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第14回『自然体のリーダーシップ(2)伝えること』

2015年10月08日

チームビルディングの話をしよう
※2015年4月から始まった連載コラム「チームビルディングの話をしよう」では、代表河村がチームビルディングを切り口にさまざまなテーマでいろいろな人と話し合った内容お届けいたします。

※今回の『自然体のリーダーシップ(2)伝えること』は、
第13回『自然体のリーダーシップ(1)出会い

の続きとなります。

 

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河村甚(以下じん)
伝える側の思いが、ものすごくその伝える内容以上に影響するってあるよね。

 

田頭篤(以下たがしー)
「伝えるため」ではなくて、「伝わるため」だと、感情を乗せないと難しい気がするな。
じんちゃんがさ、何か人に伝えたいなっていうときに気を付けてることってある?

 

じん
パッと思いついたのは相手の話を聴くみたいな感じ。
伝えようとするときに、この人は何に興味をもっていて、どういう価値観で動いてるんだろう? というのが自分で腑に落ちないとどう伝えるっていうのはなんか伝えるのは難しいと思う。
あとは、自分の感情や本当にやりたいことなど自分だからこそ伝えられることを自分の気持ちで語る。 データでこうだから、とかいうところではなく。
相手を理解することと、自分の気持ちを乗っけるっていうことなのかな。

 

たがしー
会話中に、自分がどんなことを喋っているのか分析をするとさ、最初はあいずちが多くて言葉が少ないの。言葉が多くなるのは後半なんだよね、傾向として。一通り話を聞いてからじゃないとしゃべってないらしい。
まぁ、何を言うと相手にスッと入っていくのかってのは、ずっと聞いてないと分かんないもんね。
たとえば、悩みを相談されている時とか、途中で「どうしたらいいと思う?」と聞かれても答えてない。相談されてるのに 笑。「どうしたらいいんだろうねぇ・・・」と一緒に悩む。
相手の頭の中にあるいろんな話をまず出してもらってからじゃないと、適切な選択肢とか出せない気がして。
あと、相手がしゃべっているうちに勝手に自己解決する時もあるし。こっちがあえて「この方がいいんじゃないですか?」とか言わずとも、「あ、分かった!」とか言って。自己解決するんだったらその方がいいんじゃね?って。

?

じん
うん。しゃべってると整理できちゃうみたいなね。

 

たがしー
うんうん。自分もそうだしね。
頭の中に色々あってさ、ごちゃごちゃしているときって誰かに話をしてると「あ、そこか!」みたいな。
最近、ファシリテーターのインストラクションはどういうのがいいのかっていうことを何人かと考えててさ。インストラクションとして言わなきゃいけないことってあるじゃない? これからやってもらうことの背景とか、目的とか、時間とか、手順とか。そういったことを整理していくと「言うべきことチェックリスト」みたいなものができて使えそうだし。
ただ、そうやって整理するのも、なんか「ちょっと違う」って感覚があってさ。で、ある人に話を聞いてもらったのよ、あれこれと。聞いてもらいながら、自分で勝手に気がついたのが「インストラクションしないに越したことないじゃん!」ってこと。
インストラクションを通じて、ああしてください、こうしてくださいっていろいろ伝えるんじゃなくて、そんなに言わなくても参加者が自然とこう、すぅってアクティビティやワークに入って行くっていうか。インストラクションは必要最小限にして、あとは参加者が自然と動けるようになればいいんじゃないかと思ったのよね。
インストラクションを充足させるためにどんな要素・項目が必要か?ということに興味があるんじゃなくて、インストラクションを極小化して参加者が動ける、動きたくなるようにするためには何をすればいいのかっていうことの方に興味があるんだってことに気付いた。 (笑)
これを見つけられたのは、話を聞いてもらってたからなんだよね。

 

じん
さっきたがしーが相談されて答えないって言ってたけど、それって実はすごいことかもしれないよね。 特にオス(雄)ってそこで何か言いたくなっちゃう。「俺の経験ではさ・・・・・・」とか、相手が求めていると思って何か貢献しようとしてるのかもしれないけど。
でもそれって必ずしも響かない。なんでそうなっちゃうのかって多分聞いてないから。理解してないからなんだろうね。

 

たがしー
うん。・・・聞いた話なんだけどさ。スターバックスの店員さんの話でね。お客さんが一番小さいショートサイズのコーヒーを「量を減らしてください」ってカウンターで注文した時に、ある店員さんが何と言って対応したか? って話なんだけど。
研修とかで「みなさんならどうします?」って問いかけると、「規則でできません、と答えます」、「どれくらいの量を減らしますか、と尋ねます」、「半分くらいでいいですか、と聞きます」、っていう答えが返ってくる。お客さんの「減らしてほしい」という要望を前提に、どう対応するかを考えてるのね。
でも、その店員さんがどうしたかっていうと、「なんで減らしたいんですか?」って聞いただけ。そしたらお客さんは「持って歩いているとカップから漏れてしまうのでそれを避けたい」ってことだったらしい。店員さんはどう対応したかというと、サイズ大きいトールサイズのカップに、ショートサイズの量を入れて出したんだって。
この店員さん、お客さんの期待に応えたなーって。
「減らしたいんです」って要望された時、どうしても全力で減らそうとする。全力で要望に応えようとする人が多い。だから「どれくらい減らしましょうか」とかっていう選択肢を相手に出していくことになる。
でも、全力で応えようとする自分の気持ちをグッとこらえて、“なんでこの人は減らしたいって思ったんだろう?”っていい意味で相手を疑って、「なんで減らしたいんですか?」って一言聞き返す。こんなことで、相手を更に理解できるようになるんじゃないかなーと思う。

 

じん
またそれ分かりやすいいい事例だね。

 

たがしー
わかりやすいって大切だと思うんだよね。僕はあまり研修やらないけど、一昨日の研修でアンケートに一番書かれたのは「講師の話がわかりやすい」だった。事例とかストーリーを話すからかな。

 

じん
そうだよね。すごい響くもん。ストーリーの力だね。

 

たがしー
伝える時ってそういう事例とか、自分が遭遇したこととか引き出してくると相手がそこに惹かれるというか。事例のない話って伝わらないんじゃないかなって気はするんだよね。事例じゃないにせよ、少なくとも具体的に頭にイメージできるかできないか。仮に嘘(=架空の話)だったとしても、相手にイメージが伝わるかどうかが大切な気がするんだよね。

 

じん
そうだよね。

 

たがしー
・・・ちょっとじんちゃんに聞いてみたいんだけどさ。今の話ってチームビルディングと関係する? なんか関係ない話をしちゃってるような気がして心配 (笑)

 

じん
関係するする!
すごく当たり前のことかもしれないけどチームで仕事をする時に相手から受け取ること、伝えることがちゃんとなされないと何もできない。
そういうときにどう伝えるかって大事だよね。それはリーダーって立場に限らず、いろいろなポジションで大事。

 

たがしー
リーダーの役割の一つとして、「見えないものを見せる」とか、「リーダーはみんなが見えないものを見ている」というのが何かの本にあったんだけど、「見えないものを見る」そして「見えないものを伝える」っていうのがその伝えるってことと関係してるよね。
リーダーが5年後のイメージをはっきりと持っていると、それがうまく言語化できたりできなかったりはあるだろうけど、何とか伝えようとすることで、それがにじみ出てたり。
そのイメージが自分の中にコピーされると、「だったらそこへ行ってみようかな」みたいになる。
行きたいゴールのイメージがあって、それをどう伝えるかということはリーダーシップを発揮することの一つかも知れない。誰にも見えていない、なんだかよく分からないものを、イメージとして相手に伝えられたとしたら、それはすごいことだよね。

 

じん
まず最初にリーダーが「見えないものを見る」というところがあって、次に見たものを相手にいかに響くように伝えるか。
でもそれが難しいんだよね?。

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