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第84回『目立たずにこっそり話し合いを促進する方法』

2022年04月14日

 

会議で「話し合いが停滞してるなぁ… 」「議長がもっとうまく仕切ってくれないなぁ…」と思うことはありませんか?

でも自分が会議の進行役やファシリテーターをやるのは苦手…という人向けに、
自分は目立たずにこっそり話し合いを促進する5つの方法をご紹介します。

1)うなずき、相づち
リアクションすることが話し合いの流れをつくります。
誰かが発言したときに「なるほど」「そうですね~」「へぇ~」「ですよね~」と返したり、頭を振って「うんうん」と頷いているだけでも話し合いの流れができます。
発言者が話しやすくなるだけでなく、他の人もこの発言に意味があるということを受け取りやすくなります。
つまり、発言している本人と周りの人にも影響を及ぼすことができます。

オンラインのときは特に大きく頭を動かしたり身振り手振りをしたりすることで「あなたの話を聞いているよ」という姿勢を示すことが効果的です(画面上では一人当たりの面積が小さいので、大きめにリアクションするのがポイントです)。
オンラインだと「うんうん」「なるほど」と発言を挟むことが邪魔になりますし、そもそもミュートにしていることが多いため、身振り手振りが有効です。
画面上で大きめにうなずきの仕草を見せることによって聴いているということを示せます。
簡単ですが大変効果的な技です。

2)名前を呼ぶ
次にご紹介するのは「名前を呼ぶ」という技です。
名前を呼ぶことも話し合いに流れをつくります。

例えば、「○○さんの言った意見に乗っかると~」「○○さんと被るのですが~」「それはさっきの○○さんの話に近いですよね」「○○さんも先ほど言っていた通り~」など、メンバーの名前を入れて発言します。

話し合いでは「受け入れ合い」がとても重要です。
自分が話をする際に人の名前を入れることによって、「○○さんが話したことを私はきちんと聴いていたよ」ということが伝わりますし、名前を呼ばれた人は「自分の発言を聞いてくれていたんだ」と受け入れられたことを感じられます。

場に安心感が生まれ、お互いに承認された気持ちになります。
名前を呼び合うだけで、この場に受け入れられているんだ、と感じられて話し合いの流れがスムーズになるのです。

逆に全く受け入れ合いがなく、自分の話ばかりになると対立的な構造になってしまうこともあります。
もし、対立的になったときは、「○○さんの意見はこういうことですか?」と相手の名前を呼び、確認してまず理解することに努めましょう。(同意できなくとも伝えたい事が理解できればOKです)

まず相手を理解していることを伝えてから、異なる観点の意見を言いましょう。
意見が異なっていたとしても、相手が一旦受け入れてもらったと感じられることによって
対立すら越えて、話し合いの流れを整えなおすことができます。
名前を呼ぶテクニックを使っていろんなバリエーションを試してみてください。

 

3)オウム返しと要約
誰かが言ったことをそのまま「オウム返し」で言ってみたり、発言が長い場合は「要約」して言ってみたりすることも効果的です。

相手の話を聞いて、自分はこう理解したよ、ということをそのまま出すだけ。誰かの発言をそのまま繰り返して言ってみるだけ。それだけで受け入れられた感が生まれます。
もし理解が違っていた時には、「いやいや、こういう意味なんですよ」と訂正してもらうこともできます。

オウム返しはそのまま繰り返すだけなので非常に簡単です。
例えばAさんが「こういうパターンもあると思うんですよ」と発言したら、「あぁ、そういうパターンもありますよね~」ぐらいの感じで構いません。
そこに同意や反対を乗せる必要はなく、ただ繰り返せばいいだけです。

自分自身は意味のあることを発言しているわけではありませんが、話し合いをつなげていく効果があります。
チームを機能させるコミュニケーションでは、「受け入れ合い」が重要です。
「オウム返し」「要約」は受け入れてもらったという実感を得られ、話し合いが流れやすくなります。

4)全員が見えるように書く
進行役やファシリテーター、議長でなくても、全員が見えるように書くということによって
話し合いに大きな影響を与えることができます。
場合によっては流れを奪い取ってしまうことさえあるので上手に使ってください。

話し合いを可視化するということはとても重要です。
「それはさっき言っていたこれですね」「これとこれは同じことですね」というように
書いたものを見ながら話し合いができます。

自分は発言しなくても、書いておくだけでみんながそれを見ながら話し合いをするようになります。

書きながら「今の発言は○○という意味であっていますか?」と確認をして、話し合いをクリアにしていくこともできます。

進行役やファシリテーターをやるとは言わずに「メモ係」「書記」として引き受けたり、
「ホワイトボードにちょっと書きましょうか」と言って書き始めてしまうのがいいでしょう。

一番のオススメは、誰か一人が書記になって書くのではなく、みんなで書くことです。
会議室の場合はテーブルの真ん中に模造紙を置いて、みんなでそこにメモをしていきます。
メモや図を共有しながら話していくだけで模造紙に書いたものが話し合いを促進させます。
オンライン会議のときは、共有ドキュメントやホワイドボードツールを使ってみんなで書きこんでいきましょう。そのまま議事録として残すこともできます。

書記役を決めると、その人は書くことに集中しなくてはならず、あまり発言できなくなってしまいますので、みんなで一緒に話しながらみんなで一緒に書くことをするといいでしょう。
議長やファシリテーターを決めなくても、みんなで書くことで話し合いが促進されます。
議長がうまく進行できてないなと感じたときには、書記が書きながら発言者に「これであってますか?」などと確認することで、会議の進行を助けることができます。

 

5)仕切らないけど話し始める
誰かファシリテーターをやってくれないかな・・・と皆で待ちの姿勢で話し合い始めの居心地の悪いときってありますよね。
できれば進行役をかって出ればよいのですが、それはちょっと気が引けてしまう・・・という場合に有効なのが、「仕切らないけど話し始める技」です。

話し合いが始まってどう発言していいか困惑しているときに、「難しいですね~」と言ってみたり、
話し合いがなかなか始まらないときに、「どうやって話します?」話し合い方で困ってるということを口に出してみたり、
テーマについて「このテーマ、最近話題になってますよね~」と言ってみたりすることで話し合いが始まります。

また、テーマに関係のない話をすることによって発言が促されることもあります。
例えば、「本題とは関係ないんですけど、なんか空気重いですよね(笑)」とその場の雰囲気について発言することは意外と重要です。
「ちょっと窓開けます?」とか「そのペンかわいいですね」「僕もそのペン愛用してるんですよ」など、テーマとは無関係なことでも、とにかく口を開くことによって、周りにも発言を促すことができます。

ちょっとした雑談にもアイスブレイカーの効果があります。
意見は言わなくても、テーマに関する自分の体験談や、参考になりそうな事例の話をするという方法もあります。

とにかく、呼び水となるように「口を開く」ことを大事にしてみてください。
他の人が口を開きやすくなるので、仕切ろうとしなくても話し合いの流れをつくることができます。

今日は5種類の技を紹介しました。
簡単ですがどれも有効なものばかりです。話し合いのなかでぜひ使ってみてください。

 

 

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