第62回『参院選2025をチームビルディング視点で徹底解説!』
2025年07月30日
7月20日に行われた2025年参議院選挙。
今回ほど「社会が確かに動き始めている」と実感した選挙はなかったように思います。
まず驚かされたのは、期日前投票の多さです。
総務省の発表によると、今回の期日前投票者数は過去最多の2,618万人にのぼりました。これは全有権者の約25%にもなり、これまでにないほど多くの人が「自分の意思」を社会に届けるために動いたことを物語っています。
結果として投票率は57.91%(前回より5.86ポイント増)となり、最近の国政選挙では異例の高さとなりました。
若い世代が選挙を“自分ごと”に
出口調査などでも明らかになったのは、10代から30代までの若年層の投票意欲が大きく高まったことです。
「どうせ何も変わらない」という無関心層が減り、「自分も社会の一員」として一票を投じる姿が増えたのです。
背景には、SNSや動画などのネットを通じて情報を得る人が増えたことも大きく、若い世代の約6割がネット情報を重視して投票を決めたというデータもあります(テレビ朝日系報道など)。

チームビルディングの視点から見る「選挙」
私は普段、企業や組織のチームビルディングに関わっていますが、今回の選挙を“チームづくり”の視点で見ると、社会の大きな進化を感じます。
かつては「会社だから仕方ない」「国が決めたことだから仕方ない」と思ってしまいがちでしたが、今は「自分にできることがある」「少しでも声を出そう」と、多くの人が参加するようになりました。
これは組織づくりにおいても非常に大切な変化です。
これまで大きな声や偉い人の意見、あるいは“楽で速い”意見に流されがちだった場面が、テクノロジーの進化によって多様な意見が見える化され、小さな声や少数派の意見にも光が当たりやすくなっています。
多様な意見の“掛け算”が、社会を進化させる
今回の選挙では、多くの少数政党や個人の声がSNSや動画などを通じて社会に広がりました。
ネット選挙によって、これまで届かなかった意見が、しっかり社会に届くようになったのです。
大切なのは「良い」「悪い」だけで物事を判断せず、対立構造を作らないこと。
もちろん、犯罪のように社会が絶対に許容できない“悪”は除外されるべきですが、
それ以外の少数意見や新しい発想を排除せず、みんなで考え、話し合いを重ねることでチームも社会も進化していきます。
これは、生物の進化と同じです。多様な遺伝子が混ざり合って新しい命が生まれるように、
多様な意見を“掛け算”していくことで、今まで誰も思いつかなかった答えが生まれる。
まさに、今回の選挙で日本社会が“チームとして進化する兆し”を感じました。
多数決の“限界”と民主主義のこれから
「民主主義=多数決」というイメージが根強いですが、
本当に民主的な社会は、多数決だけで決まるものではありません。
- マイノリティ(少数派)を排除しないこと
- 多くの人が言っていることが必ずしも正しいわけではないこと
- 未来を見通して新しい価値を示すのは、実は少数派かもしれないこと
歴史を振り返ると、「大洪水が来るのに箱舟を作るなんて馬鹿だ」と言われていた人が、結果的に社会を救ったという寓話もあります。
多数決は納得度を高めるための手段であって、“正しい答え”を出すためには多様な意見を組み合わせていくことが欠かせません。
ネットで自由に意見が出やすくなった今、どんどん多様な声が社会に投げかけられています。
第3案、第4案が生まれる可能性が広がり、日本という“チーム”はこれからさらに進化できると信じています。
「国がいいチームになる」ために
これからの社会で大切なのは、対立や排除ではなく、
多様な人が対話し、意見を掛け合わせていくことです。
選挙は単なる政治イベントではなく、
「自分ごととして社会づくりに参加する」大きな一歩。
今回の高い投票率、特に若い世代の積極的な参加は、
日本が「もっといいチーム」へと進化していく希望のサインだと感じています。みなさん一人ひとりの声が、確かに社会を動かし始めています。
これからの日本を、もっと多様でしなやかな“いいチーム”にしていきましょう。