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第29回『登山ガイドとチームビルディング(1)背景』

2016年05月05日

チームビルディングの話をしよう
※2015年4月から始まった連載コラム「チームビルディングの話をしよう」では、代表河村がチームビルディングを切り口にさまざまなテーマでいろいろな人と話し合った内容をお届けいたします。
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河野格1

今回の対談相手は河野格さんです。
河野格 チームビルディングファシリテーター/登山ガイド
1986年5月18日生。埼玉県ふじみ野市出身、在住。4人兄妹弟2男。
大学卒業後、NPO法人都留環境フォーラムで4年間環境教育活動に従事。年間100?120日山に登る。好きな山域は南アルプス。思い出に残る山は、初日から5日間連続で雨にやられ、足裏の皮が切れ、顔を歪めながら13日間かけて踏破した南アルプス全山縦走。

 

河村甚(以下じん)
今回なぜいたると対談やりたいと思ったかというと、主に2つくらいあって、まずは山とチームビルディングについて面白い話ができそうだというところ。いたると富士山チームビルディングや奥高尾縦走チームビルディングのプログラム開発の相談をしていて、山の体験の中にあるチームビルディングとの関連性に興味があったんだよね。

いたる自身、自分で登山ガイドとして独立して仕事を始めるくらい山に思い入れがある。その背景にある思いの話も聞いてみたいなと。

それからもう一つはいたるのものを見る視点やそれに基づいた人への係り方にもとても興味がある。打ち合わせをしていても普通はなかなか踏み込みづらい人と人との関係性やその場の空気感みたいなところに良い意味でズケズケと躊躇なく踏み込んでいける。それは誰にでもできることじゃないし、でも人との関係性を築いていったり、チームが成長するためにそのズケズケ力は大切なものだと思うんだよね。

 

河野格(以下いたる)
「ズケズケ力」 ですか(笑)
嬉しいような申し訳ないような、人によっては図々しいとか、馴れ馴れしいと言われてしまうので。複雑な気持ちですね・・・。
「関係性をみる視点」や「場を読んで言葉を投げ掛ける」といったことは、ファシリテーションの仕事のなかで鍛えられたのだと思います。
1対1の時は、自分と相手との関係性に踏み込んでいけないときは、たくさんありますよ。

じん
自分はいたるが率直にチームビルディングジャパンについて感じているところを踏み込んで話してくれるのはとてもありがたいと感じてる。そういうのはいたるの元々持っている特性やこれまでに経験してきたことなどから生まれてくるのかもしれない。

いたるの経歴というか、これまでの人生をざっくり振り返るとどんな感じ?

 

いたる
そうですね?
埼玉県飯能市にある私立・自由の森学園中高を卒業しましたが、この6年間は僕の人生に大きな影響を与えました。競争教育から脱却し、偏差値で人を図らない、自分たちで自分たちの学びを振り返る「自己評価」を大切にする学校です。みんなやりたいことに夢中になってやっていました。

僕は主に2つ、山登りと民俗芸能にハマってました。先生方や仲間とたくさん山に登ったし、民俗芸能では、九州や北海道まで公演ツアーを実施しました。人前で踊って脚光を浴びてる自分が好きなんでしょうね(笑)目立ちたがりってやつです。山登りは、山頂に立つ喜びを中学で味わってから、病みつきになってしまいました。
小学校は陸上競技やってたので、競争して1位とるのも好きでしたが、みんなで山頂に立って共通の喜びを得るのも楽しかったですね。

そんな生徒の夢中を、先生は全力で応援してサポートしてくれる。失礼かもしれませんが、「先生は対等な仲間」という感じでした。
すごく楽しかったなあ。

じん
いいね?

いたる
高校卒業時は、やり切った感あって、別れを惜しむ友人が多いなか、早く卒業して次のステップ行きたいと清々しい気持ちでした。

自由の森には、「生き方としての進路相談」という名の、講演会があるんですよ。
登山家が来たり、アルトサックス奏者兼ミジンコ研究者が来たり、夜間高校に情熱を注ぐ先生が来たり、谷川俊太郎さんが来たり。
「この方々の生き様からなにかつかみとれ!」という進路相談室なのですが、毎回面白かった。
「自分らしく生きていいんだなあ」と思うようになりました。

進学した山梨県都留市の都留文科大学では、山登りができるワンダーフォーゲル部の活動に4年間没頭していました。仲間とともに活動するってすごくいい。
喜怒哀楽全てを味わいながら過ごした仲間は、人生の宝です。
その大学4年の時に、都留で農的暮らしを営む加藤大吾さんに出会ったのが2つ目の転機になります。結論からいうと、大吾さんがじんさんの高校のクラスメイトだったんですよね!

じん
そうそう

 

いたる
僕は大学卒業時に4つの選択肢がありました。
・就職
・大学院進学
・旅にでる
・都留市に残る

就職することにはなぜか抵抗があった。乗り気じゃなかったです。もう勉強はいいや、という気持ちで大学院進学の選択もなかった。旅はいつでもいける。
都留市に残って、加藤大吾さんと一緒に活動したい、この魅力的な方の下で活動できるのは、今しかないんじゃないか、と思い都留に残る、という選択をしました。

※加藤大吾公式webサイト
http://www.earth-c.info/

じん
「この人と一緒にやっていこう!」という選択はいいね。普通は「何をする」とか「どこに行く」といったことで選択することが多いと思うけど、「誰と」という軸で選択してる。

いたる
都留に残ると決めたはいいですが、仕事しなきゃいけないですよね。
大吾さんに「何でもいいので仕事ください!」と懇願したのを覚えています。
必死感ありました。
そこで、紹介して頂いたのがチームビルディングのお仕事です。
野外で体験学習の手法を用いて、組織づくりや学校のクラスづくりの一端を担う。
全く経験も知識もありませんでしたが、やってみたら面白かった。
そして、都留市で10名の仲間とともにNPO活動を始めました。
自然との関わりが山登り以外になかった僕は、農業や森づくり、子どもキャンプ、野外教育、チームビルディング、インタープリテーション、と、たくさんの自然との関わりの形があることを知り、何もかも始めてで四苦八苦しながらも、毎日充実していたのを覚えています。本当に濃密でした。

都留での4年近いNPO活動に区切りをつけ、埼玉に戻ってきました。
自然との関わりの原点である、山登りに再び没頭し、2016年には登山ガイド資格も取得し、仕事にもなるように基盤を整えています。

※登山ガイド河野格 公式サイト
http://itarukouno.planet.bindcloud.jp/

チームビルディングのお仕事は大学卒業時から続いていて、登山ガイドとダブルワークで
これからもやっていくつもりです。ゆくゆくはチームビルディング登山のプログラム開発もしたいです。

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