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第40回『行動変容を助ける3つのポイント』

2020年08月06日

前回は、「一人ひとりの日常の行動やあり方が変わっていくことで組織を変えられる」と話しました。
とはいえ、日常の行動やあり方を変えるのは、実は大変です。
なぜなら、日常の行動やあり方は、自分にとって「当たり前」になっているから。
自分の日常の当たり前を変えていくのは結構大変なのです(他の人を変えるのはもっと大変ですが)。

例えば、ダイエット、禁煙などの生活習慣の改善をイメージしてみてください。
「そんなの食べ過ぎなきゃいいじゃん」「自分で運動すればいいじゃん」と言うのは簡単です。
でも、実際に結果を出すのは、チャレンジしたことがある人はお分かりだと思いますが、結構大変です。

しかし、「やれば結果が出る」というのも事実。
今回は、日常の当たり前を変えていくために参考になる3つの考え方をご紹介します。

1)コンフォートゾーン
2)行動変容ステージ
3)体験学習サイクル

 

1)コンフォートゾーン

自分にとって安心安全で居心地のいい、日常通りの当たり前の中で、何も行動を変えずにやっているのが「コンフォートゾーン」です。

そこからちょっとストレッチして、背伸びをしてちょっと頑張ってみるのが「ストレッチゾーン」。

ストレッチゾーンの外側にあるのが「パニックゾーン」。パニックゾーンは自分が安全に制御できる範囲を超え、無理しすぎの状態です。

どのくらいがストレッチゾーンなのかパニックゾーンなのかは人それぞれ違います。
パニックゾーンだと続かなくなってしまうので、自分にとってパニックゾーンに入らないぐらいのストレッチをしましょう。
日常で頑張れば続けれられるくらいの設定をするのが大事です。

コンフォートゾーンに留まる人は、頑張らないのでパフォーマンスが低い傾向があります。
また、パニックゾーンの人も無理しすぎて続かないのでパフォーマンスが非常に低い。

パフォーマンスと緊張の関係のバランスを調べた研究では、「不安と負荷が中程度に高い状態が一番パフォーマンスが高い」という結果が出ています。
つまり、ストレッチゾーンが一番パフォーマンスが上がるということです。

コンフォートゾーンに留まることなく、パニックゾーンまで無理しすぎず、ストレッチゾーンで継続的に毎日できることを続けていくことが大事です。

2)行動変容ステージ

「行動変容ステージ」は行動を変えることに無関心な状態から、その行動が当たり前になるまでの状態を5つのステージに分けて捉えた、生活習慣の改善の研究から生まれたモデルです。
他者に対して行動の変容を求めるときにどのように働きかければいいのかの参考にもなり、働く場の日常の行動を改善するためにも役立ちます。
行動変容を求めるには、相手が今どのステージ(○○期)にあるのかをつかんでおかないとなりません。

例えば、「無関心期」の人たちに対して無理に変わるよう働きかけても反発ばかりが返ってきます。
また、「関心期」や「準備期」の人たちが自ら行動しようと思っているときに余計な働きかけをしてしまうと、行動する気持ちが削がれたり、反発心を生んでしまったりします。
「やれ、やれ」と外側から言うと逆効果なタイミングもあるということです。
本人が内側からモチベーションをもって行動を変えていけるかが大事です。

そのためには、
・自分の行動変容が継続したことによって、どういう素晴らしいことが起こるか
・それをやらないことによって起こる、悪いことはどのようなことか

これらがイメージできるような関わりかけが必要になります(どのステージでも共通するポイントです)。

チームビルディングで組織の日常の行動を変えていくには、自分たちはどのような組織にしたいのか、どのような状態を実現したいのかというイメージを明確にして共有することにより、チームメンバーの行動が変わっていきやすくなります。

 行動変容ステージについてさらに詳しく知りたい方は
 ▼河村甚コラム『行動が変われば、チームが変わる!~行動変容ステージ~』
 https://www.teambuildingjapan.com/column/b034.html

 

3)体験学習サイクル(経験学習サイクル)

日常にしみついた当たり前を変えていくためには、日常のなかで毎日実践できることを継続して行動することが大事です。

そして実践を続けるためには、やってみて、実践してみてどうなったのかということを振り返り、振り返ってみて、またやってみる・・・というサイクルを回していくことが大事。

何か知識をインストールしておしまいではなく、日常の自分自身の行動と経験から学んでいくことが、自分自身あるいは組織の成長を生み出すうえで、肝となる部分です。

実践を振り返って「うまくいったのはなぜか」「うまくいかなかったのかのはなぜか」「次はこうしてみよう」と考えることは、非常に重要な学習の方法なのです。一人ではなく、チームで実践できるとそれは組織学習となり、更に有効です。
これを毎日継続しておこなうことが大事です。

「一人ひとりの行動、あり方が変われば組織が変わる」「一人の行動から始めることができる」とお伝えしました。

体験学習サイクルをまわすときにおすすめなのは、振り返りをチームメンバーで一緒にやることです。

例えば3人組などで一緒に振り返りの機会をもち、体験学習サイクルを自分のチームの中で継続して回していくことがチームづくりにつながります。

一緒に仕事をしているチームの仲間でやれればベストですが、できない場合はまわりの人に相談して一緒に振り返る仲間をつくることもできます。

 

まとめ

今回は、1)コンフォートゾーン 2)行動変容ステージ 3)体験学習サイクルをご紹介しました。これらを意識して行動することによって、自分のまわりの日常、当たり前が変化していくことを実感できるようになります。

私たち一人ひとりの日常の小さな行動の変化が組織文化を作ります。
私たちがHappyに働く場は、どこか届かない遠いところにあるわけではありません。
私たち一人ひとりの小さな行動の積み重ねが今いる世界の見え方を劇的に変えていくはずです。

大事(おおごと)に捉えすぎず、まずは自分の目の前の日常から変えていきましょう。

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