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第67回『ニューロダイバーシティって何?“違い”が強みになる職場の新しい常識』

2025年10月08日

近年、「ニューロダイバーシティ」という言葉を耳にする機会が増えてきました。発達障害や注意欠陥、感覚の違いなど、脳の特性による多様性を理解し、組織で活かそうという考え方です。
ニューロダイバーシティは単なる個性の話ではありません。組織の文化や習慣に大きな影響を与え、チームのパフォーマンスを左右する重要な要素です。

私たちは、つい「みんな同じであること」を前提にしてしまいます。しかし、ニューロダイバーシティの視点では、重要なのは 一人ひとりが異なる当たり前を持っていることを認識すること です。人の脳や感覚、思考のパターンは千差万別であり、違いは「間違い」ではありません。むしろ違いを理解し、受け入れることで、他者を攻撃するのではなく協力し合える社会や組織が育ちます。

組織の中でニューロダイバーシティを生かすためには、まず 個別化 が欠かせません。例えば、会議では発言のタイミングや方法を個々に合わせる、仕事の進め方や役割分担を柔軟に調整する、評価やフィードバックも一律ではなく個人の特性に沿って行う――こうした小さな工夫の積み重ねが、チーム全体の力を引き出します。「違いは間違いではない」という前提があると、互いの強みを活かし、弱みを補い合う文化が自然に生まれます。

社会全体でも同じです。教育現場では、一斉授業や一律評価ではなく、多様な学び方や表現方法を認めることが求められます。職場では、働き方やコミュニケーション方法を個々の特性に合わせる柔軟性が必要です。地域活動やボランティアの場でも、参加者それぞれの強みや関心に応じた役割を用意することで、活動の質も広がります。

大切なのは、違いを見つけて排除するのではなく、 理解し、受け入れ、活かす ことです。日常の小さな行動、たとえば「相手の意見の背景を聞いてみる」「方法が違っても成果につながれば認める」「強みを引き出せる役割を考える」といった積み重ねが、ニューロダイバーシティを生かす文化を作ります。つまり目指すべきは「みんな同じ」ではなく、 「みんな違う」を認め、理解し、活かす社会 です。一人ひとりの違いを前提にした組織や社会は、個々の力を最大限に引き出し、多様性を資産に変えることができます。私たちが日々の習慣としてこの意識を持ち続けることこそ、ニューロダイバーシティを真に生かす第一歩なのです。

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組織は変われる!チームづくり資料DL
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