの表層的なニーズに応えちゃった方がよっぽど早い。

反省を込めて前職のITコンサルタントの時をお話しすると、
お客様の言うことにそのまま応えるということをしてたんです。

まず一番大事なのは客の予算観を聞き出す。
予算感を聞いた上で、松竹梅で提案を考える。

竹は予算感にぴったりのもの。
梅は選ばれない前提で、ミニマムなもの。
松は「たられば」でいろんな機能が入っている「こんなことが実現すればいいな、こんな機能があったらいいな」みたいなもの。

できれば、松を購入してほしい・・・それが以前の営業スタイルだったんです。
それが普通だと思っていました。

でもお客様の表層的なニーズに応えているだけなので、
納品したシステムが使われない、「仏作って魂入れず」みたいなことが起こるんです。

分かりやすい例でいうと、
社長から「うちの業務日報のシステムを変えたい」という依頼がありました。
でも、メンバーは今までの業務日報でいいし、正直言うと書きたくない。新しいシステムを導入する意義もわかってない。
でも、新しいシステムが入るとみなさん書くんですよ、仕事だから。
ところが、書きたくないから考えないし文字で埋めるだけになります。大した情報が書かれないのですね。社長が問題だと思っていることが解決するどころか、たいし情報が入ってこないのです。

社長は、今の日報のシステムでは欲しい情報が入ってこないから、システムを変えたいと言う。
でも、システム変えても、実際は変わらないのです。
結局、そのシステムはまともに使われなかった。

もし、今の自分が関わることができるのなら、
「社長、社員がどう思っているかにちょっと声かけてみたらどうです?」
ということが言えたのかな、と思います。

この業界に入ってからも、ITコンサルタントとして仕事をいただいたことがあります。

深掘る質問をし、真因を探る技術も身につけたので、「そのシステム、本当に必要ですか?」という質問もしてみました。
目先の儲けを考えたら絶対にしてはいけない質問ですよね(笑)
そうやって真のニーズを聞いていくと、実はシステムが必要なかったというケースもありました。

だけどね、
お客様からは「今日お話できてよかったです、ありがとうございました」って言われ感謝いただいても、こちらは無料でコンサルティングすることになるんです。

僕らが大事にしているアプローチは、時間と手間が掛かって簡単に儲からない。
お客様の表層的なニーズにすぐに応える方が楽に儲かる。

 

「仕事」と「会議」

じん
話が変わりますが、以前の対談の中で、
「仕事と会議を分けて考えている人が多い」という話がありました。

会議って特別なものだとも思うし、
会議が特別なモノになり過ぎているとも思う。

「特別だ」と思うのは、
会議をきちんとやるとものすごく成果が出るから。

「特別になり過ぎている」というのは、
会議ってかしこまり過ぎると、日常ではなくなってしまう。
でも、会議も「ちょっといい?」と相談するのも、基本的には一緒。境目がないものだと思う。

どういうことかというと、つまり、
組織の中で、複数の人が頭の中で考えていることを出し合ったり、
関係性をそこで使って、何か会社のために成果を出すということをやっている。
そこに線引きは無いと思うんだよね。

だけど、会議を特別なものとして分けている人たちがいる。
そういう人たちはどういうマインドなんだろう・・・という疑問が湧きました。

そうさんはどういう視点で、仕事と会議を分けるという話をしてたんですか?

そう
そうですね・・・。例えば、仕事をしていく中で何かに突き当たったりとか、
モチベーションが下がったりすることがありますよね。

でもその時に、良い会議があるとモチベーションが上がるじゃないですか。

じん
上がる!

そう
ですよね。良い会議が出来ている会社さんって、
会議はモチベーションが上がる場になっています。

じん
うんうん。

そう
だからそういう意味で会議は特別であるといえます。
会議をすることで、「新しい発見があって嬉しい」だとか
「みんなの話が聞けてすごく参考になった」とか、
必ずエネルギーが上がるんです。
会議は特別であり、大切な仕事のひとつになっているんです。

「会議と仕事を分けている」というのは、
「会議は無い方がいい」と思っている人たちによるものだと考えています。

じん
はいはい、なるほど!

そう
会議をすると疲れる。会議は無い方がいい。
そう感じるのは、良い会議の経験をしていないのではないかと考えているんです。

そういう人たちにとって、
会議は仕事を邪魔するものでしかない、
会議はエネルギーを吸い取られる場なんですよ。


じん
すごくよく分かりました。
つまり、別物なんだよね。
名前は両方「会議」って付いているから同じもののように見えるけれど、
良い会議と悪い会議が全くの別物。

悪い会議の人たちからは、見えない世界なんだよね。
だから良い会議というのが分からない。

 

「良い会議」と「悪い会議」

そう
良い会議を知らない人たちは、
会議は無い方がいいし、会議というのはコストだと思っている。

逆に、良い会議が出来ている人たちは、会議は投資だと捉えている。
だから、できるだけリターンを高くするために効率化も求めるし、
いかにこの時間の中で最大成果を上げられるか、ということにコミットする。

悪い会議じゃ、できるだけ会議を避けたくなるのもわかります。
その場に居たくないですよね。

世の中には残念な会議が多過ぎると思っています。
主観ですが、残念な会議しか経験したことない人の方が多いのじゃないでしょうか。

じん
わかるわ~!
そうすると当然、会議の時間は無駄になってしまうから、
会議をしてたら仕事が進まない、ってことになっちゃう訳だね。

本来、会議は仕事をさらに進めていく場のはずなのに、
会議をしていると仕事が進まない、という状態に陥るということだね。

そう
僕が以前お手伝いしていたITのプロジェクトでは、定期的に「進捗会議」があることが多かったです。

すべての情報を全員で共有している方が、
何らかの理由で良いに違いない、という価値観があるように見えるんですよね。

リーダー自身が把握していないとダメだ、とか
リーダーが分かっていないと不安だ、とか
全部の情報を全員でわかっている方が全体が見え、俯瞰できるはずだ、とかね。

そうすると、「この情報も共有するべきだよね」と
進捗会議に持ち込まれる情報が増えます。
そしてどんどん情報も時間も際限なく肥大化していくんです。

肥大化していくと何が起こるかというと、
直接関係ないと思った人が内職しだすんです。
そうすると会議のエネルギーが下がります。

時間が長いだけでなく、のんべんだらりと会議が続いていくということになってしまう。
また、情報と同じように、人も増えていくんです。
あの人も呼ばなきゃ、とか、あの人にも参加してもらわなきゃ、というようになってしまう。

そうなると、
「あぁ、月曜日の朝からまた会議だ・・・まぁでも、内職してればいいか」
という状態になってしまうのです。

こういった理由で会議は肥大化していきます。

時間が足りなくなるから時間を延ばす、
メンバーのエネルギーレベルがどんどん下がる、
関係ない会議に参加しなくてはならない、
何をやっているのかよくわからない・・・。

じん
どんどんそっちへ行ってしまうんだよね。

そう
どんどんエネルギーを下げる方へ進んでしまうんです。

 

「受け身の時間」をいかに少なくするか

じん
自分が話し合いをファシリテートする際に意識しているのは、
いかに受け身の時間を減らすかということです。

受け身の時間を減らして、コミュニケーション量を増やす。
受け身の時間って、コミュニケーションが起こっていない訳ではないけれど、
明らかにコミュニケーション量は少ない。

例えば、何かの発表をするときに
ただ聞くだけで何のやりとりも起こっていないなら、

受け身の時間を減らして、コミュニケーション量を増やすにはどうデザインしたらいいかな、っていう考え方でいく。

「メンバーが多過ぎだよね」とか
「60秒サマリーでやらないとダメだよね」とか。

どうやって会議でちゃんとコミュニケーションを起こすかを考えないと、
どんどん落ちていく会議になってしまう。

そう
そういう会議になってしまっているときに、
会議の振り返りや改善がきちんとできればいいのですが、

良い会議の経験がないと、
会議っていうのはせいぜいこんなものだ、と思って思考も行動も停止する。

会議はどんどん延びていくもの、
メンバーはどんどん広がっていくもの。
その歯止めが利かないのですよ。

だから振り返りをやっても意味がないと思っちゃうし、
会議は変えられない、と思ってしまう。

 

会議で変える、会議で変わる

じん
そうだよね~。

見えてない人たちが見えるようになればいいのに・・・っていう気持ちが
自分にははすごくあるんです。

話し合いだけでこんなに会社全体が変わるのに、
みんなそれが見えてないから、「話し合い・会議の時間なんて無駄でしょ」と言う。
見えるようにしていきたいと、すごく思う。

そう
僕は、「でも」「だって」を減らしていきたいと思っています。

「でも、会議ってこういうものでしょ」「だって、会議なんだもん、しょうがないでしょ」ってなるのはもったいない。

さまざまな可能性があるということを知ってほしいし、
面白いものだということを体験してほしいし、
自分でも何かやろうかな、と思ってほしい。

「でも」「だって」よりも
「じゃ」「どうしたら」と考え、行動を起こしている人たちが世の中に増えてほしい。

だからこそ、良い体験が大事。
違う体験、違う見え方が増えることで、
「こういう可能性もあるんじゃないかな」と思えるようになったら、
もっと世の中が面白くなるはずなんですよ。

「できることはなんだろう」って探してやっている方が、変化、成長につながるじゃないですか。単純ですが、僕はそう思ってますし、僕はそうやってきました。

一時的には失敗したり、痛い目を見たりするかも知れないけれど、
何かしら変えようと思って続けていけば、絶対に良くなります。




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