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第65回『ミュージカルで社会づくり(8)チームが「居場所」になる』

2017年09月21日

チームビルディングの話をしよう
2015年4月から始まった連載コラム「チームビルディングの話をしよう」では、代表河村がチームビルディングを切り口にさまざまなテーマでいろいろな人と話し合った内容をお届けいたします。

今回の『ミュージカルで社会づくり』は、NPOコモンビート理事長として
ミュージカルを通して人材育成をしていらっしゃる

安達 亮さんをお迎えしての対談です。

▽特定非営利活動法人コモンビート
 https://commonbeat.org/
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目次

 

 

安心感や居場所を感じられる組織づくり

安達 亮さん(写真左、以下 りょう)
寸劇づくりやダンスを取り入れた1泊2日合宿プログラムもやりたいですね。

会社の業務を行う中での情報だけでつながっているチームが、
この研修プログラムを通して、一段上のチームになる。

この人にはこんなタレントあったんだ、というような、
会社では見ることができないような個性を発見できて
会社の業務にも活きるようになるといいですよね。

普段の会社の中の姿とは全然違う側面を見ることができることで、さらに結束が生まれる。

そもそも会社で働くことに安心感や居場所を持っていない状態だとしたら、発言すらままならない。
研修では名前覚えゲームから始まり、業務では出てこない表現をするワークショップをちりばめて、お互いの関係性を作っていく。
最終的には会社にその安心感や居場所を持って帰って、業務に活かせればいいのではないかと思います。

河村 甚(写真右、以下 じん)
チームビルディングでは、共有レベルを上げていくということをします。

共有レベルを上げるという中には、
チームで目指す目標に関する共有レベルを上げていく、ということもあるし、
お互いついて知り合う共有レベルを上げるということもある。

それがさっきりょうちゃんが言っていた安心感にもつながると思う。

 

公私混同で仕事をする

じん
個人的には、公私混同で仕事したいと自分自身は思うし、
みんなもっと公私混同で仕事をしたら、共有レベルが上がるし
居心地がいいはずだと思うんだよね。

自分自身、昔は公私混同で仕事ができてなくて苦しかった経験がある。
仕事とプライベートの自分は違う、とか
仕事だとちょっとカッコつけて見せなくちゃならない、とか
そういう囚われが結構ある。

もちろんプライベートとは切り分けて仕事をしたいっていう人のことも尊重はするけど、
自分は公私混同したいし、他の人も公私混同できたらもっと居心地よく仕事ができるのに、と思うんだよね。

りょう
それも線の話ですよね。
世の中的には線は薄くなってきてますよね。
仕事とプライベートを分けなくなってきている。

じん
だよね。Facebookとかでもプライベートダダ漏れだしね。

 

プライベートをシェアする?1分間プライベートトーク、「グッド&ニュー」

りょう
コモンビートでは、会議の前に1分程度のプライベートトークを入れるなど、スタッフ間でとにかくプライベートをシェアしよう、という働きかけをしています。

生活のトーンがわかることで、頼めること頼めないことも把握できる。
こう頼むと怒るなぁ、とか把握しておくこともマネジメントの一つだと思うんですよ。

働いてるからといって、全部上から下に命令して良いわけではない。
会話の中で、「あぁ、この子はこういうことを言うと怒るんだ」とか「こういう頼み方をすると嫌な顔するな」とか。「今は機嫌悪いな」というのも体感で感じてないと、なかなかうまくいかないんです。

しかもNPOはボランタリーで関わることが多く、仕事でもプライベートでもないサードプレイスです。
彼らに頼み事をするって、実はすごく難しい。
会社で嫌なことがあった上に、サードプレイスに来ても嫌なことがあったら、もうボランティアには来てくれなくなっちゃう。お金のつながりじゃないからこその関係性を大切にしていきたいですよね。

そういう点でも、情報が無いと働けないですよね。
会社帰りにスーツ着てコモンビートの事務所に来たら、いきなり仕事を頼むんじゃなく、「最近どう?」「なんかあった?」って話しかけないと、それから先に進めないですよね。

もちろんやりすぎはよくないけど、会社の中でもそういうことが起こっていくと、いい組織になると思うんですけどね。

じん
ほんとそう思う。うちの会社では、毎日朝会議で「グッド&ニュー」をやってます。

もちろんその人なりに線を引いて、本人にとって伝えていい部分とそうでない部分を判断してるんだろうけど、
「グッド&ニュー」では仕事の話だけでなくプライベートの話をしてますね。

そういうのがあると、関係性も近くなるし、
自分自身の安心感、自分のことを知ってもらえている感もあるし。

りょう
居場所ですよね。

じん
そうそう、居場所になる。

毎日「グッド&ニュー」をやることが全てではないけれど、いろんな機会の中で公私混同が増えていくと、みんなにとっていい居場所になると思う。

 

温泉効果、合宿効果

りょう
それをワークショップとして設計してもたらすことができるといいですよね。

温泉に入ると仲良くなる温泉効果みたいなのを、
温泉に入らずにどのように高められるか、とか考えてみたり。

温泉効果ってなんなんですかね。
素っ裸になるからですかね?

じん
なんかいろいろあるみたいだよね。
温泉で会議をするって企画で、背景にはこうこうこういう効果があります、って聞いたことがある。

りょう
僕も副代表との重要決定は湯船の中なことが多いですよ。
気楽に判断できちゃったりするんですよ。
のぼせながら、「まぁいいんじゃなーい」とか言いながら(笑)

じん
のぼせ具合がいいのかな(笑)

りょう
同じ飯を食い、一緒に風呂に入る、
合宿というものの効果はNPOの中でもよく言われています。

じん
合宿効果ね?。

りょう
合宿に行かずに、合宿効果を出すとしたら・・・
「銭湯に行く格好をして集まってください」とか
「はい、パジャマミーティングですよー」とか
そういう演出でできることもあるかもしれませんね。

じん
銭湯に行って会議するとかありだよね。

りょう
会議も、環境を変えるってすごくいいっていいますよね。
そういうところで、あり方が変わっていき、コミュニケーション量が上がって、人を受け入れられるようになるプログラム設計ができるといいなと思いますね。

じん
現在のコモンビートは、参加者自身が、自分の成長のために個人的に参加する、というスタイルだよね。

コモンビートがやっている表現活動を活かした人材育成は、
企業にとって価値があるから、企業研修として導入する・・・というスタイルでも求められると思う。

チームビルディングジャパンがやっている体験と対話ベースのプログラムと
コモンビートがやっているミュージカルのプログラムをうまく掛け合わせて
社会に価値があることを作っていけるのではないかと思っています。

 

社会で実現したいこと

じん
最後に、りょうちゃんがコモンビートを通じて
社会で実現したいことを改めて聞かせてください。

りょう
「異なるものを楽しめる社会になる」ことですね。
「認め合う」とか「受け入れる」という言葉もいいんですけど、
「楽しむ」っていうところに思いがあります。
コモンビートが間接的にエンターテイメントとして届けているというところがミソなんです。
物事は楽しくやりたいんですよ。
つまんなくやっていては、人は来てくれません。
楽しい社会であってほしいし、楽しい人生であってほしい。
「楽しい」っていうのがキーワードになっている。
異なるものを楽しめる。それが受け入れることだし認めることだと思っています。

じん
たしかにね。すごくよくわかります。
対談、楽しかったです。ありがとうございました。

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