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第10回『「物価上昇」は本当に悪いこと?不確実性の高い社会でのモノの見方』

2023年07月27日

今回の「チームの社会科」では多くの人が気になっている「消費者物価指数」についてお話しします。
物価上昇をどう捉えるかということと、組織が変化の激しい時代を生き抜くための考え方は、実は関連しています。
組織としての観点から現在起こっている物価上昇について考えてみたいと思います。

物価上昇は日常生活に関わることなので、大きなニュースになっています。総務省によると、6月の消費者物価指数は前年同月比3.3%上昇しました。 
ニュースを見ていると「物価が上がると困る」、だから「物価が上がらないように」という報道が多いようです。しかし、物価上昇は果たして悪いことなのでしょうか。

物価が安いということは、企業の利益が少ないということにつながり、それはまた我々の給料が上がらないということにつながっています。円安を活かしたインバウンド事業などを除き全体的に見ると、企業に入ってくるお金が少ないということであり、企業が支払う給料は安い、ということになります。

海外に行くと、「モノが高い」と感じます。それは円安だからです。ここ10年~20年ぐらいの間に多くの国では物価が上がっています。一方で、日本は物価がほとんど上がっていません。
海外に比べて日本の物価が安いことを活かして、コロナ以前はインバウンドビジネスが増えていました。

「物価が上がる」「まずい」「どうしよう」と考えがちですが、物価が上がらないということも、実は我々にとってまずいことなのです。

多くの人たちは「給料は上がってほしい」かつ「物価は安くなってほしい」と思っていますが、そういう都合のいいことは滅多に起こりません。物価が上がり、企業が成長し、給料があがる仕組みだからです。

さて、ここまでお話ししてきた物価上昇に対するニュースや消費者の反応は、

組織やチームで何か物事が起こったときの反応と似ています。

実害を受けているそのもの(値上げ、物価上昇)ばかりに注目し、物価上昇を止めなきゃならない・・・と反応していますが、これでは表面的な課題の解決に過ぎません。

物価上昇は不確実性の高い課題であり、複雑な事情が絡んでいます。

物価が上がっていることに対し、「物価上昇を止めなきゃ」「物価を下げなきゃ」と反応するのではなく、もっといろんな観点を交えて考えて解決するという視点を持たなくてはなりません。

我々がどうアプローチしていくかが非常に重要なのです。

ピラミッド型組織では、「物価が上がってるんだから、物価を下げろ」みたいなアプローチで物事の決定をしてしまうことが、残念ながら多く見られます。

「この人がこう言えばこう」という反応がよく見られ、それに対して誰も文句が言えない。

このようなことが企業ではよく起こっているのです。

表面的なことだけを捉えず、我々にとって今起こっているこの事象がどのような意味をもっているのかについて、多様な視点からの意見を募り、いろいろな小さな声も拾い上げて、まずは理解することが必要です。

ニュースなどでは頭のいい識者が出てきて「これはこういうことなのです」と端的に語ってくれますが、実際にはそれだけではありません。

誰かが与えてくれる正解を待っていたり、識者の意見をを正解のように受け取ってしまってはダメです。

・・・本当に商品の値段が上がるのは悪いことなのか?

・・・最終的に我々の利益につながっているのではないか?

このように、物価上昇について違う角度からも考えていくことが必要です。

それぞれのチーム、それぞれの組織の中で「えっ、それ全然違うんじゃないの?」と思われるような意見も含めて、多様な観点で話し合って、困りごとや課題の解決を図るようにしましょう。

海外では日本よりずっと物価が上がっています。スーパーハイパーインフレの国を除き、アメリカやヨーロッパ、アジア圏と比較してみても、日本の物価は大変落ち着いています。

日本は落ち着いている、という見方もあるのと同時に、

ビジネスは世界中の経済と切っても切り離せないものですから、その中で日本は各国と同じように成長していない状況であるという見方もできます。

対外ビジネスで日本がポジションを取ることができるのかというのは重要なポイントです。

もしくはまた別の視点で、「海外の方が物価上昇しているな」「それなら海外の方が高い報酬を得られるな」などと考えることもできます。

「消費者物価指数」を見て、単に「物価上昇は困る」と思うだけでなく、

自分にとって、社会にとって何が大切なのかを軸によく考えていきましょう。

今回は、最近の物価上昇ニュースをチームビルディング視点で考えてみました。

「これが良い」「これは間違っている」等誰かが教えてくれた正解に追随せずに、

多様な視点を掛け合わせて自分たちで未知の課題に対する答えを見つけていってください。

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