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第88回『心理的安全性を高める本当の理由』

2022年06月09日

「心理的安全性」が重要であることはよく言われるようになりました。

しかし、そもそもなぜ心理的安全性が大切なのでしょうか。

今回は「心理的安全性」が組織づくりに必要な本当の理由について解説します。

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「心理的安全性」が組織づくりに必要な理由

●不確実性が高い環境の中で学習し成長し続けるため <学習する組織>

●自分たちとは違う何者かになるのではなく、自分たちの「らしさ」を発揮できる環境をつくるため <ハリネズミの概念>

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「心理的安全性」が大事であると社会に認識されるようになった有名な研究調査にGoogle社の「プロジェクトアリストテレス」があります。

この研究では、思い切って要約すると「心理的安全性の高いチームのパフォーマンスが高い」という結果が出ました。

ここで、誤解してはならないポイントがあります。

心理的安全性が高ければどの組織でも、どのような環境でもパフォーマンスが高くなるのかというと、そうではないということです。

Google社は、VUCAの環境で新たなことに挑戦し続けている企業です。

前述の研究で分かったのは、あくまでもGoogle社の置かれている環境において、心理的安全性の高さが結果に影響を与えるということです。

言われた通りの作業をやるだけの方が成果があがるケースもあります。

「正解が分かっている」「未来が予知できる」「経験者がより多くの知見を持っている」等の場合は、きちんと正しいことを正しくやるピラミッド型組織構造で間違いなく行うことの方が無駄が少なく、高いパフォーマンスを発揮できます。

一方で、現在のような不確実性が高い環境では、学び成長し続けるフラット型組織が高い成果をあげます。

経験から学び成長する「学習する組織」をつくるためには、お互いに思ったことを恐れずに言ったり、失敗を恐れずに出すことができる「心理的安全性」が必要です。

「心理的安全性」の研究で有名なエイミー・エドモンドソンは、元々「学習する組織」について研究していました。

「学習する組織」とは、チームとしてお互いの経験や学びを持ち寄って交ぜ合わせ、互いの知見から学び合いながら変化・成長し続ける組織のことです。

社会環境が非常に不確実性が高く先の読めないVUCAといわれる時代において、従来の「決まったことを決まった通りにやればいい」「型通りの仕事をやればいい」「上司の言うことを聞いていればいい」というピラミッド型の組織ではパフォーマンスが発揮できなくなっています。

環境が変わったら自分たちのやり方を変えていかなければ先に進んでいけません。

実際に、現在多くの企業が新たな事業を始めています。

例えばコロナ禍により飲食店の方々は、デリバリー専門店にしたり冷凍の通販を始めたりするなどの工夫をしています。このような環境に適応した変化が必要なのです。

環境が変わったら、自分たちが変わるしかない。

これが不確実性が高い環境で求められる行動です。

そして、コロナ禍のように誰も経験したことがない状況においては、トップダウンで一人の決断だけで変化を起こすよりも、みなが持っているものを出し合い学習しながら成長し続ける方が適しています。

最初から環境に適応した進化をしようとするのではなく、無数のチャレンジをするなかでたまたま環境に適応したものが生き延びます。

過去に縛られるのではなく、今起こっていることを認識し、それぞれが知識や情報、経験を持ち寄ってアクションし、知見を交ぜ合わせて、学習したことを実際の組織活動に反映させていくことが必要です。

もう一つ、心理的安全性が大切である理由を別の切り口から見てみましょう。

企業や組織、個人が成長し、生き延びていくための最大の戦略は、その組織らしさを発揮することです。

ヘッジホッグコンセプト(ハリネズミの概念)にもある通り、天敵に対しハリネズミは「らしさ」を活かして、丸まって身を守ります。

つまり、自分たち以外の何者かになろうとするのではなく、自分たちは何者かを理解し発揮することが重要だということです。

組織における戦略そのものとなる「自分たちらしさ」を見つけ、発揮するために必要になるのが「心理的安全性」です。

心理的安全性が高いことによって、一人ひとりが「らしさ」を発揮でき、お互いに尊重し合うことによって組織も「らしさ」を発揮できます。

例えば「Googleみたいになろう」とするのではなく、自分たちらしさを大切にし、お互いに思っていることを言い合えることが、非常に重要なポイントです。

今回は、不確実性が高い環境においては、学習し成長し続ける組織づくりや、自分たちらしさを活かした組織づくりが必要であり、そのためにも、「心理的安全性」は欠かせないということをお伝えしました。

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